2020年8月24日

『2030年日本の針路』江川昌史、藤井篤之・著 vol.5582

【デジタル×地方の可能性】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822288889

本日ご紹介する一冊は、アクセンチュアの代表取締役社長、江川昌史(えがわ・あつし)さんとアクセンチュアビジネスコンサルティング本部マネジング・ディレクターの藤井篤之(ふじい・しげゆき)さんによる、未来予測本。

GDPからQoL(クオリティ・オブ・ライフ)へのシフト、サーキュラー・エコノミーの可能性、都市と地方の未来、AI時代の働き方など、さまざまな論点を、データをもとに論じています。

読んで楽しい部類の本ではありませんが、データが充実しているので、日本経済が現在直面している問題、これからの可能性が、ひと目でわかるのが特長です。

なかでも、ALM職業区分に基づく労働需給シミュレーションは、読者が今後どんな仕事に就けば給料を上げられるのか、重要な示唆を与えてくれます。

また、地方創生に関わる方、移住を考える方にとっては、これまた興味深い論点がいくつも登場します。

30年後、地方の生活コストが東京の半分になり、地域コミュニティで食料が自足できるようになる、というのは、何となくありそうな気がします。

ボリュームのうち、結構な割合がアクセンチュアの宣伝や提言なので、その部分は差し引くとしても、未来の経済社会を予測する上で勉強になる内容です。

ざっとデータを眺めるだけでも、発見があるのではないでしょうか。

さっそく、本文の中から気になったポイントを赤ペンチェックして行きましょう。

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人口が増えている都県が7つある。2018年のデータでみると、東京都、埼玉県、沖縄県、愛知県、千葉県、神奈川県、福岡県の7都県では、人口が増加している

地方部においては移動困難者、交通事故死亡者数、移動手段のための財政負担の3つがスパイラル式に増加する

決して高くはない東京のGDP伸長率

2006年を基準とした東京都と全国の1人当たり県民所得推移を比較すると、2016年まで一貫して東京都のほうが低い水準である。全国平均ではリーマンショック前の水準まで回復しつつあるにもかかわらず、東京は9割程度の水準にとどまっている

ALM職業区分に基づき、2030年までの労働力需給をシミュレーションしたところ、2030年には定型業務が780万人の供給過多となる。その一方で、非定型業務は470万人の供給不足になると見込まれる

◆サーキュラー・エコノミー
製品・部品・資源を最大限活用し、それらの価値を目減りさせずに永続的に再生・再利用し続けるビジネスモデル

米国で2013年に創業したバーベスト・CROO・ロボティクスでは、人に代わってイチゴを収穫するロボットを開発

長崎県佐世保市で船舶用航海機器の保守整備を手がける佐世保航海測器社の子会社、オーシャンソリューションテクノロジーが面白い仕組みを構築しているので紹介したい。同社は、AIを活用した漁業の生産性向上システムの実証を続けている。「トリトンの矛」と呼ばれるアプリを開発し、漁師に提供しているのだ

現状では1人当たり生活コスト差は30%で地方部のほうが安いが、2050年頃を想定したシミュレーションでは、生活コストが最大45%まで広がる可能性があり、コスト的には地方のほうが圧倒的に住みやすくなることが予想される

コミュニティ構築がしやすく土地の価格が安い地方部においては将来、デジタル化の進展により自動化・工業化が進んだ農業が普及する可能性が高く、専門の農業法人や農家ではなく一般の人でもコミュニティで集まって、ある程度の農業生産を行うことが容易になる

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デジタル化により、どんどん豊かになる地方の可能性が書かれており、未来の生き方、住まい方に興味のある人は、ぜひご一読を。

地方にどんなビジネスの可能性があるのか、未来の都市やコミュニティがどうなるのかについても、ヒントの多い内容です。

ぜひチェックしてみてください。

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『2030年日本の針路』江川昌史、藤井篤之・著 日経BP

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◆目次◆

第1章 地方部が抱える深刻な課題
第2章 首都圏が抱える一極集中の弊害
第3章 AI時代の雇用と地方格差
第4章 地方活性化に向けた一筋の光明
第5章 地方創生を後押しする最新テクノロジー
第6章 地方再興を実現するための7つの提言
第7章 各都市の価値をどうやって向上させるか
第8章 インフラ運営・サービスコストの徹底削減
第9章 地方再興の実現に向けた具体策

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