2006年11月14日

『ケータイの未来』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478321221

本日の一冊は、NTTドコモの執行役員であり、iモードからおサイ
フケータイ、クレジットサービスiD、DCMXまで、ドコモ
のマルチメディア戦略を一手に担う夏野剛さんが、ケータイの進化と、
今後の方向性を示した、注目の一冊です。

冒頭に「ケータイの未来2020」と題した未来小説を挿入し、ケ
ータイの未来像を示した後は、生活インフラとしてのケータイの可
能性、業界事情、各社の動向などを冷静に記述。

クレジットカード業界への参入や、システム構築の際の導入技術の
話など、著者が、それぞれの局面で何を考え、どう決断したのかは、
ケータイビジネスに限らず、参考になる部分です。

エピソードも豊富に盛り込まれており、言わば一冊まるごとケース
スタディ。

若干自慢話が鼻につく、という方はいらっしゃるかもしれませんが、
下手なビジネススクールのケースよりもずっと参考になる内容だと
思います。

今後、インターネットやモバイルコマース、さらには人々の生活が
どう変わっていくのか知りたい方は、ぜひ読んでみてください。

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■ 本日の赤ペンチェック
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通信インフラの幕開けとなる一九九四年当時、ドコモをはじめとす
る事業者の目的は市場を拡大することだった。続くITインフラ期
の幕開け時には、新しい収益源となるデータ通信を求めていた。そ
こで、今、生活インフラである。ドコモの次の成長は、ICカード
を搭載した携帯電話機から始まる

真に強い企業、影響力がある企業とは、ユーザーのライフスタイル
を変えられる企業であると思う。さらに言えば、他社がこぞって追
随しようとする製品やサービスを生み出せる企業である

企業の利害が複雑に絡み合う現在では、ある一つの会社だけが利す
るサービスを流行らせるのは不可能に近い。多くの企業の賛同を集
め、共に利するという発想を持たないと成功は見えてこない

電子マネーは小額決済を対象にしたターゲット・マーケティングを
可能にする。さらにIT、とりわけ個人に密着した携帯電話機を使
うことにより、マーケティングにかかるコストはぐんと低下する

クレジット・カードが頻繁に使われるかどうかは、ユーザーの生活
に密着した場所があるかどうかがカギになる

iモードのときがそうだったように、できるだけ多くのパートナー
を呼び込む、インターネット的な発想が重要

今の時代は自分の範疇だけでの部分最適を狙いすぎる人たちが集ま
っていても、全体としてはいいものができない。アーキテクトが全
体最適を考えながら製品やサービス、業界標準を作っていかないと、
魅力がある製品やサービスはできず、利益は最大化しないのである

単に技術的にテレビ機能を携帯電話に載せることだけを考えていて
もダメで、消費者の立場に立ったときにどんなベネフィット(利便
性)を提供できるか、に注力する必要がある

現在は秘書を雇えるのは特別な人に限られるが、携帯電話機による
ITが、すべての人に秘書機能を持つチャンスを与えてくれる

個人の信頼はIT社会には一層重要である

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『ケータイの未来』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478321221
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■目次■

まえがき
プロローグ
第一章 新たな挑戦「生活インフラ」
第二章 おサイフケータイによるリアルライフ革命
第三章 業界志向を捨てマーケット志向へ
第四章 ケータイ生態系にも変革の波
第五章 そしてその先にあるもの
あとがき

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