2022年10月11日

『暴落相場とインフレ本番はこれからだ』澤上篤人・著 vol.6096

【守りを固めよ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756922368

本日ご紹介する一冊は、さわかみ投信の創業者であり、さわかみホールディングス代表取締役、澤上篤人さんによる資産防衛の指南書。

昨今の激しいインフレと暴落相場に悩まされている方は多いと思いますが、なぜそうなっているのか、どう対処したらいいのか、ヒントを述べた一冊です。

既に著者は、『大暴落!』『インフレ不可避の世界』を上梓していますが、本書はこの3部作のラストにあたる一冊。

※参考:『大暴落!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756921469

※参考:『インフレ不可避の世界』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756922066

いずれも株価暴落、インフレを扱っているので、内容は重複しますが、なかでも本書は直近の状況を扱っており、状況がよくわかると思います。

エネルギー価格の根本原因の分析や、債券にまつわるリスク、実物資産へのシフトなどが述べられており、最後の方でちらっと、銘柄選定の基準についても語られています。

資産防衛の心構えとヒント、そしてこれからの資産運用のヒントとして、読んでおくといいでしょう。

本文のなかから、さっそく気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。

—————————-

敢然とバーゲンハンティングに打って出るべし

エネルギー価格の急騰問題は、ロシア軍によるウクライナ侵攻が発端ではない

脱原発を早々と宣言した再生エネルギー活用優等生のドイツだが、先に書いたように、ロシアからの天然ガスや石炭火力発電に頼っているのだ。それが、世界の脱化石燃料の現実である

石炭火力の発電量は21年に過去最大を更新した

ドイツはもちろんのこと米国や中国では、太陽光発電や風力発電の設置が驚異的なスピードで進められた。ひとり日本だけが原発にこだわり、なんの手も打てないまま、今般の世界的なエネルギー危機を迎えている

今後10年から20年は、エネルギー源の大転換期が続き、その間ずっとコスト・プッシュが続く

いよいよマネーが実物資産に向かって急速にシフトしだす

金利水準が上昇していくと、どの債券投資家にとっても、「保有している低利回り債の投資妙味が薄れだす」という逆風にさらされる

日本経済新聞(2022年6月28日)によると、短期国債を除く国債の発行残高は1021兆円。それに対し、日銀の国債保有額は514兆円(6月20日時点、額面ベース)

実体経済というものから一歩も離れない長期投資が、当たり前の当たり前だと再認識するのだ

大崩れしはじめる前に、ほとんどすべての金融商品は、片っ端から売ってしまおう。残しておくのは、長期投資で株式保有している投資勘定だけだ

銘柄選別の基準は、生活者にとってなくなっては困ると思える企業だ。その中でも、金融緩和バブル時に、それほど大きく買われなかった銘柄のみ

—————————-

最終的には、著者の持論である長期投資に話が及ぶのですが、まえがきで書かれている「敢然とバーゲンハンティングに打って出るべし」との言葉には、激しく同意します。

何を買うかのヒントは、他の本を参照することをおすすめしますが、とりあえず今何が起こっているのか把握したい方、今後の動向を見極めたい方は、チェックしておくといいと思います。

———————————————–

『暴落相場とインフレ本番はこれからだ』澤上篤人・著 明日香出版社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756922368

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0BGHWMJ95

———————————————–
◆目次◆

第I部 「マネー膨れ経済」の終焉
第1章 40年続いたマネー膨張の歴史
第2章 このインフレ、意外と根は深いぞ
第3章 金融緩和バブル崩壊、これからが本番だ
第4章 インフレは実体経済からの警鐘だ
第II部 すごい混乱を、どう乗り切るか
第5章 金利上昇が牙をむいてくる
第6章 機関投資家化現象も曲がり角に
第7章 長期投資の復権
第8章 大暴落とインフレ、こうして乗り切れ

この書評に関連度が高い書評

この書籍に関するTwitterでのコメント

同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー