2020年10月13日

『理系読書』犬塚壮志・著 vol.5616

【読書で結果を出すには?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478111685

本日ご紹介する一冊は、元駿台予備学校のカリスマ化学講師で、ベストセラー『東大院生が開発!頭のいい説明は型で決まる』の著者、犬塚壮志さんによる、一風変わった読書術。

※参考:『東大院生が開発!頭のいい説明は型で決まる』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569837980/

前半のほとんどは、読書本で言い尽くされた内容で、「どこが理系なの?」と疑問に思って読み進めましたが、116ページからが俄然面白くなります。

ここに書かれた、<著者の「根拠」を疑う>は、ビジネス書や科学書を読む方なら、ぜひ押さえておきたいところです。

本には売るために過剰な演出が入ることがありますし、そもそも著者が主観を排除できずに書いているケースもあるので、こうした作法は重要ですが、これまでの読書術ではあまりコメントされてきませんでした。

本書には、理系ならではの疑う(検証する)読書の作法が書かれており、文系人間は確かに読んでおいた方がいいかもしれませんね。

「たくさん情報を取ろうとすると実践の質が下がる」という主張ももっともで、これまた多くの方に伝えたい内容です。

さっそく、本文の中から気になったポイントを赤ペンチェックして行きましょう。

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具体的には、「問題発見力」と「仮説思考力」により、読むべき箇所の絞り込みを行い、読書の時短を徹底し、読む時間をおよそ15分に絞ります。さらに、現実世界での「検証実験」に時間を割くことで、自分に変化を起こし、読書で得られるリターンを最大化します

・目次や前書きなどを見て、必要だと思われる箇所のみを抽出する
・そのページを読んで問題解決につながる方法を発見する
・抽出した情報を生かして、すぐに問題解決に取り組んでみる

たくさん情報を取ろうとすると実践の質が下がる

◆特にチェックしてほしい内容
情報の出所と作成年月日
・情報の出所はどこか?
(そもそも出所の記載はあるか)
・その情報は一次情報なのか二次情報なのか?
・「作成年月日」はいつか?
数字と単位の組み合わせ
・単位を変えて数字を大きく見せていないか?
(1gを1000mgなど)
・単位を変えてミスリードしていないか?
(放射線に関するBqとSvなど)
・絶対値ではなく、なぜ%で表記しているのか?
グラフの形状
・なぜ、時関経過と絶対値を示せる折れ線グラフではなく、円グラフを使うのか?
・なぜ、その2軸でグラフを描いたのか?
・グラフの目盛りの大きさ(数値の刻み方)は適切か?
引用元のサイト
・どのような調査なのか、どんな機関が運営しているか?
・引用しても大丈夫なのか? 信用できる内容か?
引用元の文献
・執筆者は何の専門家なのか、他にどんな著書を出しているのか?
・引用しても大丈夫なのか? 信用できる内容か?

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小説は違いますが、少なくともビジネス書に限って言えば、本書の主張は至極まっとうで、おっしゃる通りです。

メソッドについても、納得できました。

結果を出すためにゴールから逆算する、行動と成果をセットで評価する、といった姿勢は、読書でなくとも押さえておきたいところです。

ぜひ読んでみてください。

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『理系読書』犬塚壮志・著 ダイヤモンド社

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◆目次◆

序 章 文系の知らないとっておきの理系の読み方
第1章 読書の効果が劇的に高まる3つのこと
第2章 読解力を高めて、読書をモノにする理系読書
第3章 知識とスキルがたちまち3倍アップする読書の検証実験
第4章 わかっただけではなく、きちんとできているか?

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