2020年5月29日

『小さな会社ランチェスター式「儲ける戦略」』 栢野克己・著 竹田陽一・監修 vol.5524

【中小零細企業必読】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4774792101

本日ご紹介する一冊は、中小零細企業向けコンサルタントとして絶大な人気を誇る著者、栢野克己氏による待望の新刊。

自身が主宰する「九州ベンチャー大学」「東京ベンチャー大学」でのゲスト講演を文字起こししたもので、以下の計5名がオムニバス形式で登場します。

・福岡の中洲専門で不動産業を営む福一不動産の古川隆社長
・「博多とよ唐亭」を40店舗展開する豊永憲司社長
・「社長通信」で稼ぐ蒲池崇社長
・ダサい「のぼり旗」で九州エリアNo.1の山本啓一社長
・子供向けスポーツスクールで売上高55億円、正社員数780名を誇るリーフラスの伊藤清隆社長

それぞれの商売遍歴と苦労話、逆転の戦略・戦術を語っており、そのぶっちゃけぶりと具体的な内容が魅力的です。

体験談中心の内容ですが、体系的なものを求める方のために、第1章に「竹田ランチェスター戦略のポイント」、巻末に監修者竹田陽一氏による「中小企業の成功戦略13ヶ条」「成功するビジネスマンの時間心得」がまとめられています。

著者、栢野克己さんの雑談が好きな人のために「栢野のコラム」も用意されているので、ファンの方はこちらを読むといいでしょう。

なかでも注目は、「博多とよ唐亭」の豊永憲司社長の戦略で、実際ここだけページ数が異様に多くなっています(笑)。

リーフラスの伊藤清隆社長の採用戦略も、個人的には面白いと思いました。同様の業界が他にもあったら狙い目ですよね。

それではさっそく、本文の中から気になったポイントを赤ペンチェックしてみましょう。

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【福一不動産 古川隆社長】

「移動時間はムダだ」
「見込み客との接触時間が大事」
※竹田陽一氏のテープより

友達10人くらいに相談をしましたが、「お前バカか?不動産屋が半径500メートルでやれるわけがなかろうもん」と。ホント、みんな呆れてました。ふと地域の分析をしたんです。地図を広げて、事務所を中心にコンパスで円を引いて、半径500メートルの不動産市場を計算しました。中洲の飲食店舗が2300店で、近隣のオフィスや住宅も含めると約6000軒。するとザッと年間30億円! 賃貸仲介手数料で。3分の1でも年商10億円。ハウスメーカーやマンションデベロッパーに比べれば大した売上じゃないですが、賃貸のみなら福岡市でトップ5に入る

見込み客に5回会う

3日以内に5カウントを実行

【「博多とよ唐亭」豊永憲司社長】

職人気質の業界は狙い目

入ってくるお金って限られてるじゃないですか。月末に50万円入って来る。この50万円をいかに、金を産むところにいかに当て込んでいくか。その時は全部払うのは無理なんで。例えば、家賃はほっとけばいい。払えと言われたらグズグズ言って引き伸ばそう。てな感じ。こうして資金繰り、効率的な資金の使い方を学びました。お金を産まないとこは後回しと。迷惑かけましたが。笑笑

焼き鳥より利用頻度が高いものって考えた時、僕、弁当って思いついたんです

うちはメニュー二つしかないんです。唐揚げ弁当、チキンてりマヨ弁当。これどっちも同じ唐揚げなんですね。味付けが違うだけで、要は唐揚げなんですよ

みんな屋号を出したがるんです。でも屋号ってあんまり意味ないと思うんです。お客さんはこの店が何々亭とか、店名とかロゴとか基本的には興味ないと思うんですよ。何を売ってるお店なのか、あんたは何が得意なの?何が売りなの?安いのか高いのか。高級なお店かチープなお店か。自分の財布で行けるのか?っていうのがたぶん、お客さんが一番興味があると思うんですね。だから最初の頃,ウチが作った看板ってお店の名前すら入ってないんです。「げんこつ唐揚げ弁当330円」これがお店の看板なんです

もともと設計もやってたんで、厨房の設計は一歩単位で考えています。狭いお店ですけど、一つの作業から次の作業に移るのにそこが何歩なのか。何秒なのか。そこからしっかり考えています

【リーフラス 伊藤清隆社長】
塾の先生は出しても5人から6人しか来ないのに、なんでスポーツの先生だと二千人とか来るの?(中略)よくよく考えてみたら、そーゆースポーツの先生で正社員、子供を教えるスポーツの先生で正社員っていうのはあんまりなかったみたいで。ドーッと来て

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講演会での肉声をそのままに、と言えばカッコいいのですが、編集的には少々手抜きの感が否めません(笑)。

最初は読みづらく、だんだん慣れると味が出るのは事実ですが、もうちょっと手を入れて欲しかったというのが本音です。

とはいえ、中小零細企業の経営に携わる人にとっては、実践的で役立つのは間違いありません。

これから起業する人にとっては、どんなビジネスをどんな考え方で始めればいいか、良いヒントになると思います。

ぜひ読んでみてください。

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『小さな会社ランチェスター式「儲ける戦略」』
栢野克己・著 竹田陽一・監修 コスミック出版

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4774792101/

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◆目次◆

はじめに
第1章 会社の倒産で独立も3年は給与ゼロの「逆転人生」
◎半径500mで粗利2億。ランチェスター式「儲ける戦略」
第2章 事業失敗・借金・夜逃げから「逆転人生」
◎「唐揚げ弁当」で九州一から日本一へ「儲ける戦略」
第3章 起業に失敗。相談した師匠の喝!で「逆転人生」
◎「社長通信」でオンリーワン「儲ける戦略」
第4章 月給50円のお笑い芸人から「逆転人生」
◎ダサい「のぼり旗」で九州No.1「儲ける戦略」
第5章 サラリーマンを左遷とクビ!で「逆転人生」
◎子供向けスポーツスクールでNo.1「儲ける戦略」
おわりに

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