2009年2月13日

『カネ回りのよい経営』井上和弘・著

【不況の今、読みたい経営本No.1】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4891010339

不況になって痛感するのは、キャッシュフロー経営の重要さです。

最近は企業倒産のニュースや赤字発表など、暗いニュースが続いていますが、よく考えてみれば、不況というのはキャッシュリッチな企業にとって、じつに大きなチャンスでもあります。

優秀な人材は余っているし、モノは安いし、おまけに広告宣伝費まで下げられる。

ただ、そんな時こそ、無駄なモノにお金を使わず、堅実なキャッシュフロー経営を心掛けるべきでしょう。

では一体何がムダで、何が大切なのか。どうすれば、健全なキャッシュフロー経営が実現できるのか。

本日ご紹介する一冊は、まさにこのことを教えてくれる一冊です。

日本経営合理化協会のコンサルタントのなかでも、最も人気のある井上和弘さんが、「カネ回りのよい経営」を実現するために何をすれば良いか、具体的に論じています。

社長のための貸借対照表の読み方、無駄な在庫を作らないためのマーチャンダイジング、そして粗利を増やすための具体的方法まで、じつに詳しい内容が述べられており、これまでに読んだどのキャッシュフロー経営の本よりもわかりやすく、実践的でした。

社長向けということで少々お値段は張りますが、理解できた時のリターンを考えれば安い投資です。

経営者の方、もしくは将来のために経営センスを磨いておきたい方に、ぜひおすすめしたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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社長たるものは、いついかなるときにも、たとえ、ものが売れない時代でも、カネ回りのよい経営を継続しなければならないのである

すべての元手は、利益を稼ぎ出すものにしか使わない。利益を稼いでいないと判断したら、売却損がでようと即座に始末して現金に換える

企業体力指数は、「企業の収益性」×「企業の安定性」のことで、「総資本利益率」×「自己資本比率」で表す(中略)私は、総資本利益率が一〇%以上、自己資本比率が三〇%以上を健康体とみなし、企業体力指数は、一〇×三〇、つまり三〇〇以上を合格ラインとしている

「乗用車なんか雨ざらしでいい。しかしカネを稼ぐ機械は専用の車庫を作って大事に扱え」(J土木のJ社長)

経営者は、「売上とカネ回り」について、次の二つのことを肝に銘じておくべきだ
1.利益をともなわない売上増は、カネ回りを窮屈にする
2.資産が多いと、ちょっとした売上減でもカネが回らなくなる

スクラップが先でビルドは後

もしあなたの会社を儲けつづける「強い会社」にしたければ、「借金はないほうがよい」「もし借りても借りたカネはできるだけ早く返す」のが常識でなければならない

「カネ回りのよい経営」のための施策
・いまの資産を有効に使って、もっと売上を獲得する
・有効でない資産を削って換金し、借入金を返し総資産を小さくする

顧客にとってほしい物は早く売れ、いらないものはいつまでも残る。だから顧客から「いらない」と言われた死に筋商品を、いつまでも在庫しない

「真の購買担当者とは、商品の打ち切りと次の売れる商品を知っている者のことである」(フォッシル社 ジョン・タルボット副社長)

◆増やすことによって「使えるおカネを増やす」策
1.現金取引を増やす・前受金をもらう
2.利益を増やす
3.資本金を増資する
4.未払金、買掛金、支払手形を増やす
5.借入金を増やす

◆粗利益(率)を稼ぐことのできる方法 ※一部紹介
・零細弱小から仕入れして零細弱小に売る
(大企業から仕入れ大企業に売るのはダメ)
・小口にして販売(トンで仕入れてグラムで売る)
・扱い商品をオンリーワンに近づける(工業品→工芸品→民芸品→芸術品)
・販売量実績をもち仕入価格に厳しい会社になる

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『カネ回りのよい経営』日本経営合理化協会 井上和弘・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4891010339
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◆目次◆

まえがき
第一章 おカネに強い会社
第二章 カタ太り体質の実現
第三章 ひと目で経営数字をつかむ秘訣
第四章 稼ぐ資産とカネ食い資産
第五章 使えるカネの増やし方
第六章 利益の正しいつかみ方
第七章 税理士・銀行と腰をすえてつき合え
終章 経営者とおカネ

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