【相手と共創する新しいプレゼン】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478118434
本日ご紹介する一冊は、1万5000人の指導実績を持つプレゼントレーナーが、「共創する」新しいプレゼンのあり方を提案した一冊。
プレゼンといえば、事前に原稿を作って準備して、当日華々しい演出を加えてやる、みたいなイメージがありますが、本書が説くプレゼンはまったくそれとは違います。
プレゼンを「対話」と捉え、プレゼンの場を「一方的に説明する場」から、「対話の場」に変えることを推奨しているのです。
著者の岩下宏一さんは、NTTの人事部で新卒3000人採用の実務を統括し、後にNTTコミュニケーションズの人事部立ち上げメンバーとなった人物。
仕事の傍らミュージカルの専門学校に通い、2001年にはなんと劇団四季のオーディションに合格し、俳優に転身したという、異色の経歴を持つ人物です。
劇団四季を退団した後は、人材採用支援のレジェンダ・コーポレーションに入社し、コンサルティングマネジャーを経て人事部長に就任。2014年には独立して、現在のプレゼン指導のビジネスを始めています。
本書には、「人前でどうアピールすれば認められるか」を知り尽くした著者が提案する、『対話するプレゼン』の技術が語られています。
情報を時間いっぱいに詰め込むのではなく、プレゼン時間の3分の1を余白時間として残しておく、用意したストーリーにこだわるのではなく、その場で相手の関心ごとを大切にする、原稿や資料を読み上げるのではなく、言葉はその場で作る、質疑は最後にまとめるのではなく、冒頭から行う…。
これまでの常識とはまったく違うプレゼンですが、確かにデキる人は、こうして人の心を掴んでいると思いました。
アドリブ感のあるプレゼンで相手の心を掴みたい方に、ぜひお勧めしたい一冊です。
カッコ良く決めるより、案外こういう方がビジネスはまとまるかもしれませんね。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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プレゼンの場を「0か100かの審判を仰ぐ場」ではなく、「用意したストーリーを叩き台として、ふだんどおりに活発な話し合いを行う場」に変える
プレゼンの5割は本番で作り上げるもの
情報を時間いっぱいに詰め込む
→プレゼン時間の3分の1を余白時間として残しておく
用意したストーリーにこだわる
→その場で相手の関心ごとを大切にする
原稿や資料を読み上げる
→言葉はその場で作る
流暢に話す
→言い間違いや言い忘れもOK
質疑は最後にまとめる
→冒頭から行う
劇団四季の教え「居て、聴いて、語る」
ヒアリング4つのステップ
(1)相談にいたった背景について聞く
(2)問題について聞く
(3)原因について聞く
(4)解決策について聞く
プレゼンにおける「ストーリー」とは、そもそも何なのでしょうか。それは相手に「より良い未来」の実現を予感させる、ということ
問題解決ストーリーの4つのステップ
(1)背景の確認
(2)問題の特定
(3)原因の特定
(4)解決策の決定
実行する解決策を決めるには「効果」「実現性」「費用」の3つの視点で評価します
タイトルは「目的(何のために)」
「提案(何をする)」を示す
空気作りの7つのアプローチ
(1)感謝を伝える
(2)名刺交換で相手の名前の読み方を確認する
(3)目についたもの、気づいたことを褒める
(4)話しやすい話題を出す(天気、季節、ニュース、衣服、趣味、仕事など)
(5)打ち合わせの終了時刻を確認する
(6)資料は空気作りが終わって本番に入る時に配布する
(7)本題の最初に「目的地(タイトル)」と「道のり(目次)」を示し、確認する
丸暗記せずに話す「半生話法」を使う
切り替わりの大きさに合わせて間の長さを変えること
「相手が」資料の該当箇所を見ているかを常に確認する
「2段階の問いかけ」で聞き手との距離を近づける
(1)全員にクローズド・クエスチョンで問いかける
(2)個人的にオープン・クエスチョンで問いかける
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本番までの準備が大変、当日緊張する、などの理由でプレゼンが苦手という人も、本書のメソッドなら気軽にやれると思います。
個人的には、プレゼンや打ち合わせ前に使える「空気作りの7つのアプローチ」が勉強になりました。
近いうちプレゼンの機会があるという人はもちろん、話下手を克服したい方、会議の進行が上手になりたい方にもおすすめの一冊です。
ぜひ、読んでみてください。
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『対話するプレゼン』岩下宏一・著 ダイヤモンド社
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478118434
<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0DPGVJY4K
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◆目次◆
まえがき
第1章 ヒアリングの進め方
第2章 ストーリーの作り方
第3章 資料の作り方
第4章 プレゼン前の空気の作り方
第5章 話し方
第6章 問いかけと受けとめ
第7章 1対多でのプレゼン
あとがき
参考文献
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