2020年3月13日

『金持ちだけが持つ超発想』 藤田田・著 vol.5474


http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4584139091

本日ご紹介する一冊は、日本マクドナルドの創業者で、商売の天才だった藤田田による名著の復刻版。

※参考:『頭のいい奴のマネをしろ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4584139083/

シリーズ累計307刷、97万部のベストセラーをまとめて復刊したうちの一冊ですが、それぞれの本に違うビジネスアイデアがきちんと紹介されているから頭が下がります。

何より驚くのは、本書が1983年に書かれているということ。

本書で紹介されているビジネスアイデアは、これからやっても結果が出るでしょうし、凋落しつつあるテレビや自動車などの産業は、本書で氏が紹介したアイデアを、いまだ実現できていません。

政治も同じです。

本書で書かれた「富国楽民」のコンセプトや、「発汗産業」というアイデア、話しかけるテレビ、○△x式の信号機などは、これからでも実行可能です。

時代を見る目、ビジネスの潮流を捉える視点、現場で金儲けに直結する言葉のテクニック…。

どれをとっても、藤田田という人は、商売の天才だったのだということがわかります。

言葉遣いが下品で敬遠されることもある方ですが、じつは社員のために病院のベッドを確保していたり、奥様の誕生日に花を届けたり、社員の誕生日を公休にしたり、情の人でもあったことが伝わります。

本書の中から、いくつか気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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これ以上、モノはいらないから、一次産業や二次産業ではダメで、残されているものは三次産業しかない。つまりサービス産業である。ところが、サービス産業というと、猫も杓子もレストラン、レストランと、レストラン産業に殺到する。だから、たちまちのうちに、第三次産業の中の外食産業は、飽和状態に達してしまった

次の第三次産業。それは、発汗産業なのだ

GDPが大きくなると、国が豊かになるのではなく、時間不足時代になる。文明が進めば進むほど、生活は複雑化し、現代人は時間が不足してしまう。これからの事業は、時間を節約することを考えたものが、かならず成功する

アメリカ生まれのものを日本で磨きをかけ、アメリカに逆輸出する。商売の儲けるコツはこういったところにある

テレビは“見る”だけのもの、と思っていたのでは、こういった発想は出てこない。テレビに“話しかける”ようにさせれば、立派に商売に活用できるのである

明治維新以後、日本のモットーは“富国強兵”であった。しかし、今や時代は変わった。これからは“富国楽民”の政策をとるべきである

人口が80万人ふえていることは、毎年、150万人が新たに生まれ、70万人が死んでいっているということである。死んでいく70万人は、パン食になじまない米一辺倒の古い時代の人が大半である。ハンバーガーの客にはなりえない人たちだ。ところが、生まれてくる150万人は、米もパンも食べたことのない者だ。この150万人に、生まれたときからハンバーガーの味を覚えさせれば、喜んでハンバーガーを食べるハンバーガー党になる。死んでいく70万人に用はないが、生まれてくる150万人は大切にしなければならない

死んでいく連中を相手にするようなビジネスは先細りで、将来性はまるでない

10年後に爆発的に売れるものは、現在のレストランのメニューの中にあるものだ

海水浴シーズンの海の家のように、ある時期だけ商売をするものが、もっとあってもいい

「日本語というのは、3音か5音か7音で成立している。3音か5音か7音で音が切れない“マルダーナルズ”では、日本人には受けない。日本で事業をしたいのなら、3音で切れる“マクド/ナルド”にすべきだ」そう主張した

売りたいネクタイを「この3本の中ではこれが一番上品です」というのだ(中略)人間は「上品です」という言葉に弱い

マクドナルドには、アルコール類はいっさい置いていない。従業員のために置かないのだ。アルコールを置くと、どうしても酔った客が従業員にからんだり、ふざけたりする。そうすると、きれいで朗らかな、いい従業員が集まらない

正直なところ、うどん屋はこわい。ところが、1300年の歴史にアグラをかいているうどん屋は、まったく宣伝はしない(中略)私はうどん屋で、うどんのおつゆの一番うまい温度は何度か、とたずねてみたことがある。ところが、うどん屋は、何度だ、とも答えられなかった

高い税金が日本をダメにする

現代人は自分が参加できるものに興味をもつのである

私は日本の自動車メーカーが一致団結して信号機を赤黄青から○△x式にする運動をなぜ起こそうとしないのか、不思議でならない

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さすがは商売の天才、藤田田。

いま読んでも、じつに先進的なアイデアが散りばめられており、5年前に書かれた本と言っても信じる人がいるかもしれないぐらい、斬新です。

いまの日本の衰退ぶりは、政治家、財界が彼の真意をきちんと理解し、実行しなかったから起こっているのだと思わざるを得ませんでした。(丸亀製麺とライザップは本書を読んで実行した可能性があります)

一発屋の後づけ理論や、心構えばかりの本があふれるなか、儲けに直結するアイデア・ヒントが満載の一冊です。

ちょっと下品な著者特有の言葉遣いに目をつぶれば、こんなに使える本もありません。

ぜひ読んでみてください。

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『金持ちだけが持つ超発想』
藤田田・著 KKベストセラーズ

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◆目次◆

第1章 金儲けはデコボコ道への挑戦だ
第2章 マクドナルド・ハンバーガーは文化だ
第3章 よく働く社員は宝だ
第4章 黙っていては出世できない
第5章 私は頭で天下を取った
第6章 こんな発想があなたにできるか

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