2005年7月15日

『ハーバード・ビジネス式 マネジメント』

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本日の一冊は、ハーバード・ビジネススクールで教鞭をとる、リーダーシップ・交渉術の専門家、マイケル・ワトキンスさんが、新任リーダーのために書いた、新しい切り口のマネジメント本です。

アメリカでは、新任リーダーが成果を出すまでに与えられる猶予が90日らしく、本書では、その90日の間に成果を出すための考え方と業務進行のステップを説いています。

それぞれの章で、状況の異なるリーダーの例が登場し、具体的なケースを論じながら、リーダーとして必要な考え方やスキルが学べるようになっています。

なかには、中間管理職としての処世術や、「やっていいこと悪いこと」などのリストもあり、会社生活全般に役立つ知識も盛り込まれています。

あくまでフレームワークなので、より具体的な解決策が欲しい方には、若干物足りない部分もあるでしょうが、経営者だけでなく、現場のマネジャークラスも対象に書いた点がよかったと思います。

新たにマネジャーに昇進する人、マネジャーとして転職する人など、すべての人にとって役立つ内容だと思います。
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■ 本日の赤ペンチェック
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新任リーダーに必要なのは、職場の状況、組織内での位置づけ、そして本人の経験や知識に配慮した実践的なアドバイス

◆コカ・コーラ社のアイベスターの失敗
細心で几帳面なことは財務や業務部門では美徳だが、経営者としてはけっして好ましくはない。アイベスターは日々の仕事に首を突っ込みすぎた。このため戦略やビジョンに十分な時間を割けず、CEOに求められる一国の首相のような役割を果たせなかった

問題点を整理して学習の優先順位を考える新米リーダーは、残念ながらほとんどいない。着任前に計画を立てておく人はもっと少ないだろう

組織の文化をろくに理解しないうちに、それを変えようなどと思ってはならない

◆文化を理解するうえで、注目すべき3つの要素
1.象徴:ある職場と別の職場を際立たせ、職場の連帯感を高める何か
2.規範:どんな行動が奨励され、称賛されているか、など
3.価値観:組織全体に浸透し人間関係の基本になっている考え方

新任リーダーにとっていちばん重要なのは、権力の所在と価値観

◆新任リーダーが決めておくべき3項目
1.学習と行動のどちらに力を入れるか
2.攻めと守りのどちらに力を入れるか
3.緒戦の勝利はどこで狙うか

◆信頼されやすい新任リーダーのイメージ
1.要求は多いが満足することも知っている
2.意見は言いやすいが馴れ馴れしくはできない
3.決断力はあるが思慮深い
4.指導力に富むが融通もきく
5.エネルギッシュだが程を知っている
6.厳しいことも言うが人間味にあふれている

◆職場の部下の能力を評価する視点
1.個人の能力 2.関係構築能力 3.技術的能力 4.メタ知識

◆職場の文化にメスを入れる5つのヒント
1.実績評価基準とインセンティブを変える
2.パイロット・プロジェクトを立ち上げる
3.社外から人材を登用する
4.組織学習を奨励する
5.集団思考を刺激する
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『ハーバード・ビジネス式 マネジメント』
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■目次■
序章 最初の九○日 
第一章 スイッチを切り替える
第二章 謙虚に効率よく学習する
第三章 状況を診断し戦略を立てる
第四章 緒戦で勝利を目指す
第五章 上司といい関係を築く
第六章 組織をデザインする
第七章 適材を適所に
第八章 ネットワークをつくる
第九章 上手にバランスをとる
第一〇章 全社的なサポート体制を整える
終章 溺れるリーダーをつくらない
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