2021年6月10日

『自由を手に入れる方法』エピクテトス・著 vol.5773

【エピクテトスが説く、本当の自由】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866513799

本日ご紹介する一冊は、プリンストン大学出版局から出ている「哲人に学ぶ人類の知恵」シリーズの一冊。

奴隷出身の哲学者として知られる、エピクテトスが、究極の自由について述べた、『要録』『語録』のエッセンスです。

われわれ人間は、自由になろうとして富を求め、かえって不自由になったり不幸になるものですが、エピクテトスが求めた自由とは、内面の自由でした。

本書のなかで哲学者は、自由に、心穏やかに生きるための斬新な考え方を示しています。たとえば、以下の通りです。

<自分の思い通りにできる物事だけが、真に自分のものであり、それ以外はすべて他人次第のものである>

そして、われわれが生きる上で「持っている」と思っているもののすべては「借り物」であり、ゆえに、失った時にも冷静になることができるのです。

<どんな物事についても、「それを失った」と言わずに、「それを元のところへ返した」と言うようにしたほうがよい。
我が子が死んだ?
「あの子を元のところへ返した」のだ。
妻が死んだ? 
「妻を元のところへ返した」のだ。
「あいつに土地を奪われた」。
いや、その土地は元のところへ返されたのだ

なるほど、確かにこう考えることで、われわれはどんな時でも心の自由を手に入れられそうです。

他にも、善く生きる上でのヒントが満載で、本当に勉強になりました。

さっそく、本文の中から気になった部分を赤ペンチェックして行きましょう。

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内面的な「自由」を手にするためには、物事の選択や決断を他人に任せず、自分の力がおよぶ事柄だけに意識を向けることが重要

身分的には何の不自由のない人であっても、欲望、執着、衝動的感情といった「内なる主人」に支配されれば、心の奴隷になってしまう

他人の言動は、自分ではどうすることもできない。しかし、その言動に対してどのように反応するかは完全にあなた次第だ

すべての物理的な出来事は善悪と無関係

1.健康や富のように、一般的に「善」とされている物事は、常に自分にとって有益なものなのか?
2.それは、幸せでいるために必ず必要なものなのか?
3.それは、自分の思い通りにできるものなのか?
4.それは、考え方によって変化させられるものなのか?
5.それは、人間の理性と調和し得るものなのか?
ストア派の考えによれば、この5つの問いに対する答えは、すべて「否」である。それは、一般的に望ましいとされている物事を手に入れたり、一般的に忌まわしいとされている物事を避けたりしたところで、幸福は保証されない、ということを意味する。物理的な条件に幸福を見出すことは、自分の主体性や心の平穏をあきらめることであり、挫折や失望を味わうリスクを負うことでもあるのだ

健康のように「善」とされているものを「手に入れよう」としたり、それを幸福の条件に含めたりしてはならない。与えられたらありがたく受け入れる程度にとどめておくのがよい

どのような状況であっても「取っ手」は2つついている。片方をつかめば物事をうまく運ぶことができ、もう片方をつかめば行き詰まる

「自由」とは否定的感情からの解放である

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人間は苦しいことがあると、つい人のせいにしたり、他人を恨んだりしてしまいがちですが、本書を読んでおくことで、どんな時でも感情に振り回されなくなります。

真の自由を手に入れるために、また善い人生を手に入れるために、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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『自由を手に入れる方法』エピクテトス・著 文響社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866513799

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◆目次◆

プロローグ ストア派とエピクテトスの思想
第1部 自らを守る術──『要録』より
第2部 精神の自由を得る──『語録』より 

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