2007年3月11日

『マキアヴェッリ語録』

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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101181063

『成功読書術』でマキアヴェッリの『君主論』を推薦しましたが、どのセミナーで尋ねても、読んでいる人が少ないので、切り口を変えてまたご紹介しようと思います。

※参考:『成功読書術』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4777101193/

※参考:『君主論』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4122040124/

本日ご紹介する一冊は、塩野七生さんが、マキアヴェッリの著書の中から、とくに優れていると思われるものを抜粋したいわばマキアヴェッリ語録。

マキアヴェッリの代表作である『君主論』『政略論』『戦略論』から、君主が理解しておくべき処世術、人心掌握術が抜粋されており、じつに読み応えのある語録となっています。

内容的には、国を守るべき立場にある者が、何を処世の術として理解しておくべきか、敵や民衆に対してどういった態度で臨むべきかなどが詳しく書かれており、その価値は今でも決して色褪せていません。

道徳が、君主により民衆に押し付けられた行動指針であるとしたら、本書は、人の上に立つものが従うべき行動指針。

「権謀術数」「悪徳の書」といった評判にひるむことなく、ぜひ手にとって欲しい、君主のための名言集です。

『君主論』以外の著作を読んだことがない、という人にも、マキアヴェッリの世界を広く知る上で、ぜひおすすめしたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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人間にとって、いかに生きるべきかということと、実際はどう生き
ているかということは、大変にかけ離れているのである。だからこ
そ、人間いかに生きるべきか、ばかりを論じて現実の人間の生きざ
まを直視しようとしない者は、現に所有するものを保持するどころ
か、すべてを失い破滅に向かうしかなくなるのだ。なぜなら、なに
ごとにつけても善を行おうとしか考えない者は、悪しき者の間にあ
って破滅せざるをえない場合が多いからである

国を守るためには、信義にはずれる行為でもやらねばならない場合
もあるし、慈悲の心も捨てねばならないときもある

昔の作家は、アキレスをはじめとする多くの古の君主たちが、半人
半獣のケイロンに預けられ、教育を受けたことを書いている。人の
上に立つ者は、人間的な性質と野獣の性質を、ともに学ぶ必要があ
るということを暗示しているのだ

もしも好機が訪れれば、一朝にして変るほうが有効だ。なぜなら、
変容があまりにも急なものだから、以前のやり方で得ていた支持者
を失うより先に、新しい支持者を獲得することができるからである

君主たる者、ケチだという評判を怖れてはならない。なぜならこの
”悪徳”は、自らの金庫を空っぽにすることなく、かといって略奪
者にもならず、それでいて統治をつづけていくために必要な”悪徳”
だからである

わたしは、愛されるよりも怖れられるほうが、君主にとって安全な
選択であると言いたい。なぜなら、人間には、怖れている者よりも
愛している者のほうを、容赦なく傷つけるという性向があるからだ

もとからの味方より、かつては敵であった者のほうが、有益である
という場合が少なくない

人間というものは誰でも、自尊心をくすぐられるのは気分の良いも
ので、それでつい、この「ペスト」に感染してしまうことになるの
だ。この「ペスト」から身を守るには、ただ一つの方策しかない。
すなわち、あなたに真実を告げてもあなたが気分を損じないという
保証を、示すことしかないのである

衆に優れた人物は、運に恵まれようと見離されようと、常に態度を
変えないものである

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『マキアヴェッリ語録』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101181063
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■目次■

第一部 君主篇
第二部 国家篇
第三部 人間篇

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