版元訪問記 第3回
英治出版 秋元麻希さん
著者の方々にとって、どの出版社から本を出すのか、は売れる・売れないにかかわる一大事。このコーナーでは、著者の皆様の「出版社選び」の参考にしていただくべく、各出版社の歴史とベストセラーの系譜、編集・販売上の特長などを明らかにして参ります。
第3回目は、2001年に大ベストセラー『マッキンゼー式
世界最強の仕事術』を出して以来、出版ファンドや韓国進出などで業界を騒がせている、異色の出版社、
英治出版の美人編集者、秋元さんにお話をお伺いしました。
Q:英治出版の創立時から現在までの歴史を教えてください
英治出版は1999年に埼玉で生まれました。創立時のメンバーは、現,代表取締役の原田英治と取締役の原田涼子、そして和田の3人でした。創立から三年目に代表作の『マッキンゼー式
世界最強の仕事術』が10万部を超え、これを機に現在オフィスを構える恵比寿に移転したのです。
Q:現在でもビジネス書を多く出版しているのは何故ですか
代表である原田の前職がコンサルティング会社であり、ビジネス方面に人脈が豊富であることが 現在でも多くのビジネス書を出版している要因になっています。
Q:韓国への進出も果たしたそうですが
はい。『日韓交流の架け橋になりたい』との願いから、2003年に、韓国の出版社「Book21」と『考具』というビジネス書の韓国語訳書籍出版の業務提携を結び、2004年にはBook21との合弁会社「Eiji21」を設立しました。日本の著者さんが韓国で出版したり、韓国の著者さんが日本で出版したりと、両方のアプローチが可能です。
Q:韓国企画ではどのような近著がありますか
最近では「冬ソナ」の助監督が執筆した『私たちの冬のソナタ』の売れ行きが好調ですね。出演者のプライベートプレゼントが功を奏し、6万3千部を売り上げました。また、韓国で出版されている本で『魔法千字文』という子供向けの漢字学習書も今後出版を予定しています。この韓国企画は、今年度売り上げの約3分の1を占めています。
Q:貴社で出版するにあたって、著者さんにどのようなオプションがありますか
自社企画として出版を行うほかに「ブックファンド」を利用する方法もあります。
Q:「ブックファンド」とはどのようなしくみですか
自費出版の際ハードルとなる「資金調達」を容易にすることで、より手軽に本を出せるしくみです。自費出版というよりも「出版プロジェクト」といったところでしょうか。
簡単に言いますと、ある出版企画に共感した方々(出資者)からお金を出資していただき、英治出版(営業者)が編集から書店配本までの業務を行い、本の利益を出資者で分配するというしくみです。
現在出版されている書籍の3割がブックファンドを利用しています。
Q:ブックファンドを利用して出版された書籍にはどのようなものがありますか
累計11万部を突破した『女子大生会計士の事件簿』シリーズがまさにそうです。
「ビジネスジャンプ」で漫画化もされています。
【ブックファンドから誕生した作家に聞く】
Q:英治出版で本を出すことは、著者さんにとってどのようなメリットがありますか
営業と編集が、一貫してプランを立てているので販売における規制が少ないのです。出版業界では、編集がよいと認めたものでも、販売がバックアップしてくれなかったりするということがよくあるのですが、弊社の場合、担当の出版プロデューサーが、編集・営業・広報などのすべての業務を兼任しているため、そのような事が起きることはありません。
Q:今、どのような著者さんを求めていますか
出版自体を目的としているのではなく、出版を通じて達成したいことがある方を探しています。ビジネス書が多いですが、ジャンルは特に問いません。映画化されそうな出版企画もお待ちしています。
編集経験者も現在募集しております。興味のある方はお問い合わせください。
お忙しい中、ありがとうございました。
|