2013年11月25日

『僕たちはこうして仕事を面白くする』 NHK「ジセダイ勉強会」編 vol.3415

【各業界トップランナーの仕事術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140816201

本日の一冊は、東京・渋谷のNHK放送センターで2012年9月から毎月開催されているという、局内向けトークセッション「ジセダイ勉強会」から、新世代のトップランナー8名の言葉と仕事術をまとめたもの。

メディアでおなじみの起業家・コラムニストの安藤美冬氏と、ライフネット生命COOの岩瀬大輔氏、野村不動産でポスト団塊ジュニア世代の暮らしと住まいを考える「PDJプロジェクト」を推進する刈内一博氏、三越伊勢丹セールスマネージャーの額田純嗣氏、作家エージェント「コルク」代表の佐渡島庸平氏、星海社新書初代編集長の柿内芳文氏など、計8名が自身の仕事のエピソードを語るという、じつに贅沢なオムニバス形式の書籍です。

革命の多くが若手+ベテランの組み合わせで起こることを考えると、同世代だけで語って+作ってという本書の閉鎖性には若干疑問符がつきますが、登場するそれぞれの方のプロジェクト推進にあたっては、上司の協力を取り付けたり、説得したりと、地道な努力をされているのがよくわかります。

なかでも興味深かったのは、野村不動産の刈内一博氏と、三越伊勢丹の額田純嗣氏で、あくまで組織としての利益を追求する姿勢と、組織が持つ資源を活かそうとするしたたかさ、若い感性で時代を捉えようとする意気込みが伝わってきて、若い世代特有の勢いを感じました。

時代の変化に対する打ち手が見えづらくなっている今、8名の試みは、自社のビジネスに大きなヒントをもたらしてくれるものと思います。

若い方の働き方のヒントとして役立つのはもちろんですが、むしろ経営者、中間管理職にこそ、読んでいただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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“自分だけの就業規則”を持て(安藤美冬氏)

好転したのは2008年11月。我々は、保険業界で初めて保険料の原価を開示しました。これは長い間ブラックボックスとなっており、タブーとされてきました(中略)ヤフーニュースのトピックスで取り上げられると、ウェブサイトに1日24万ページビューものアクセスが殺到し、そのあたりから少しずつ風向きが変わっていきました(岩瀬大輔氏)

都市と農村をつなぐ、サスステイナブルな相互補助関係を生む仕組みをつくることによって、縮小社会を迎える日本を、“リデザイン”することができるのではないかと思ったのです
(刈内一博氏)

つくる工程を共有して「私もこれをつくったんだ」と思ってもらえることが大切(刈内一博氏)

下部構造が変われば上部構造も変わる(刈内一博氏)

会社から与えられているミッションに、自分なりにプラスアルファを取り入れてみる(刈内一博氏)

私はサラリーマンの時代が到来していると思うのです。予算やスタッフ、ノウハウ、信頼といった組織のリソースを活かして自分の成長を伴わせ、会社の理解を得ながら社会をリデザインしていくことができる。これをみんなで実現できたときに、日本という国はもっとよくなると思っています(刈内一博氏)

我々が目指したのは、“世界最高のファッション・ミュージアム”になろうというものです。「休みはどこへ行こう?」というときにミュージアムに行こうとか、ディズニーランドに行こうと思うのと同じように「伊勢丹の新宿店に行こう」と言ってもらえるかどうか。これが“ファッション・ミュージアム”の概念です。そのため、総工費約90億円をかけて2万5000平米の売場をリモデルしました(額田純嗣氏)

我々が今意識して展開しているのは、「感性分類」(額田純嗣氏)

グローバルの意味するところは、お客様も、従業員も、品揃えも、“世界中から”ということです。今や新宿店は、年間60億円が外国からいらっしゃるお客様からの売り上げです。これは全体の約2.6%を占めております(額田純嗣氏)

目の前にあるマーケットが自分の趣味・嗜好や信念と異なり違和感を覚えているのであれば、そこに迎合するのではなくそのマーケットを変えることはできないかを考える(佐渡島庸平氏)

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『僕たちはこうして仕事を面白くする』NHK「ジセダイ勉強会」編 NHK出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140816201

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◆目次◆

はじめに
episode1 進んで仕事をつくり出す“マイルール”と“マインド”
     安藤美冬(起業家・コラムニスト)
episode2 いっしょに仕事をしたい仲間をつくれ
     岩瀬大輔(ライフネット生命社長兼COO)
episode3 “当事者意識”を持ち 社会をリデザインする
     刈内一博(野村不動産)
episode4 現場を動かすミドル・マネジメント
     額田純嗣(三越伊勢丹セールスマネージャー)
episode5 ワーク・ライフを高める“自分磨き”
     廣優樹(NPO法人「二枚目の名刺」代表)
episode6 自分らしい違和感と信念を持て
     佐渡島庸平(作家エージェント「コルク」代表)
episode7 明確な目的と熱の通った企画をつくれ
     柿内芳文(星海社新書初代編集長)
episode8 自分と向き合いモチベーションを保て
     為末大(元プロ陸上選手)
おわりに

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