2021年2月15日

『あたらしい問題解決』長田英知・著 vol.5695

【Airbnb執行役員が教える、ビジネスの思考法】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534058357

本日ご紹介する一冊は、未経験で30歳を過ぎてから戦略コンサルタントになり、現在、Airbnbの執行役員として活躍する著者が、「正解が変わる時代」に結果を出す思考法を説いた一冊。

著者は、東京大学法学部を卒業後、日本生命を経て、埼玉県本庄市の市議会議員に全国最年少当選、その後、IBMビジネスコンサルティングサービス、PwCなどを経て、現職に就いているようです。

著者が説く思考法は、以下の3ステップで構成されています。

Sense 「問題」を直感でつかみ、
Segment 解決可能な「課題」に切り分け、
Story 「解決策」を腹落ちさせる

課題の切り分け方と、ストーリーの作り方に興味があって読んだのですが、いくつか気づきがありました。

最も印象に残ったのは、<ストーリーに詰め込むのは「天の時、地の利、人の和」の納得性>というところ。

ちょうど大きな組織に提案したばかりだったので、「この3点を意識して話せば良かったのか!」と反省しました(笑)。

また、同じくストーリーの部分ですが、<アクションに一定程度の融通性があること>という要素は、これからSGDsを始めとする社会活動を実行していく上で、参考になると思いました。

さっそく、本文の中から、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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現実社会では、正解はコロコロ変わる

「ストーリー」は多くの人の心を1つにする

「センス」とは、モノを選んだり組み合わせたり、あるいは何かを行うときの良い塩梅、すなわち「物事の適切なバランスを感じ取り、最適化する能力」

熟練したコンサルタントは、様々な業界の様々な分野のプロジェクトに携わった経験から、ビジネスにおける物事の適切なバランスがどのようなものかということに関する高度な「センス」を磨いている

◆センスの4つの特徴
・瞬間的な判断である
・異なるジャンルのものを、1つの軸で評価できる
・今まで体験したことのないものでも、評価可能である
・経験を積むことで、磨かれる

経験の質も「センス」を高めるうえで重要な要素

「普通」の基準によって、訴求する対象も変わる

◆「違和感」を感じ取るときにガイドと
 なる4つの要素
1 重心──物事の大小、重要度、中心に関する一般的な感覚と乖離があり、フォーカスがブレる
2 因果関係──因果関係・ロジックに関する一般的な感覚と乖離があり、整合性がない
3 規則性──規則性、反復性が乱れ、一般的な感覚から見て美しくない、あるいは滞っている
4 TPO──部分的には最適でも、全体最適の感覚から見て場所・時間・状況にそぐわない

「センス」に基づいて行われた「セグメント」が、その業界の常識や慣習と合っているか、常識や慣習がビジネス環境の変化によって古いものになっていないかをすり合わせることを含め、「どのよう
な形が適切な切り分け方」かをディスカッションすることも大切

「一流」と呼ばれる商品やサービスには、どんなストーリーが内在されているか?

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『あたらしい問題解決』というタイトルが付いてはいますが、書かれているのは、今では比較的ベーシックな思考法だと思います。

ただ、切り分け方が時代に会っているかどうかチェックすることや、ストーリーにおいて「天の時、地の利、人の和」を意識することは、大変勉強になりました。

ぜひ、チェックしてみてください。

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『あたらしい問題解決』長田英知・著 日本実業出版社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534058357

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◆目次◆

プロローグ ビジネスでは、たった1つの正解があるとは限らない
第1章 論理的思考の限界
第2章 ビジネスの問題は「直感(センス)」でつかむ
第3章 「センス」を後天的に磨くためのトレーニング
第4章 問題を解決可能な課題に切り分ける「セグメント」
第5章 解決策を腹落ちさせる「ストーリー」

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