2023年6月20日

『伝え方』松永光弘・著 vol.6259

【シンプルながら一生使えるノウハウ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4295408360

本日ご紹介する一冊は、クリエイティブディレクターの水野学氏や杉山恒太郎氏、伊藤直樹氏、放送作家の小山薫堂氏やコピーライターの眞木準氏、谷山雅計氏など、日本を代表するクリエイターたちの思想を世に伝えてきた編集家・松永光弘氏による「伝え方」論。

昔から著者が手掛ける本が好きで、本書も届いた直後に読み始めましたが、やはり面白い内容です。

<土井のおすすめはこちら>

『ひとつ上のプレゼン。』眞木準・著
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『広告コピーってこう書くんだ!読本』谷山雅計・著
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「はっきりわかっているから、はっき伝えることができる」という基本に始まり、伝えるための「5つの要素」、説明・案内文を書くための著者オリジナルの「同分解展」モデルまで、価値あるノウハウが一気に伝えられます。

■5つの要素
・伝えたいこと
・伝える相手
・困りごと
・よさ
・わけ

■「同分解展」モデル
・同意
・分析
・解決
・展望

読者がビジネスや実用目的で「伝え方」を求めているなら、本書は間違いなく有用な一冊だと思います。

きちんと実践すれば、本やセミナーが飛ぶように売れるようになると思います(笑)。

学校の作文が、伝える相手を設定していないから書きにくい、という指摘ももっともで、文章指導に関わる人も読むべき内容だと思いました。

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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はっきりわかっているから、はっきり伝えることができる

「伝えるべきこと」は、いわば「伝え方」の扇の要のようなものなのです。そこが定まらなければ、文章であれ、お話であれ、なんであれ、適切に「伝える」ことが難しくなります

「伝えるべきこと」が表現を決める

『怒りの葡萄』などで知られる作家、ジョン・スタインベックは、つぎのような言葉をのこしています。「自分に関する物語でなければ、人は耳を傾けたりしない」

<よさ>と<わけ>で魅力を語る

必要性の有無によって、受け手は引きつけられたり、引きつけられなかったりする

<わけ>を提示した例文
「奈良公園には1000年を超える歴史のゆっくりとした時間の流れがあって、あくせくした気持ちをゆるめられるから、癒される」
「いまの世の中を動かしているしかけ人たちが手の内を見せてくれるから、いまの時代に本当に必要な企画のやり方を学ぶことができる」

受け手がちがうのに、魅力が同じでいいはずがない

意味や価値は共通性から引き出される

編集とは、「コンテクストをあやつって、意味や価値をコントロールする営み」

「なにをいうか」「どういうか」以上に「なぜいうか」が大切

■5つの要素
・伝えたいこと
・伝える相手
・困りごと
・よさ
・わけ

■「同分解展」モデル
・同意 悩みや課題の指摘
・分析 悩みや課題の背景や問題点の分析
・解決 解決の方針や策の提示
・展望 解決による効果の指摘

“擬似体験”できると納得しやすい

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「伝え方」に関する盲点が書かれているのも興味深いですが、何と言っても文章が面白い。

読み始めたら、一気に通読できると思います。

文章・編集に関わる仕事をしている人なら、さらにディープに読めると思います。

ぜひ、読んでみてください。

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『伝え方』松永光弘・著 クロスメディア・パブリッシング

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◆目次◆

はじめに
第1章 「伝え方」には原則がある
第2章 「伝え方」に引力をもたせる
第3章 「伝え方」の軸をつくる
第4章 「伝え方」を最適化する
付録 「もっと伝える」ための2つのヒント
おわりに

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