2020年8月20日

『きっちり!恥ずかしくない!文章が書ける』 前田安正・著 vol.5580

【校閲事業部長が教える】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022620099

先日、知人が某有名企業に職務経歴書を送ったというので、「どれ、見せてみて」といってチェックしたのですが、日本語があまりに酷くて呆然としました。

案の定、しばらく経っても先方からは連絡はないそうです。

いかにビジネスは実力勝負とはいえ、最低限の日本語ができていないと、最初から不利な評価を受けてしまう。

そうならないために大事なのが、中学校の国語文法です。

もし、読者のみなさんが中学校の国語文法をサボってしまった、という自覚をお持ちなら、本日の一冊『きっちり!恥ずかしくない!文章が書ける』がおすすめです。

本書は、朝日新聞メディアプロダクション校閲事業部長で、文章コンサルティングファーム「未來交創」の代表取締役、前田安正さんによる文章ノウハウ。

2013年5月にすばる舎から出版された『きっちり!恥ずかしくない!文章が書ける』に加筆修正したもので、日本語の仕組みと助詞の正しい使い方が、丁寧に書かれています。

文章をシンプルにする基本ルールがサンプル文とともにまとめられており、文章が苦手な人でもひと目で正しい文章がわかるよう、構成されています。

さっそく、本文の中から気になったポイントを赤ペンチェックしてみましょう。

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主語が二つ以上の述語を持たないように
例1>
人生で大切なことは、自分自身でなし遂げたいと思うことが見つかるかどうかで、たくさんの本を読むことは重要だ。
改善例>
人生で大切なことは、自分自身でなし遂げたいと思うことが見つかるかどうかだ。そのために、たくさんの本を読むことは重要だ。

述語をしっかり対応させる
例>
このバッターは選球眼がいいので三振とフォアボールをよく選び、打率と本塁打が多いバッターだ。
改善例>
このバッターは選球眼がいい。だから三振が少なく、フォアボールもよく選ぶ(も多い)。打率も高く、加えて本塁打も多い。

過去の描写に現在形を交ぜる
例>
紅葉の奥入瀬に出かけた。木々の葉が赤や黄色に色づいていた。流れる川に紅葉が映えてとても美しかった。旅行の記念に紅葉の落ち葉を1枚拾って持ち帰った。
改善例>
紅葉の奥入瀬に出かけた。木々の葉が赤や黄色に色づいている。流れる川に紅葉が映えてとても美しい。旅行の記念に紅葉の落ち葉を1枚拾って持ち帰った。

格助詞「と」と「に」の役割には、共通する部分があります。しかし「と」には「双方向の感覚」があり、「に」には「一方向の感覚」があります

「より」を使うと「から」より丁寧なイメージも出てくるようです。
・ご予約は、お二人様より承っております。
・ご予約は、お二人様から承っております。

X頭をかしげる
○首をかしげる

Xあわや終電に間に合った
○あわや終電に間に合わないところだった

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主語と述語をしっかり対応させる、書き出しに前置きを書かない、同じ意味の言葉を繰り返さない、などの基本ルールは、著者の方でもできていない方が多いので、ぜひ押さえておきたいところ。

知っておきたい基本ルールがコンパクトにまとまっているので、短い時間で文章の基本がマスターできます。

助詞が苦手、という方は3章にまとめられているので、ここだけ読んでも役立つでしょう。

ぜひチェックしてみてください。

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『きっちり!恥ずかしくない!文章が書ける』
前田安正・著 朝日新聞出版

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022620099/

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◆目次◆

第1章 言葉や文を正しく対応させる
第2章 分かりやすく、読みやすい文章の特徴
第3章 「てにをは」を正しく使って書こう
第4章 日本語の正しい書き方を覚える
巻末
まず、書いてみよう
起承転結の作り方

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