2006年9月20日

『私の行き方』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569666892

本日の一冊は、阪急電鉄、宝塚歌劇を創った伝説の事業家、小林一
三による名著を再発刊したものです。

小林一三の作り出したビジネスモデルは、インターネット全盛の現
在でも活用できる優れたものであり、本書からもそれが学び取れま
すが、本書のメインは、何といってもビジネスパーソンの仕事に対
する心構え。

功をあせり、処世術を身につけようとしてかえって平凡な人間に堕
してしまっている現代人に、成果を出すための考え方を提供しています。

「己を捨てて人のために働くのが、かえって向上昇進の近道」

「学窓を出たばかりの、したがって理想の高い青年は、平凡という
事を知ってこれを軽んずるが、平凡の非凡という事を知る者が少ない」

など、古くて新しい考え方が示されており、まさに現代の自己啓発
の悪しき風潮に待ったをかける一冊となっています。

どうすれば成果が出せるのか、どうすれば他者からの信用が得られ
るのか、そのヒントを知りたい人は、ぜひ読んでみてください。

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■ 本日の赤ペンチェック
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事業というものは計画性をもって取り組み、公明正大なものでなけ
ればならない

およそ、あらゆる事業の成り立った後を顧みれば、それはその人の
人格の発露である

今日では、この教訓談で出来上がった人が多過ぎる。それよりも確
固不抜の精神をもって、自分のみの持つある特色を、頑強に発揮す
る力強い人物が欠乏しているのであるから、私はむしろ、この種の
方向に、自分の力量を信じて進んでいく青年が、存外早く頭角を現
すのではないかと思っている

多くの人と交わるには、第一に感じの悪い人に勇敢にぶつかってゆく事

仕事に興味を持たなくて形式的に働く人には、成功は宿らない

生きがいのある生活だとか、人格を認めてもらわなければ困るとか、
そういう理屈、それは正しい主張であるとしても、それらの議論に
こだわらず、己を捨てて人のために働くのが、かえって向上昇進の
近道である

学窓を出たばかりの、したがって理想の高い青年は、平凡という事
を知ってこれを軽んずるが、平凡の非凡という事を知る者が少ない

月給は据え置きなのに仕事は増加する。これではやりきれぬなどと
嘆じてはならぬ。こうした貸方の努力を払っている間に、自ら地位
は向上するのである

頼まれた仕事を催促されるような人は、信用を得ることは難しい

特色を持つ人の特色を発揮せしむる教育はどうしたら良いかという
に、それは本人が天分を自覚して自分で勉強するより他に道がない

実力なるものの内容は、時世につれて常に変化する

適材を適所に置くというような事は口では簡単に言えるけれど、そ
んなに適材などが転がっているものではない。責任を持たせて、ど
しどし仕事をさせる事が一番だ

食うだけの事なら犬でも出来る。それでなしに、同じ働くならば心
持ちよく働く、すなわち文化生活ということが人間の目的だ

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『私の行き方』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569666892
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■目次■

使う時・使われる時
事業・東京型と大阪型
学生と語る
演劇経営作戦
私の経営法
夫婦問答
あの頃・この頃
三つの人生

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