2008年6月14日

『最後の授業』ランディ・パウシュ、ジェフリー・ザスロー・著

【余命半年、最後の授業】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4270003502

本日の一冊は、膵臓がんで余命半年を宣告された、カーネギーメロン大学教授にしてバーチャルリアリティ研究の第一人者、ランディ・パウシュによる一冊。

タイトル通り、これは彼の最終講義であり、テーマは『子供のころからの夢を本当に実現するために』。

ウォルト・ディズニー・イマジニアの称号を受け、「Alice」プロジェクトに関わり、バーチャルリアリティ研究の第一人者と呼ばれるにいたったという著者。

いわば子供のころからの夢をすべてかなえてきた著者が、これから人生を歩んでいく若者に向けて、生きるとはどういうことか、どうやって生きるべきか、働くべきかを説く、感動のノンフィクションです。

「格好いいのは一時的だが、まじめさは長つづきする」
「経験とは、求めていたものを手に入れられなかったときに、手に入るもの」
「僕は、最高の近道は長くかかることを知っている。一生懸命にやること、それだけだ」

ビジネスや人生でも役立ちそうな名言が並んでおり、なかなか読み応えがあります。

全米600万人が涙したという、付属CDの動画を見ながら、名スピーカーの最後の講義をぜひ聴いてみてください。

————————————————————
▼ 本日の赤ペンチェック ▼
————————————————————

「傷を負ったライオンは、まだ吠えられるかどうかを確かめたい」
と、僕はジェイに言った。「威厳と自尊心の問題だ。虚栄心とは少
しだけ違うんだ」

僕は世の中には二種類の家族がいると思っていた。
1.辞書がないと夕食が終わらない家族
2.夕食に辞書は必要ない家族
わが家は一番目だった

もうひとつ、父が教えてくれたと思うことがある。子供は何よりも、
自分が親に愛されていることを知っていなくてはならない。そして、
たとえ親が生きていなくても、子供はそれを知ることができる

グレアムは子供の自尊心を育てるためにいちばんいい方法を知って
いた。できないことをやらせて、できるまで必死にやらせること、
それをくり返させることだ

レンガの壁がそこにあるのには、理由がある。自分が何かをどんな
に真剣に望んでいるか、証明するチャンスを与えているのだ

映画の中で心に残る台詞があった。店長(ナタリー・ポートマン)
がおもちゃ屋のマゴリアム(ダスティン・ホフマン)に、死んでは
だめ、生きていてと訴える。するとマゴリアムが言うのだ・「もう
生きてきたよ」

つまるところ、教育者のいちばんの役割は、学生が内省する手助け
をすることだ。人間が向上する唯一の方法は――グレアム監督が教
えてくれたように――自分を評価する能力を伸ばせるかどうかだ

僕はいつも、格好いい人よりまじめな人を高く評価する。格好いい
のは一時的だが、まじめさは長つづきする

経験とは、求めていたものを手に入れられなかったときに、手に入
るものだ

近道を探す人はたくさんいる。僕は、最高の近道は長くかかること
を知っている。一生懸命にやること、それだけだ

正直であることは、道徳的に正しいだけでなく効率的でもある。だ
れもが真実を言う社会になれば、ものごとを再確認する時間を大幅
に節約できる

郵便を仕分けする仕事に決まっても、心から喜ぶべきだ。仕分け室
に行ったら、やるべきことはひとつ。郵便の仕分けの達人になることだ

————————————————
『最後の授業』ランディ・パウシュ、ジェフリー・ザスロー・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4270003502
————————————————

◆目次◆

はじめに
第1章 最後の講義
第2章 僕はこうして夢をかなえてきた
第3章 僕を導いてくれた人たち
第4章 夢をかなえようとしているきみたちへ
第5章 人生をどう生きるか
第6章 最後に
謝辞
カーネギーメロン大学について
訳者あとがき
著者・訳者紹介

この書評に関連度が高い書評

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー