2022年2月9日

『世界のビジネスエリートが知っている 教養としての茶道』 竹田理絵・著 vol.5936

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本日ご紹介する一冊は、ビジネスパーソン向けに茶道の教養を解説した一冊。

著者は、神楽坂生まれの3代目江戸っ子であり、銀座と浅草に本格茶道を体験できる茶室を開設している、株式会社茶禅代表取締役の竹田理絵さんです。

ニューヨーク、ロンドン、パリ、ミラノなど、世界の都市でお茶のイベントを実施し、ブルネイ国王即位50周年記念イベントでも茶道を披露したという著者が、茶道の歴史から作法、ビジネスに活かせる教訓までをまとめた一冊で、特に茶道初心者には、わかりやすくまとめられていると思います。

お正月に開かれる「初釜」をはじめとした季節のお茶会、「わび・さび」の精神、茶道の移り変わりの歴史、千利休の精神、お茶会に招かれた際の作法など、丁寧に書かれており、基本を知りたい方にはピッタリの一冊です。

ビジネスの教訓としては、戦国武将や松下幸之助が取り入れた茶の湯の精神、千利休の七つの教え(利休七則)が勉強になると思います。

有名な話ではありますが、石田三成が豊臣秀吉にお茶を出した時のエピソードには感動しました。

最後の第6章には、実際にお茶に招かれた時のために、お茶会の作法がまとめられており、重宝します。

表千家と裏千家の違い、懐石料理と会席料理の違いなど、知らないと恥をかく日本人としての教養も含まれており、これは読まないとまずいと思いました。

さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。

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「おもてなし」は、「もてなす」の丁寧語からきています。その語源は「ものを持って成し遂げる」、「表裏なし」からきています。これは表裏のない心でお客様をお迎えするという意味です

寒い季節(11月から4月)は炉に釜をかけて、お客様が少しでも温まるようにと考えます。暑い季節(5月から10月)には風炉に釜をかけて、お客様から離れたところで炭をおこし、暑くならないようにと心がけます

初釜は、年が明けて初めて釜に火を入れることを意味し、新年最初に行われるお茶会のことをいいます。床の間には、初春にふさわしい掛け軸が飾られ、結び柳という天井から畳に流れるほどの長い柳で長寿を祝います

さびは時間の経過と共に色あせて劣化することで出てくる味わいや趣きある美しさをいいます。わびはさびの味わい深さを美しいと思う心や内面的な豊かさを表します

以前は手柄のあった家臣に領地を与えていましたが、領地には限りがありました。それを名物茶器に一国に値する価値を与えることで、茶道具を所有していることが権力の象徴となり、ステータスシンボルとなったのです

茶道の心は「和敬静寂」(和やかに・お互いを敬い・清らかな心で・何ごとにも動じない)という言葉で表されますが、幸之助はそれを「素直な心」と置き換えていました。「和敬静寂」=「素直な心」になれば、物事がありのままにみえてくる。それを仕事に活かし、成功を収めたのです

表は表千家、裏は裏千家のことをいい、この両家に武者小路千家を加えて、三千家と呼ばれています

千利休の七つの教え(利休七則)
・茶は服のよきように点て(気配りの大切さ)
・炭は湯の沸くように置き(準備の大切さ)
・花は野にあるように生け(自然体でいること)
・夏は涼しく冬暖かに(相手を思いやる心)
・刻限は早めに(時間に余裕を持つ。気持ちにゆとりを持つ)
・降らずとも傘の用意(不慮の事態に備える)
・相客に心せよ(お互いに尊重し合う)

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もうちょっとビジネス的な教訓を期待していたので、そこは若干期待と異なりましたが、お茶を勉強したい人、日本文化の基本を学びたい人には、良い内容だと思います。

英語で外国人にお茶のこと、日本文化のことを紹介したい人にも向いている一冊だと思います。

ぜひ読んでみてください。

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『世界のビジネスエリートが知っている 教養としての茶道』
竹田理絵・著 自由国民社

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◆目次◆

第1章 外国人が知りたい日本の文化・世界が憧れる日本のおもてなし
第2章 なぜエリートは茶道の虜になるのか
第3章 これだけは知っておきたい日本の伝統文化「茶道」
第4章 ビジネスや日常に活かしたい千利休の七つの教え(利休七則)
第5章 知っていると一目置かれる、日本人としての品格
第6章 知っていると自信が持てるお茶会の作法ー楽しむための知識ー

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