2025年3月27日

『デンマーク人はなぜ会議より3分の雑談を大切にするのか』 針貝有佳・著 vol.6687

【ビジネス効率性5年連続世界1位】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569859038

本日ご紹介する一冊は、ベストセラー『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』の著者、針貝有佳さんによる、待望の新刊。

『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569855970

今回は、「雑談」や「コミュニケーション」がテーマとなっています。

前回の本をご紹介した時にも書きましたが、デンマークは、2022年、2023年と2年連続で国際競争力ナンバーワンに選ばれた国。(IMDが行った調査による。日本は34位)

でも、一番すごいのは、5年連続で1位になっているという、「ビジネス効率性」です。(日本は2024年51位)

そんなビジネス効率性世界1位のデンマークの職場で、どんなコミュニケーションがなされているのか、デンマークの企業関係者に取材して書き上げたのが、本書です。

登場する企業は、デンマークを代表する製薬会社、ノボ ノルディスク、家具・インテリアブランドのオドー・コペンハーゲン、太陽光発電のシステムを建材に一体化させ、デザイン性の高いソーラーファサードの開発製造をしているソーラーラボ、レゴ社の開発部のオフィス空間を手掛けたこともある空間デザインのローザン・ボッシュ社など。

実際に働くビジネスパーソンに尋ねた職場環境、職場でのコミュニケーション、ネットワーキングの実際やプライベートのことなどが、平易な言葉でまとめられています。

キーワードとなるのは、本書のタイトルにもなっている「3分の雑談」で、大した会議も、アフター5の飲み会もないのに仕事が上手くいく、デンマークの働き方が紹介されています。

最後の方に、「デンマークのイノベーターたちの金言」がまとめられており、自己啓発的に読むこともできる内容です。

職場での非効率なコミュニケーションに頭を悩ませている管理職、もっと風通しの良い職場にできないか悩む経営者、もっとプライベート時間を捻出するためにできることはないか模索しているビジネスパーソンに、ヒントとなる一冊です。

さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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デンマーク人は飲み会を開く習慣がない。勤務時間外に、仕事関係の人との「付き合い」もしない

デンマークは人口が千葉県よりも少ない約600万人でありながら、製薬会社ノボ ノルディスク社、レゴブロックのレゴ社、風力発電のベスタス社、海運業のマークス社など、グローバルに活躍するユニークな企業を輩出している

「ビジネス効率性が高い」と聞くと、みんながテキパキと仕事だけをしている様子を思い浮かべるかもしれない。だが、実際のデンマークの職場はのんびりしている。さらに、短い勤務時間の中に「軽い雑談」を取り入れている。近況報告、ランチ、週に1回の朝食会の開催からチームメンバーの誕生日祝いまでする

矛盾するようだが、本当に良い仕事をするためには、仕事に「真面目に」向き合ってはいけない。むしろ、テキトーに気楽に構えて、誰かと雑談すると、意外にも突破口が見えてくる

コペンハーゲン市が会議を開催する際に、冒頭によく取り入れるのが「チェックイン」である。「チェックイン」の目的は、お互いを軽く知って、その
場の雰囲気を和ませることである。要は、冒頭に「軽い雑談タイム」を取り入れるというイメージである

その人を「知る」から仕事が生まれる

離婚していることも、再婚していることも隠さない。離婚して元パートナーと1週間ごとに交代で子どもの面倒を見ている人は、そんな情報も共有する

「開発を始める前にチームのみんなで『プレスリリース』を書いてみるんだ(中略)その製品が、もし『ニューヨーク・タイムズ』の表紙を飾るとしたら、どんなふうに取り上げられてるか? ってね」(ゼンデスクで開発チームの欧州リーダーを務め、現在はBe My Eyesの最高技術責任者を務めるイェスパー)

仕事に行き詰まったら、他業界を覗く

波長が合う人との「出会い」を大切に

目上の人でも、雑談をするつもりで会いに行く

「失敗したときのプランBなんてない。うまくいかせるしかないんだ」
(ゼンデスク共同創業者 モーテン)

「じつは、時間やコストをかけて、長期的かつ幅広い視点で『本当に価値あるもの』を開発する企業の方が、ビジネスは伸びるのです。これはデータでも証明されています」(クリエイティブ・デンマーク代表 マイケン)

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どんな雑談からどんな商品・イノベーションが生まれたか、デンマーク企業の評価制度が実際にどうなっているのかなど、もっと突っ込んだ取材があればなおよかったのですが、その辺は次回作に期待したいところです。

思ったよりもデンマークの人って、職場でフランクなコミュニケーションをするんですね。驚きました。

日本でそのまま実践するのは難しいと思いますが、経営者が心掛ければ、こんな風通しの良い職場を作るのも、夢ではないと思います。

起業家、経営者にこそ読んで欲しい一冊です。

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『デンマーク人はなぜ会議より3分の雑談を大切にするのか』針貝有佳・著 PHP研究所

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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0F1MC1JB9

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◆目次◆

まえがき
第1章 雑談をなめるな! 最高の成果は「3分の雑談」で決まる
第2章 壁打ち、壁打ち、壁打ち! うまくいくための最短ルート
第3章 雑談がチームを強くする 世界を変えるアイデアはひとりでは生まれない
第4章 日常に「余白」をつくれ こうすれば、会話がもっと楽しくなる
第5章 やりたいことは、誰かに話せ 夢をかなえる「雑談と対話のチカラ」
終 章 デンマーク人はなぜ雑談を大切にするのか
あとがき
お礼
取材協力
巻末付録
脚注

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