2021年12月21日

『超ファシリテーション力』平石直之・著 vol.5904

【アベプラ進行役、平石直之氏の初の著書】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4776211734

本日ご紹介する一冊は、アベプラ(ABEMA Prime)の“猛獣使い”として知られ、テレビ朝日の「トークがうまい男性アナウンサー」ランキングでも圧倒的1位に輝いた(ねとらぼ調査隊調べ)平石直之さん初の著書。

土井も一度ABEMA Primeに出演して、その手腕を見せていただいたことがありますが、確かにファシリテーションが上手い。

その後、何度かテレビで厄介なゲストとやり取りしているのを見かけましたが、本当に上手に場をまとめて行くので、これはものすごいスキルだと思っていました。

ただ、この手のスキルは、属人的なものが多く、再現性があるのかどうかは疑わしい。

正直、平石さんの場合も天性の勘でやっているのだと思っていて、書籍にはあまり期待していなかったのですが、読んでみてそれは間違いだと気づかされました。

話し手の思考を妨げない声掛けの技術、時間稼ぎのトーク、会話に入るのが上手じゃないゲストの扱い方、感情的になった議論の収め方、脱線した議論を元に戻す方法…。

そのすべてに解決策と、具体的トーク例が載っていて、すべて意識してやっているのかと、二重の驚きでした。

これまで何冊かファシリテーションに関する本は読んでいますが、メディアやセミナーで場を仕切る人にとっては、現時点で一番実践的な一冊だと思いました。

さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。

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大なわとびの理想は、参加者たちが輪の中に入ったり出たりしながら、心地よく長く跳び続けられること。(中略)ファシリテーターは、メンバー全員の様子にさりげなく目を配りながら、要所要所で縄を持つ手を緩めてあげる工夫をしましょう。「ところで、この件について○○さんはどう思っていますか?」「そろそろ○○さんや△△さんのご意見もうかがってみたいですね」「これは重要なテーマですから、ほかのみなさんのご意見も聞いてみましょうか」

ファシリテーターは、参加者にとってベストな環境を整え、気分をノセていくことが求められます。そのために有効な手法が、「反復」と「要約」と「同調」

ファシリテーターがあえて発言を積み重ねることで、相手に頭のなかを整理する時間を与える

言葉の端に不穏なものを感じ取ったとき、ファシリテーターはどうするべきか?究極の理想は、本人も気づかないほど自然に、振り上げた拳をゆっくり下ろしてあげること。そのためには、当人同士のあいだで使われている乱暴な言葉を、優しい言葉に言い換えていく必要があります

“一人=一見せ場”を意識して、時間の配分を考えましょう

議論のムードが悪くなってきたときには、ファシリテーターは「どこならわかりあえるか」を探す

場の緊張感に押されて、なかなか最初の発言が出てこないときには、テーマに絡めてその場にいない第三者の意見を紹介するのがおすすめです。「最近、社内の若い世代からこういう意見をよく耳にしますので、ぜひそれを踏まえてみなさんのご意見をうかがいたいと思います」

感情もあらわに激しく言い合う人々のあいだに割って入るのは容易なことではなく、中途半端に「まあまあ」とか、「そのあたりで……」などと口を挟むと、かえって火に油を注ぐことにもなりかねません。そこで使えるのが、「わかりました○○さん。この話、いったんこちらで引き取らせていただきます」というフレーズ

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「準備力」と書かれたパートが、何の準備もなく始まったことには驚きましたが(笑)、それ以外は、本当に役立つ、濃い一冊だと思います。

予定調和で終わらせない、でもゲストや視聴者を傷つけない、絶妙なファシリテーションの技術が書かれています。

ぜひ、読んでみてください。

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『超ファシリテーション力』平石直之・著 アスコム

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◆目次◆

平石流ファシリテーションの極意
準備力 聞く力 場を作る力
第1章 ファシリテーターの心得
第2章 話し合いを円滑に進めるコツ
第3章 ファシリテーションは準備が9割
第4章 即使える! キラーフレーズ集
おわりに

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