2022年3月25日

『スモールビジネスの教科書』武田所長・著 vol.5965

【小さく起業したい人にオススメ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4408650056

本日ご紹介する一冊は、スモールビジネスで成功するための戦略や考え方をまとめた、起業家向けの一冊。

大企業やスタートアップとは違う、スモールビジネス特有の成功の勘所を見事に捉えた、中小企業経営者必読の一冊です。

著者は、大学卒業後、戦略系コンサルティングファームを経て、自ら20以上のビジネスを展開し、それぞれ売上数百万円~10億円を達成しているという人物。

数多くのビジネス事例を見てきた著者だからこそわかる、背伸びしないスモールビジネスのための成功戦略が歯に衣着せずに書かれています。

大企業が嫌う、ニッチマーケット、特殊ニーズ、属人性の高いビジネスを「あえて」狙えという主張で、じつに現実的な考え方だと思います。

華やかさや称賛を求めて、今日も多くの若手起業家が倒れていますが、本書はその真逆を行く本と言っていいでしょう。

起業のネタ探しや儲かるカテゴリーのヒント、どんなマーケットを狙うべきかまで丁寧に書かれており、ひさびさに中小企業経営に特化した良書が出たなという印象です。

中小企業経営のバイブルとして知られる、『小さな会社★儲けのルール』と併せて読むといいと思います。

※参考:『小さな会社★儲けのルール』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894517205

さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。

—————————-

ベンチャービジネスで善とされるイノベーションは、スモールビジネスにとって必要ではない。社会や産業構造の変革を目指す必要もない

スモールビジネスに向いているビジネスの基本条件
1.課題自体に多くの人が気付きづらい
2.自分の趣味、経験があるから出来ること
3.属人性がある
4.称賛されない
5.既に類似サービスに金を払っている市場が存在する

既に金が払われており、サービス提供者も儲かっている状態の市場に参入し、その金を少しかすめ取る方法を必死に考えて実行するのがスモールビジネスである。大企業は大量の機会損失を出している。そのおこぼれをもらうだけで数億円の売上は立つのだ

業界紙の場合は読者を業界内部の人間に限定しているため、事業を検討するための詳細な情報を入手することが出来る

ペイン・不満解消より欲望実現という考え方のほうが、商材の連鎖反応を引き起こすことが出来るため、優位である

スモールビジネスに適した特異なニーズとは、例えば「基盤は東京に持ちながらも大阪に転勤することをいとわない層が欲しい」といったものである。(中略)このような一見奇妙なニーズを発見することがスモールビジネスでの最重要ポイントなのだ

スモールビジネスにとって避けたい顧客
・金払いが悪く要求が多い
・ノービジョンサラリーマン
・高参入障壁セグメント
・コストが叩かれ続けている業界
・多くの人の目に触れる業界

マイナーチェンジの定番パターン
・対象セグメントを絞りサービスの競争
 力を局所的に高める
・提供サービス・機能を絞り価格を下げる

—————————-

これから起業する人には転ばぬ先の杖として、既に起業している人には新規事業のヒントとして、じつに有用な一冊です。

語り口痛快。ひさびさに読み応えのある中小企業経営本が登場しましたね。

ぜひ読んでみてください。

———————————————–

『スモールビジネスの教科書』武田所長・著 実業之日本社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4408650056

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B09VSJWF8D

———————————————–
◆目次◆

序 章 スモールビジネスの概要
第1章 スモールビジネスの戦略を立案する
第2章 スモールビジネスの戦略を実行する

この書評に関連度が高い書評

この書籍に関するTwitterでのコメント

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー