2010年4月11日

『若者のための仕事論』丹羽宇一郎・著vol.2091

【伊藤忠・丹羽宇一郎から若者へのメッセージ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022733292

本日の一冊は、かつて伊藤忠商事の社長として、同社の史上最高益を叩き出した丹羽宇一郎さんが、若手ビジネスマンに向けて語った仕事論。

朝日新聞土曜版「be」に連載されたコラムの原稿がベースになっているものだそうですが、入社したてのビジネスマンがどんな心構えで仕事に取り組めばいいか、上手にまとめられています。

反省をすること、隠しごとをしないこと、たとえ不遇であっても、それが永遠に続くと思わないこと…。著者の経験から紡ぎ出される言葉の数々は、いずれも20代で聞いておきたかったものばかり。

ほかにも、上司がどんな部下を評価するか、なぜ厳しい仕事をさせるのか、なぜ嘘をついてはダメなのかなど、経営者の目線から見た仕事の本質が説かれており、いい勉強になります。

個人的に心に響いたのは、かつて会社の先輩が、新卒の採用試験の面接で聞いたというこの言葉。

「君はアリになれるか。トンボになれるか。そして、人間になれるか」

若いうちは、アリのように泥にまみれて働く。やがて広い視野や俯瞰する目をもち、そして最後は人間の気持ちを理解する。

ビジネスマンがどうやって自分を高めていけばいいか、端的に語った言葉として、ぜひ心に留めておきたいところです。

結局のところ、仕事の成果は心構えで決まる。

一流の仕事がしたい、と思う若手ビジネスマンにおすすめの一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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仕事力をつけて、大きな仕事を成し遂げられるようになれば、それに伴って味わえる喜びが大きく、深くなっていく

経済を発展させ、国力を高めていくには、高等教育が不可欠

自分の身の回りで起きた物事に対して、「俺は関係ない。あなたが悪い」というのでは、「自省の心」が育ちません。自ら反省するところがないというのは、成長することがない、ということです

一歩外へ出てみたら、いてもいなくてもどっちでもいいような存在なのです。それを一生懸命鍛え上げて、おまけに給料まで出しているというのに、それが低いの安いのと言うんだから、冗談じゃない

会社に入って三年くらいで辞める人の多くは、当時の私のように「永遠に今の仕事が続く」と思ってしまうんです

「まずはアリのように泥にまみれて働け」

私がどういう部下を評価するかというと、任せた仕事を私の予想以上にしっかりと心配りをして、仕上げてくる部下です

上司は、たまには部下を誘って、一対一で言いたいことを言わせればいい。部下に好き勝手なことを言わせる度量が、上司には必要です

本気で挑戦し、仕事に一生懸命に取り組む人を、会社は不遇なポストに置いておきはしません

私は、優秀な人ほど隠しごとをすると思っているんです

かつて会社の先輩が、新卒の採用試験の面接でこう聞きました。
「君はアリになれるか。トンボになれるか。そして、人間になれるか」

エリート=人の喜びを自分の喜びにできる人

組織の論理として、能力のない人間に厳しい仕事をさせることはありません

涙が出るほど大きな喜びを得たら、それを皆で分かち合うことです。
それは自分一人の手柄などではありません

人は読書によって感動も感激も深くなり、また広くなる。それは経験してみないとわからないことでしょう。だから若い人には繰り返し言いたい。騙されたと思って読書を続けていきなさい。読書はあなたの人生を豊かにする。人は読書で磨かれる。読書を続けた人とそうでない人、その差は数十年後に歴然と表れてくるのです

会社の不祥事は嘘から始まります

自分の評価は他人が決める

ゴマの風味は、ほのかに漂うからいい

贅沢をしたらキリがありません。不自由を常と思えば不足なし。これは徳川家康の言った言葉で、私はとても好きなんです

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『若者のための仕事論』朝日新聞出版 丹羽宇一郎・著
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◆目次◆

序 章 あなたは思考停止に陥っていませんか?
第1章 つねに「視点」を移動する
第2章 あらゆることを「疑う」
第3章 「知識」と「感情」を融合させる
第4章 考え続けるにはどうすればいいか

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