2025年3月25日

『でっかく、生きろ。』 吉田潤喜、望月俊孝・著 vol.6685

【ヨシダソース創業者、語る。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866632682

本日ご紹介する一冊は、「世界のソース王」、ヨシダソースの会長兼CEO、吉田潤喜さんによる半生の記録&起業マインド論。

ベストセラー作家の望月俊孝さんが、聞き役を務め、まとめています。

吉田氏は、貧しい家庭の7人兄弟の末っ子として京都に生まれ、1969年に単身渡米。自家製秘伝のタレをベースにしたヨシダソースを生産販売し、アメリカンドリームの体現者となった方です。

ヨシダソースは、米国の中小企業局(SBA)が、50周年記念のGolden Anniversaryに選んだ全米24社の中に入り、FedExやインテル、AOL、ヒューレットパッカードなどと並んで「殿堂入り」。

経営者の吉田氏は、2005年にNews week誌日本版「世界で最も尊敬される日本人100」に選ばれています。

本書は、そんな著者の生い立ちと渡米、起業のきっかけ、現地での苦労話とそこからどうやってアメリカンドリームを手にしたかがまとめられた一冊です。

アメリカ行きの夢を伝えた時、母親がお金を工面してくれた話、金銭的にはダメだったが、優しかった父親のエピソード、著者を助けてくれた移民局の女性とコストコのバイヤー…。

次々出てくる感動のエピソードが、著者の成功の本当の理由を教えてくれているような気がします。

助けられる人間と助けられない人間、応援してもらえる人間とそうでない人間の違いが、これらのエピソードにギュッと凝縮している気がしてなりません。

これから起業したい人、何かに挑戦したい人は、ぜひ読んでおくといいでしょう。

著者は、<起業するときに一番必要なのは、自分より大きいものに対する「なにくそ!」という気持ちだ>と言いますが、本書の中にも、大企業と戦った話がいくつか書かれています。

既に起業している方にとっては、起業の原点を思い出させてくれる、そんな内容だと思います。

さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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15歳で日本に嫁に出された母親は、頼るべき親戚も、帰るべき場所もなかった。そのため、7人の子どもを養うために、次々と商売を替えて、懸命に働いていた。小学校3年までしか学校には行っていなかったが、銀行が舌を巻くほど、お金の勘定が上手だった。そんな母に、大学に落ちた私は、アメリカに行く夢を伝えた。すると、母は引き出しから白封筒を取り出して、私に差し出した。
「このお金で、アメリカに行きや」私は、驚いた。「おふくろ、このお金どうしたん?」聞けば、母親は私を韓国に留学させて、祖国の文化を学ばせようと。コツコツ貯金をしてくれていた。それも20年近くも……。それどころか、近所の人から借金までしていたのだ

「どうせやるんやったら、大きいことをせえや。世間体なんか気にせず、好きなことをせえや」(母からの教え)

あるとき、父親が銭湯帰りに、バイクにはねられて、足を折ってしまった。犯人は近所の少年で、無免許運転だった。父親は、パニックになって泣いている少年に言った。「早く逃げろ!」「わしは足を1本折っただけだけど、お前は人生が台無しになるぞ」。その後、交番の巡査が来てからも、少年をかばったという

「なぜ、あのとき、私を助けてくれはったんですか?」すると、彼女は言った。「アンタは私が会った日本人の中でも、英語が一番下手だった。それなのに、しつこく私のところに、ビザをくれって来たでしょ。それを見て、可哀想に思ったからよ」

起業するときに一番必要なのは、自分より大きいものに対する「なにくそ!」という気持ちだ

コストコのバイヤーさんは、漢だった。「なぜ、おたくのように急成長している会社が、あんな小さい会社と取引しているのですか?」というキッコーマンの幹部に対して、こう答えてくれたのだ。「私たちは、ジュンキという人間が、どこまで大きくなるのか見てみたいんだよ」

どうしても納得のいかないことは断固として拒否する。それでも人の心を打つにはどうしたらよいのか? そこからオンリーワンが生まれる

リスクを被る提案が通る

いつまでも下を向いて悔やんでいるから、すぐ目の前にある次のステージへの扉が見えないのだ

私がコストコに参入したのが、1983年、ちょうどポートランドに2号店ができたころだった。今の巨大チェーンになる前だったので、私のような無名の者でも、参入ができた。(中略)とはいえ、大きな問題があった。コストコは急成長をとげていたが、会員制という形式は、業界では異端だった。やっかみもあり、他のスーパーマーケットからは、「コストコと取引するようなメーカーはウチではお断り」と脅迫され続けた。まるでマフィアや。反骨精神もあって、私はコストコに賭けてみようと思った

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著者が起業したのはアメリカであり、そこは差し引いて読む必要がありますが、起業マインド、生きるエネルギー、人とつながる力を得るという点で、有意義な一冊だと思います。

感動エピソードがてんこ盛りで、こんな人生が生きられたらいいなと、多くの人が思うのではないでしょうか。

ぜひ、読んでみてください。

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『でっかく、生きろ。』吉田潤喜、望月俊孝・著

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866632682

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◆目次◆

はじめに 吉田潤喜
一、憧れをつかめ
二、仕事に惚れるな
三、沈みグセを知る
四、人生ゲームを楽しめ
おわりに 望月俊孝

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