2020年4月17日

『孤独を生き抜く哲学』小川仁志・著 vol.5498

【孤独を強さに変える哲学の教え】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309249574

現在、新型コロナウイルスの影響で、一人ぼっちの人は多いと思いますが、本好き/哲学好きの人は、まったく気にしていないのではないかと推察します。

なぜなら本好きは基本孤独だし、哲学は孤独と向き合う思考法を教えてくれるから。

大事なことは状況ではなく、それを自分がどう捉えるかなのです。

本日ご紹介する一冊は、京都大学、伊藤忠商事を経て哲学者になった山口大学教授の小川仁志さんが、孤独を生き抜くための哲学を説いた一冊。

自身、エリート街道を逸れてフリーターからひきこもりになったという著者が、どうやって哲学の力でどん底から抜け出したか、個人的エピソードと哲学のレッスンを説いています。

三木清、エリック・ホッファー、パスカル、ヒルティ、ニーチェ、老子、エーリッヒ・フロム、ラッセル…などの哲学者たちがどう孤独を捉えたか、名著の引用を紹介しながら解説しています。

孤独の意義や捉え方を学ぶうちに、孤独の良さがだんだんわかってくる、そんな内容です。

さっそく、本書の中から気になったポイントを赤ペンチェックして行きましょう。

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本当の幸福は孤独の中でしか得られない

孤独は共感と絶望の間に存在する中間的な状態

一人で過ごす時間を余儀なくされるいま、それを孤独だと思わなければいいのではないでしょうか

お金持ちになるには時間に追われていてはいけないのです

自分の時間がないというのは、自分が考える時間がないということであり、ひいては自分らしく生きることができないことを意味します

無理に理想を求めないから幸福になれる

真の心の落ち着きは、孤独によってしかもたらされ得ない

リラックスして楽しく騒ぐだけがいい人生ではないのです

なぜ彼らが孤独によって天才になり得たのか? それは、孤独になることによって、自分の中に「もう一人の自分」を生み出し、その自分と向き合うからだといいます

賢くなれるかどうかは、本当は頭の良しあしではないように思います。自分で考える時間をとっているかどうかです

孤独は山になく、街にある。一人の人間にあるのでなく、大勢の人間の「間」にあるのである。孤独は「間」にあるものとして空間の如きものである。「真空の恐怖」ーーそれは物質のものでなくて人間のものである。(『人生論ノート』三木清)

もし、自分の足で立てないという理由で、誰か他人にしがみつくとしたら、その相手は命の恩人にはなりうるかもしれないが、二人の関係は愛の関係ではない。逆説的ではあるが、一人でいられる能力こそ、愛する能力の前提条件なのだ。(『愛するということ』エーリッヒ・フロム)

他人は去っていくものです。いつまでも同じ人たちとずっといるわけにはいきません

自分の外ばかりに答えを求めるのではなく、自分の中に答えを求める。そういう態度が魂を自分の中に引き込むことになるのです

孤独な時間を愛さないということは、自由をも愛さないことになる。もっというと、自分を愛さないことになってしまう

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この機会にビジネスや経営を見直したいという経営者、生きることのつらさから逃れたいと考える人、愛に悩む人に特におすすめの内容です。

社会の孤独化傾向が避けられないのなら、せめて自分の捉え方を見直してみたい。

愛に逃げるのではなく、孤独と向き合い、その先にある自由を楽しむために、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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『孤独を生き抜く哲学』小川仁志・著 河出書房新社

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◆目次◆

はじめに
第1章 誰もが孤独を生きている
第2章 哲学から孤独を考える
第3章 孤独はなぜいいのか?(7つの効用)
第4章 孤独の達人に学ぶ
第5章 ポジティブな孤独のレッスン(7つのステップ)
おわりに
主な参考文献

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