2010年7月30日

『「働きがい」なんて求めるな。』牧野正幸・著 vol.2200

【「働きがい」なんて求めるな。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822248208

おかげさまで本日、BBMは2200号を迎えました。

創刊が2004年の7月ですから、ちょうど創刊6周年ということになります。

これまでに、何度もデザイン変更、コーナー変更を繰り返して今の形になっていますが、これからも進化し続けるメルマガでありたいと思っています。

どうぞ引き続き、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

さて、本日の一冊は、国産No.1のERPパッケージベンダーであり、2010年「働きがいのある会社」調査で第1位に選出されたワークスアプリケーションズの代表取締役CEO、牧野正幸さんによる一冊。

またこんな奇をてらったタイトルを…と思い、半信半疑で読み始めたのですが、視点がじつにユニークです。

会社に「働きがい」を求める若者を「大人ではない」と一刀両断し、プロフェッショナルとして活躍するには何が必要か、ユーモアあふれる語り口で述べています。

著者いわく、「与えられたやりがい」と「与えられた幸せ」と「与えられたお金」は信用しない。

なぜなら、「それらは有無を言わさず取り上げられることがあり、そうなると惨めすぎるから」だそうです。

また、世間一般では評価されがちな「明るい」「雰囲気がいい」集団を、「そういう集団が取り組む仕事は大抵が簡単なもの」「優秀な人なら2年で飽き」ると、ズバ斬り。

一方で、多くの経営者やプロフェッショナルが選んだ職場の共通点として、以下の項目を挙げ、成長する職場の本質を説いています。

1.仕事量が多かったり、要求される難易度が非常に高い
2.挑戦する人間が正しく評価され、その結果としての失敗なら許容される
3.近くにいる人間の能力が高いこと。これには人間性は含みません

どんな仕事をするにしても、自主性とコミットメントは成果を出すための必要条件。

本書を読めば、自主性があるとはどういうことか、コミットメントするとはどういうことか、行動レベルで理解できると思います。

そして、さらなる高みを目指して頑張るプロフェッショナルに向け、励ましの言葉が並ぶのが気持ちいい。

「ゼロベース思考とプリンシプル」、「道具を変えない」こと。

一流を目指す人には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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大人というのは「尊敬」されるか、「怖がられ」るか、「憧れられ」るか、もしくはそのすべてでなければならないものである

「働きがいのある会社」を探している人は決して大人ではない

楽しそうに働いている人を見ると、「この人はやりがいを持って働いているなあ」と思うのでありますが、それが10年も続いているのを見たことがない

私は「与えられたやりがい」と「与えられた幸せ」と「与えられたお金」は信用しないことをモットーとしております。なぜなら、それらは有無を言わさず取り上げられることがあり、そうなると惨めすぎるからであります

成長を繰り返している間に、社会にとって必要なのに、難しすぎて誰もチャレンジしないような領域を探しておく必要がある

お客様に対してはあらゆるわがままを容認するのに、社内の人間には完璧性を求めて神のごとくでなければ不満を言う人が多いように思う。お客様も人間だし、上司も人間だし、同僚も人間なのだよ

礼節をわきまえたうえであれば、「お客様のメリット」のために、お客様の意見に反することを言っても構わないと思う。本来的に自分がやるべき仕事をプロとして貫いた方が、必ず良い結果が出るものなのであります

「すごく職場が明るい」とか、「雰囲気がいい」と言われる集団がありますが、そういう集団が取り組む仕事は大抵が簡単なものなのです(中略)でもね、こういう環境は優秀な人なら2年で飽きちゃいます。良い例が「学園祭」の模擬店ですよ。みんなで一丸となって、簡単だけど次々に起こる問題を解決していくでしょ? だから充実感があって楽しいのですよ。でもあれを一生の仕事にできますか?

仕事で相手と会話する目的は、互いに影響し合って変化を生み出すことにある(中略)であるのに、仕事のコミュニケーションをメールで進めようというのは「仕事してないのと同じだ」

距離の遠い相手にこそカミナリを落とそう

◆多くの経営者やプロフェッショナルが選んだ職場の共通点
1.仕事量が多かったり、要求される難易度が非常に高い
2.挑戦する人間が正しく評価され、その結果としての失敗なら許容される
3.近くにいる人間の能力が高いこと。これには人間性は含みません

リーダーシップには2つの重要な要素があると私は思っている。それはゼロベース思考とプリンシプルを持つということであります

自分が一流になれてもいない時に道具をポンポン変えれば、ますます成長から遠ざかる。そもそも一流の人が使う道具こそが一流なのだから

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『「働きがい」なんて求めるな。』日経BP社 牧野正幸・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822248208

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◆目次◆

第1章 成長したいなら、空気なんて読むな
第2章 会社で摩擦を恐れるな
第3章 仕事で頭ひとつ抜け出すには
第4章 プロなら逃げるな
第5章 周りのせいにするのはやめよう
第6章 あえて言う。経営者は楽しい

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