2025年4月18日

『井出真吾の投資相談室』井出真吾・著 vol.6703

【健全な投資の考え方】
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本日ご紹介する一冊は、人気ストラテジスト、井出真吾さんによる投資指南書。

井出真吾さんは、ニッセイ基礎研究所の主任研究員、チーフ株式ストラテジストで、株式市場、株式投資、マクロ経済、資産形成などを専門としています。

本書では、全部で63の質問に答える形で、投資の基礎的な考え方が説かれており、なかでもQ-18「つみたて投資と一括投資。必要な投資額はどのくらい違う?」の回答にはうならされました。

要するに、老後豊かに暮らすための目標金額を達成するのに、一括投資の方が有利という話ですが、詳細を見ると驚きます。

リターン年率6%の場合、目標が30年後なら投資額は半分以下で済むというのです。

元本割れ確率も、つみたて投資の方が大きく、イメージと異なるのがよくわかると思います。

また、昨今は『DIE WITH ZERO』の影響で、資産は使い切って死のうという人が増えていますが、著者はここにも違う見方を示しています。

『DIE WITH ZERO』
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いわく、

<「使い切りたい」という気持ちもわからなくはないですが、私は「財産」というかたちで「自分が生きた証を残す」考え方はカッコイイと思っています>

土井は元々使い切り派だったのですが、これを読んで、ちょっと考え方が変わりました。

確かに、残したい何か、応援したい何かがあるなら、遺して死ぬのも悪くないですよね。

投資のタイミングや適切な投資金額、節税などに関するアドバイスもあり、これから投資をしたいすべての人に役立つ内容だと思いました。

読んでビックリしたのですが、2023年末時点のNISA口座数は約2124万口座あるのに、廃止済みの口座も含めるとおよそ42%が2023年中に金融商品をまったく購入しなかったそうですね。

口座は開いたものの、怖くて投資できていない。トランプショックでさらに投資意欲を削がれた、という人がいたら、その人にこそ、読んで欲しい内容です。

さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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投資開始から一定期間後の元本割れ確率は、つみたて投資よりも一括投資のほうが低くなります。明らかに一括投資のほうが安全なのです

具体的な投資期間は「最低10年、理想は20年以上」

つみたて投資開始後の株価下落は、むしろ安く購入できるラッキーな局面

投資期間が長くなるほど分配金が積み上がっていくことも、長期投資が有利になる大きな要因

日本株インデックスファンドの分配金はおよそ年率2%ですから、仮に株価が10%下落しても5年分の分配金で穴埋めできる計算

投資資金を毎月の「必要経費」と位置づける

「使い切りたい」という気持ちもわからなくはないですが、私は「財産」というかたちで「自分が生きた証を残す」考え方はカッコイイと思っています

10年以内に使う予定がないお金を投資に回しておく

利回り6%で20年後に2000万円にするには、毎月4万4000円くらい(2000÷456=4.38)を投資する必要があります

なぜ一括投資のほうが投資元本が少なく済むかというと、同じ30年間でも実質的な投資期間がつみたて投資よりも長いからです

ジュニアNISA
口座名義人(子ども)が18歳になるまで非課税で保有できます。年齢の判定は「1月1日時点」なので、子どもが18歳になった年の年末までに売却すれば非課税です(受渡日ベース)

TOPIX、S&P500、全世界株式(MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス)のすべての投資対象で「1月一括投資」のほうが「毎月投資」よりも運用成績がよかった

つみたて投資は「値上がりを逃すリスク」を取っている

一括投資の元本割れ確率はつみたて投資の10分の1以下

個別株に投資する場合、リスク分散のために少なくとも5銘柄以上に投資するのが鉄則

分散投資になり得る「最低5銘柄」を選ぶ観点としては、業種分散が基本になります。まず製造業と非製造業の両方に投資する。製造業でも半導体、自動車、化学など、原材料価格や為替の影響が異なる業種に分散するのがいいでしょう

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どんな投資の仕方をするとリスクを最小限にできるのか、データに基づき解説されていて、大変好感の持てる内容です。

先日の暴落にビビってしまった人も、この考え方なら安心して挑戦できると思います。

たとえ地味でも堅実な投資をしたい方に、おすすめの内容です。

ぜひ、読んでみてください。

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『井出真吾の投資相談室』井出真吾・著 日本経済新聞出版

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◆目次◆

はじめに
第1章 実は知らない! 投資の真実
第2章 データで読み解く安心運用 基本編
第3章 データで読み解く安心運用 実践編
第4章 NISA、iDeCoの真実
第5章 「年金」の真実
おわりに

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