2020年3月27日

『徹底的に数字で考える。』深沢真太郎・著 vol.5483

【ビジネスパーソン必修の8つの数字手法】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866800739

本日ご紹介する一冊は、「ビジネス数学教育家」として、のべ1万人に指導してきた著者が、ビジネスパーソン必修の8つの数字手法を解説した一冊。

著者が本書で厳選した8つの手法とは、以下の8つです。

◆著者が本書で厳選した8つの手法
・「どれくらい上昇していくか」を数値化する
  ~相乗平均~
・「どれくらい価値があるか」を数値化する
  ~現在価値・将来価値の算出
・「どれくらい増やせるか」を数値化する
  ~ABテスト~
・「どれくらい影響するか」を数値化する
  ~感度分析~
・「どれくらいリスクがあるか」を数値化する
  ~標準偏差~
・「どれくらい関連がありそうか」を数値化する
  ~相関係数~
・「どれくらい必要か」を数値化する
  ~単回帰分析~
・「どれくらい安全(危険)か」を数値化する
  ~損益分岐点分析~

現在進行中のコロナウイルスの脅威を知りたければ、日々発表されているデータをもとに「相乗平均」を取れば増加率がわかりますし、ビジネスチャンス、リスクを正しく見積もりたければ、「感度分析」が有効です。

何か変化があった時、すべてのものが等しく変化するわけではない。

ビジネスチャンスも投資チャンスも、そこから発生するのです。

ただ、そのチャンスを見つけるためには、正しいデータの見方、正しい問い方、計算方法、相関関係を見抜く目が必要です。

読者がマーケティングの専門家であれ、投資の専門家であれ、本書で示された手法は、きっと役に立つでしょう。

さっそく、いくつかポイントを赤ペンチェックして行こうと思います。

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問題を作れない人は永遠に問題解決できない

「具体的な答えを出す問題として未完成なもの」を前にしたとき、私たちがすべきことは「解決する問題をもっと具体化」することです

事実(数字)ベースで語らないと、簡単に「ウソつき」認定される

数字で考えることのファーストステップ。それは「定義する」ことです

まず、「売り上げ-費用=利益」という当たり前の計算。これもビジネスで使う文章のひとつです。この利益とは、「売り上げと費用を組み合わせてできるもの」です。そして3つとも数字。つまりコトバです。3つのコトバを関連づける行為が「計算」とは言えないでしょうか

数字で考える=定義×計算×論理思考

「数字で考える」とは2種類あります。次の2つです。
・ファクト(事実)ベースで考える
・アサンプション(仮定)ベースで考える

難しい問題は、小さく分けて考えなさい

◆数字を読み解く手順
1.いまから何をするのかを定義する
2.そのために必要なデータを特定し、ほかは捨てる
3.必要なデータだけを読み解き、成果物を作る

◆データ分析の専門家も行っている方法
・「傾向」と「異物」を探す
・そのためにまずはデータをビジュアル化してしまう

1→(2倍)→2→(4・5倍)→9
増え方に注目します。1は2倍と4・5倍という2回の「増加」を経て、9という数字に増えました。ではこのモデルの平均増加は何倍でしょうか。2度の増加で9倍になっているわけですから、その平均は3倍と考えることができます

使えるリソースの1%~2%くらいを使ってABテストを行い、それですぐに判断するのがいい

人件費と利益、そして広告費と利益、それぞれどう関連しているのか。それは数字で捉えるとどうなっているのか。関連を数で捉える。これはまさしく数学的な視点であり、皆さんが学生時代に学んだ「関数」にほかなりません。なお、このような考え方は「感度分析」と呼ばれる分析手法をベースにしています。例えば手の人差し指をどこかにぶつけてもそれほど痛くはありませんが、足の小指をどこかにぶつけると涙が出るほど痛い。これはすなわち、足の小指のほうが身体へのダメージが大きい、感度が高いとも表現できないでしょうか

強い相関関係が認められる場合、もう一歩先まで進めたくなります。そのもう一歩とは、その関連の仕方を数学的モデルにしてしまうこと。結果として「具体的にどのくらい?」に答えられる数字を作ることができます。それができれば、確保したい広告予算、明日の来店客数、社歴がどう成果に影響しているかなど、自分の提案や主張の裏付けを数字で語ることができます

危険度=(損益分岐点売上高)÷(計画した売上高)
安全度=1-危険度
(中略)
この安全度の数値が大きいほど、損失が出にくい商売であることを意味します

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本書で示されている8つの手法を駆使すれば、社内で上司や同僚に、より説得力ある提案ができる上、意見を求められてもファクトベースで答えることができるようになります。

昔、証券マンを主人公にした『マネーウォーズ』という漫画で、主人公の相場君が次長から気難しいクライアントを引き継いた時、自分が足で稼いだデータを元に語り、信頼を得るというシーンがありました。

まだ経験が浅く、実績もないうちは、数字こそが説得力。

数字を駆使し、上司も気づいていない「ファクト」を見つけ出して、ホームランを打ってください。

これはおすすめの一冊です。

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『徹底的に数字で考える。』深沢真太郎・著 フォレスト出版

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◆目次◆

第1章 「数字で考える」のすべて
第2章 「原因」と「結果」を数字で考える
第3章 数学的に考える頭の作り方
第4章 「正解のない問い」を数値化する思考法

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