2006年10月12日

『天命の暗号』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806125172

本日の一冊は、かつてタカキューの代表取締役を務めた哲学博士で
あり、現在「メキキの会」で志をテーマとした研修を行っている著
者が、「天命」と人生の成功について述べた話題の一冊です。

タイトル、表紙が怪しいため、ちょっと抵抗感があったのですが、
読み始めてみると、じつに奥深い考え方にぐいぐいと引き込まれて
しまいました。

著者によると、「心」と「魂」は別のものであり、自分の心に素直
になっても、望ましい成果は得られないという。

なぜなら、心は本来揺れ動くものであり、そこに自分の天命はない
から。だからわれわれは自分の「魂」を見つめ、そこに人生の一貫
性を見出さなければならない、というのです。

とくに感銘を受けたのは、「自分の過去の統合からくる志ほど、エ
ネルギーを与えるものはない。過去の統合は、あなたをますますあ
なたらしくし、さらに仕事や事業に独自性を与えるようになるだろ
う」というくだり。

著者の言葉を借りれば、「人にはあらゆる可能性があるのではなく、
その人固有の可能性がある」のであり、このことを知ることで、人
は周りに振り回されず、強く人生を生きていけるのです。

土井も、個々人の「自分らしさ」を引き出し、出版という形で表現
しているわけですから、この考え方には大いに共感できます。

人生に不満を言う前に、揺れる心に振り回される前に、自分の「天
命」をきちんと知っておくこと。そのために本書は、絶大な威力を
発揮するに違いありません。

これはぜひおすすめしたい一冊です。

———————-
■ 本日の赤ペンチェック
———————-

「一人ひとりに天の使命があり、その天命を楽しんで生きることが、
処世上の第一要件である」(渋沢栄一)

もし揺れ動く心から行動すれば、当然、行動は不安定で一貫性は失
われる。動かない魂から行動すれば、あなたの行動には一貫性がある

天命という高いハードルが設定されているからこそ、あなたは叩か
れ、嘆くことになる。低いハードルならば、現状に満足して、何も
苦悩することはないはずだ

過去を否定している人には、過去の経験は現在のパワーにはならな
い。だから全体的なパワーは小さくならざるを得ない

自分の過去の統合からくる志ほど、エネルギーを与えるものはない。
過去の統合は、あなたをますますあなたらしくし、さらに仕事や事
業に独自性を与えるようになるだろう

人にはあらゆる可能性があるのではなく、その人固有の可能性がある

未来をどこまで含めるのかという考え一つで、「今」の私たちの生
き方や行動は変化する。しかし、その未来を含む行動が、あなたの
過去を統合したところからくる未来でないならば、その行動の持つ
エネルギーは、実に弱いものになってしまう

私たちには有限の時間しかなく、その中でやるべきことしかできない

世阿弥は、自分が舞台で能を舞う最中に、観客の目から自分の演技
を見ることができたという

良い人間関係を結ぶには、その人が頻繁に繰り返す言葉から心や感
情を捉えることを超えて、それらが指し示す本質を聴くことである

人が、自分はその職業が向いていないと悩むのは、自分の天命が仕
事に表現されていないか、人間関係がうまくいかないからだ

人間にとっての幸せは、「本来やるべきこと」に嘆きを超えて志し、
それを実現していく過程にあるのではないだろうか。そこには楽天
という世界が待っている

————————————————
『天命の暗号』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806125172
————————————————

■目次■

第1章 天命を探求するための方法
第2章 天命はどこに存在するのか
第3章 嘆きから天命をつかむ
第4章 人生の統合から天命をつかむ
第5章 聴き方から天命をつかむ
第6章 天命を仕事に人間関係に生かす
第7章 天命の暗号を解く
第8章 天命に志す

━━━━━━━━━━━━━━━
■ご意見、お問い合わせは、
eliesbook@yahoo.co.jp
■マガジン登録、変更、解除
http://eliesbook.co.jp/bbm/
━━━━━━━━━━━━━━━

この書評に関連度が高い書評

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー