【伝説の経営者、お金の使い方を語る】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799331345
本日ご紹介する一冊は、伊勢丹、鈴屋、台湾企業で異例の実績を残し、寺田倉庫のCEOとして経営改革を担った伝説の経営者、中野善壽さんによる一冊。
ベストセラーとなった『ぜんぶ、すてれば』の著者と言った方が、通りがいいかもしれません。
『ぜんぶ、すてれば』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799325973
今回は、お金がテーマということで、経営者として、個人として気になるお金との付き合い方が書かれています。
われわれは稼ぐことで不徳を積んでいるから、使う時には徳を積む使い方をしなければならない、というのは新鮮な視点でした。
また、組織を率いる者として、安易にコストカットを考えるのではなく、「未来につながる使い方の戦略」を先に決定する、という話は勉強になります。
確かにこれを決めると組織ってにわかに活気づくものだと思います。
投資や消費に関しても、大事な考え方が書かれており、なかでも<自分なりの「正しさ」を反映する>という考え方は勉強になりました。
また、これも投資ですが、<「遠く感じている地域」の「貧しい」ところに投資する>という考えはユニークで実践的。
確かにこういう地域は、潜在成長力があるから、結果として儲かるんだと思います。
さらに、<成果給より「期待給」。人は期待し合ってこそ、伸びる>という考えも、今の日本では珍しい考え方で、経営者が考慮すべき内容だと思いました。
社会の本質を踏まえたお金の使い方が説かれており、老若男女すべてが読むべき本だと思いました。
特に経営者には刺さると思います。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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私たちは稼ぐことで不徳を積む。だから、徳を積む使い方をしなければならない
私たちは稼ぎながら「不徳」を積み続けています。なぜなら、稼ぐための営みには、人の「欲」や「恐れ」を刺激し、欲や恐れをさらに膨張させるような行いが、少なからず伴うものだからです。あるいは、モノを作ったり売ったりする過程で、自然環境を破壊したり、誰かに不義理を働いたりすることに、かすかに後ろめたく感じたことはないでしょうか
明日を恐れ、ただただ銭を貯めるは悪。善く使えばつながり巡り、必要なお金は入ってくる
まず「コストカット」から考えるのは、あまりにも無策
「未来につながる使い方の戦略」を先に決定すると、会社という船が進むべき方角がはっきりします
重要なのは、自分にとっての「正」を突き詰めることと、他人の「正」を理解する心も持ち合わせることでしょう
お金は、人と人の間の価値交換の手段であり、ゆえに巨大な力を持ちます。だからこそ、自分なりの「正しさ」を反映する意識を持つことが大切
物欲を表に出すと、物欲にまみれた人間を吸い寄せます
自分一人、生きるために必要な「暮らしを満たす最少金額」を知る
いつの時代も、老人と貧しい人々は「自分事」だけにエネルギーとお金を注ぐ。だからこそ、若く、財力もある人たちの役割は「未来のために、今日、お金を使うこと」なのです
お金をさしあげた後はさっぱり忘れる。もう自分の手元を離れたお金には執着しない
確実に死ぬまで残る資産はお金ではありません。「縁ある人」こそが資産であり、大切にすべき財産です
とにかく「遠く感じている地域」の「貧しい」ところに投資する
成果給より「期待給」。人は期待し合ってこそ、伸びる
すぐに動く力が、稼ぐ力になる
顧客は「機能」を買い、ファンは「意味」を買う
投資目的でアートは買わない。ファンとして、交流のために買う
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当初、投資目的でアートを買っていたので、本当に反省させられました(笑)。
どうお金を使えば健全なエネルギーが湧くのか、大事なヒントを教えていただいた気がします。
コストカットから考えずに、「未来につながる使い方の戦略」を先に決定するという話は、経営者に刺さると思います。
ぜひ読んでみてください。
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『お金と銭』中野善壽・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン
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◆目次◆
はじめに
中野流 お金に好かれる7つの原則
1章 人生を豊かにし幸せにもする「お金」と「銭」の流儀
2章 徳を積み、自分を向上させるお金の使い方(個人編)
3章 徳を積み、ビジネスを成果あるものにするお金の使い方(経営編)
4章 お金に好かれる運と縁の磨き方
エピローグ
結びに
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