2021年2月24日

『J.Y.Parkエッセイ 何のために生きるのか?』 J.Y.Park・著 米津篤八・他・訳 vol.5701

【注目の一冊】
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本日ご紹介する一冊は、韓国三大芸能事務所のひとつである「JYPエンターテインメント」の創業者、CCO(チーフ・クリエイティブ・オフィサー)であり、2019年にプロデュースしたガールズグループ「NiziU」が社会現象を巻き起こしている、J.Y. Park氏によるエッセイ。

テレビ等で、既に知っている方も多いのではないでしょうか。

冒頭は著者の半生、中盤は著者の精神的支柱となっているキリスト教に関する話、後半がプロデュース論となっており、BBMでは後半部分を中心にピックアップします。

読んでみた感想は、さすがヒットを連発しているカリスマプロデューサーだけあって、独自のプロデュース論が光る。

また、名言で知られる著者だけに、苦しみながら掴んだ人生の教訓が心に刺さります。

<「人気」を「リスペクト」に変える必要がある>
<ハートから始めよ>
<かっこいいことを言うのは簡単だが、かっこよく生きるのは難しい>

などなど、クリエイティブの秘訣であり、同時に生きる教訓でもある言葉がズラリと並び、なるほどと思って読みました。

プロデュースのテクニック論はあまり書かれていませんが、心構えや姿勢、視点を学ぶだけでも、勉強になると思います。

さっそく、本文の中から、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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人気は永遠に続くものでない。だから人気があるうちに頑張って実力を蓄え、大衆からリスペクトされる人間に成長しなければならない

アーティストのイメージづくりで重要なことは、横の一貫性と縦の一貫性だ。横の一貫性とは、メロディー、歌詞、振付け、衣装やヘアスタイル、ミュージックビデオ、マーケティングなどに一貫性を持たせること。そして縦の一貫性とは、ファーストアルバム、セカンドアルバム、サードアルバムなど、発表する作品に一連の流れを持たせることだ

人間にはハートで感じたモチーフを永遠に残したいという欲求がある。時間の奴隷として生きる人間の有限性を悲しみ、永遠なるものを求めるから、ある瞬間にふと感じたその感情を永遠に残したがる
のだ。その結果として生まれたのが芸術ではないだろうか

「大衆のトレンドを分析する」とは大衆の好みの変化を読み取ることであり、「自分のトレンドを分析する」とは自分が最近書いてきたリズム、コード、メロディー、歌詞の傾向を確認することだ

新しいテーマを扱うべし。陳腐なテーマであれば新しく表現せよ

ハートから始めてハートで完成させる人は、大ヒットを飛ばせるかもしれないが、長続きは難しい。頭から始めて頭で完成させる人は、長続きするかもしれないが、大ヒットは難しい。ハートから始めて頭で完成させよ

僕が考えている成功とは、性能のいい「拡声器」を持つことだが、その拡声器を使って伝えたいことがなければ、成功してもむなしいばかり。だから成功のために生きるのではなく、成功した後に伝えたいメッセージのために生きることが重要である

成功してから神のために働くのではなく、神のために働いていれば神が「ほどほどに」成功させてくださるだろう

僕は自分の時間だけでなく、個人の収入も10分の1を神の仕事をするのに使うためにあらかじめ差し引いておいて、その残りで暮らすようにしている

かっこいいことを言うのは簡単だが、かっこよく生きるのは難しい

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著者の精神の支柱はキリスト教であり、それゆえに本書にもキリスト教の教えや、それと著者がどう向き合ったのかがかなりのボリュームで書かれています。

著者のプロデュース論を期待する方は、90ページから95ページ、そして277ページ以降を読むといいでしょう。

長くクリエイターとして続ける秘訣や、著者独自のプロデュース論が書かれていて、とても勉強になると思います。

ぜひ、読んでみてください。

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『J.Y.Parkエッセイ 何のために生きるのか?』
J.Y.Park・著 米津篤八・他・訳 早川書房

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◆目次◆

※多過ぎるので省略します

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