2021年4月22日

『進化思考』太刀川英輔・著 vol.5742

【これはすごい本だ。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4909934006

本日ご紹介する一冊は、グッドデザイン賞金賞(日本)、アジアデザイン賞大賞(香港)ほか、100以上の国際賞を受賞し、話題となった『東京防災』はじめ、数々のヒットを手掛けた著者が、創造と進化の関係性を述べた一冊。

生物の進化のパターンを分析し、それをクリエイティブ活動に使えるよう、体系化し、事例まで述べた内容で、イノベーションの百科事典とも言える内容です。

「進化パターンの百科事典。結合の要素が分かれば、誰もが創造できる」(ビジネスデザイナー濱口秀司氏)

「ここまでイノベーションを体系化した本はなかった。」(面白法人カヤック代表 柳澤大輔氏)

と、各界著名人が絶賛しているように、本当に読み応えある本で、旗揚げしたばかりの出版社から出されているにもかかわらず、既に2万部を売り上げているそうです。

「変異」と「適応」という、進化のループを回すことで、われわれはアイデアを無限に生み出し、それを社会に実装していくことができる。

この考え方は、今後モノ作りをする方、社会変革を推進する方、すべてが知っておくべき考え方だと思います。

人類史に残るイノベーションのエピソードを丁寧に拾い上げ、まとめている点も秀逸で、3000円をゆうに超える資料価値があります。

丁寧かつクリエイティブな本作りで、なかでもトカゲが出てくるページの表現には驚かされました。

さっそく、本文の中から気になった部分を赤ペンチェックして行きましょう。

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本当にすごいデザインは、人とモノとの新たな関係性を生み出す

歴史に残る優れた創造は、必ずといっていいほど強いアイデアを内包していた

創造のプロセスには、制約を読み解き、関係を把握する力が必ず問われる

狂人性と呼ばれてきたものが未知に挑戦する躊躇のなさのことなら、それは新しい方法(HOW)への柔軟性とも呼び替えられるだろう。そして秀才性と呼ばれてきたものが状況を理解する力のことなら、それは物事の本質(WHY)の理解力に他ならない。これらは両方とも、創造性にとって不可欠な思考であるのは間違いないだろう

進化とは、エラー的な変異と自然選択による適応を繰り返す、生物の普遍的な法則性のこと

あらゆるデザインに言語性は存在する。その性質を応用することで、新たな発想を生み出すこともできた

◆変異の9パターン
「変量」「擬態」「欠失」「増殖」「転移」「交換」「分離」「逆転」「融合」

いま座っている椅子を椅子でしかないと思い込んでいる人にとって、椅子はいつまでも変化しないままだ。たとえば椅子を楽器だと思える人だけが、新しい発明を成し遂げる

モノを解剖すれば、不合理さはおのずと見えてくる。こうした不合理を取り除く発想をすれば、必然的に欠失的な発想を生み出すことになる

上下になったり、左右逆転したり、凹凸が逆になったり、色が反転したりと、逆転的な変異を遂げた生物は数多い

変異の数を生み、偶発性を高めよう

人間はわからないものに出会うと、それを細かく解剖して観察してきた

最先端の創造は、必ずしも最先端の発想がもたらすとは限らない。社会的なインパクトのある創造は、電気自動車のように、かつての発想がリバイバルされるような発想によって生まれてくることも多いのだ

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読むたびに発見がある素晴らしい本で、本が赤ペンチェックだらけになりました。

これは間違いなく「買い」の一冊です。

クリエイティブに関わる人は、本書で紹介されている「変異の9パターン」、「時空観学習の4つの観点」だけでも、ぜひ読んでいただきたい。

文句なし、必読の一冊です。

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『進化思考』太刀川英輔・著 海士の風

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◆目次◆

序 章 創造とは何か
第一章 進化と思考の構造
第二章 変異
第三章 適応
第四章 コンセプト
終 章 創造性の進化

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