2020年8月6日

『ニューコンセプト大全』電通Bチーム・著 vol.5571

【電通秘伝のアイデア創出ノウハウ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046043806

本日ご紹介する一冊は、株式会社電通の中に実在する特殊クリエーティブチーム、通称「電通Bチーム」が、時代に合ったコンセプト・アイデアを発想するための「切り口」をまとめた辞書的な一冊。

新規事業、新商品、新名称、新コンセプトを考えるための50のニューコンセプトを事例つきで紹介しており、マーケティングに携わる人にとっては、重宝する内容です。

新しいタグを作る、「偏愛」から新たな商品・サービスを考える、一人のためにプロトタイプを作る、「変な宿題」でクリエイティビティを高める、データを体感させる、「あたりまえメソッド」を活用する、昔流行ったものを「ツイスト改名」するなど、斬新な切り口がいくつも紹介されており、これで1800円(税別)は安い。

出版業界の方なら、「あたりまえメソッド」を使った新書タイトル案(本書170ページ)には、思わずくすっと笑ってしまうに違いありません。

◆あたりまえ新書
『パワーの力』
『人は90%が9割』
『高齢化する老人たち』

電通のクリエイティブチームは、いつもこんなしょうもないことを考えているのかと愛しくなる一方、確かに今すぐ使えるアイデアもあったりして、大いに創造性を刺激されました。

さっそく、本文の中から気になったポイントを赤ペンチェックして行きましょう。

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偏愛は均質化が進む時代の突破口になる

新品のデニムをさまざまなリアルワーカー(農家、漁師、大工など)に1年間履き込んでもらい、それを商品として販売。それぞれの職業特有の表情になったデニムは色落ちや状態によって値付けされ、漁師が履いた定価2万2000円の商品には4万8000円の値が付いた

EONE(イーワン)の時計は、ずれても戻る小さな磁石を採用したモデル。使えるものが限られる視覚障害者の高度な条件下での課題解決をメインに置きながらも、スタイリッシュで斬新なデザインに磨き上げ、価格も3万~4万円と、文字盤を見ずに時間を知りたいビジネスマンにも受け入れられました

「一人称映像」は「体験の共有」欲を最も深く満たす映像スタイル

「泊まれる」という言葉には何か特別な力があるのかもしれない。実際、「泊まれる本屋」「泊まれる道の駅」「泊まれる学校」などなど、普段は泊まることのできない場所に泊まれるようにすることで新しいサービスが生まれています

「1週間が8日に増えたら、その1日何をしますか? 800字以内で書きなさい」

吉祥寺のハモニカ横丁に行くことがあれば、新名物「ハモニカハイ」を頼んでみてほしい。すぐに酔っ払ってしまうかもしれないし、酔っ払わないかもしれない。ハモニカハイは、そのときの政権の支持率によってお酒の濃さが変わる飲み物なのだ

「並」の商品カテゴリーで、「特上」の付加価値と値段をつけて販売数を伸ばしている商品がある

「特上」商品を取り扱うブランドで、「並」の品質・価格設定の商品を投入するケースもある

アナログ+くつろぐ=アナろぐ。

アーカイブから「漏れ」たコンテンツが価値を生む

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個人的にいいと思ったのは、マジックワードを使ってアイデア創出する「マジックワード思考法」と「変な宿題」、「ツイスト改名」、「はだかを見せるデザイン」です。

いずれも現在のトレンドに合ったコンセプトを創出できる仕掛けで、商品・サービス・ブランドをリノベーションしたい企業に役立つと思いました。

もちろん、個人のブランドのためのメソッドもたくさん入っています。

クリエイティブな人間になりたければ、クリエイティブな人間と同じ「問題意識」や「切り口」を身につけること。

電通に体験入社して、複数のクリエイターからトレーニングを受けた気分になれる一冊です。

ぜひ、読んでみてください。

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『ニューコンセプト大全』電通Bチーム・著 KADOKAWA

<Amazon.co.jpで購入する>
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<Kindleで購入する>
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◆目次◆

chapter.1 「個人的」が生むニューコンセプト11
chapter.2 「壁」を越える&壊すニューコンセプト14
chapter.3 「逆」を行くニューコンセプト13
chapter.4 「既存」を最高に生かすニューコンセプト12

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