2008年10月8日

『ドラッカー先生の授業』ウィリアム・A・コーン・著

【ドラッカーの弟子が再現する珠玉の授業】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4270004045

本日の一冊は、「現代マネジメントの父」と謳われた故ピーター・F・ドラッカーの授業を、弟子である著者が回想した一冊。

素顔のドラッカーとその思想、マネジメントの教訓、キャリアで成功するための秘訣など、さまざまな教えがライブ感たっぷりでまとめられ、じつに読み応えがあります。

「思考のおもむくままに」展開したという授業、飾らない人柄…。描写からは、各国財界人が愛したドラッカーの素顔を知ることができます。

そして、何といっても読みどころは、そのドラッカーが語った深遠なマネジメント哲学。

前提や仮説を疑うこと、何も知らないことを武器に問題を解決すること、職を失うことを恐れないこと。

働く人すべてが読むべき、成果を出すための考え方が記されており、新入社員から年配層まで、幅広く読める内容だと思います。

ドラッカーの思想に触れたい方、既に一通り読んでいて、もっとドラッカーを知りたい方に、ぜひおすすめしたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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思考のおもむくままに、その時どきの出来事や天候しだいで、授業はどのようにも展開していく。往々にして予想もしていなかった方向に話が進み、ダイヤモンドのように価値ある教訓が明かされたものだ

前提は何をよりどころにしたものであっても、必ず疑わなくてはいけない

仮説を掘り下げるには、最初のステップとして、信頼できる筋から出たものかどうか、見極めることだ

まずは小さな成功を手に入れ、それを跳躍台にして大きな成功をめざすのだ。「これから先もうまくいく」という自信を培ううえでは、小さくても大きくても、とにかく成功体験を積むことが大切だ

自信を培うには、一つには「縁の下の力持ち」になるとよい。つまり、本来業務とは違う仕事でも、頼まれればいつでも引き受け、まわりの期待に応えるのだ

メアリー・ケイ・アッシュは、セールス担当者たちに「本物になるまで、本物のふりをつづけなさい」と説いていた

◆ジャック・ウェルチ飛躍のきっかけとなった2つの質問
1.白紙の段階から検討するとしたら、この事業に参入しますか?
2.この事業をどう扱うつもりですか

現状や将来見通しをもとに、「起きそうな出来事」ではなく「起きるかもしれない出来事」に思いをめぐらす

「どの業界のどのような問題を解決するにせよ、顧客の役に立つためには、何も知らないことが最大の武器ですから」

先生は、事業リーダーは少なくとも二つの得意分野をもつべきだ、と説いた。そのうちの一つはビジネスとは無縁でなくてはいけない

ドラッカー先生は「職を失うことを恐れていたのでは、エグゼクティブにふさわしい責任は果たせない」と説いていた

「将来は予測できないが、切り開くことはできる」

行動に踏み出してからは、将来の目標に近づいているかどうか、見極めなくてはいけない。そのためにはモノサシが必要である

きわめてすぐれた経営者の多くは、会社が苦境にあるときは自分の報酬を削ったという

「リーダーたちにきわめて実用的なアドバイスをしよう。人質を人質らしく、王子さまを王子さまらしく扱うのではなく、すべての人を人間らしく扱うとよい」

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『ドラッカー先生の授業』ウィリアム・A・コーン・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4270004045
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◆目次◆

ピーター・ドラッカーによるウィリアム・コーン評
はしがき
イントロダクション
第1章 「現代マネジメントの父」との出会い
第2章 素顔のピーター・ドラッカー
第3章 常識はえてして間違っている
第4章 自信は少しずつ培うもの
第5章 過去の成功にしがみつくと破滅する
第6章 経験にとらわれず、白紙の状態で問題に挑む
第7章 畑違いの分野で専門性を伸ばす――すぐれたマネジャーへの道
第8章 卓越した成果をあげる人材は失敗を恐れない
第9章 マーケティングのねらいは、売り込みを不要にすること
第10章 倫理、名誉、真摯さ、法律
第11章 将来は予測できないが、切り開くことはできる
第12章 だれもが説明責任を負っている
第13章 人を率いるには、まず相手を知ること
第14章 たとえ失敗しても、人材は無限の可能性を秘めている
第15章 ドラッカー先生が絶賛した模範的な組織
第16章 マネジメント・コントロールパネル
第17章 定石ではなく状況をもとに戦略を立てる
第18章 知識労働者のやる気をいかに引き出すか
第19章 ドラッカー流自己啓発の原則
むすびに
謝 辞
訳者あとがき
原 注
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