2020年2月17日

『直観を磨く 深く考える七つの技法』田坂広志・著 vol.5456

【「深い思考」を手に入れるには】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4065187958

仕事で成果を出すには、いかに芯を食った問題発見・問題解決をするか。

問題の核心をズバリ突き、誰もが想像しなかったアイデアで複雑な問題を説く人を、われわれは尊敬します。

もちろん、アイデアが机上の空論ではいけません。提案するアイデアが現場でも驚くほど上手く行き、時間が経っても問題を起こさないばかりか、副次的な効果も生み出し、後になっても「やって良かった」と言われる。

ビジネスパーソンなら、そんな「直観力」のある人材を目指したいものです。

本日ご紹介する一冊は、シンクタンク・ソフィアバンクの代表で、08年世界経済フォーラム(ダボス会議)のGlobalAgenda Councilメンバー、10年世界賢人会議ブダペスト・クラブの日本代表、11年内閣官房参与を歴任した、日本を代表する賢人、田坂広志さんによる直観力の磨き方。

「深く考える七つの技法」ということで、以下の思考法が提案されています。

1.直線論理だけで考えない
2.二項対立構造で考えない
3.個別問題だけを考えない
4.狭い視野の中で考えない
5.文献知識だけで考えない
6.自己視点だけで考えない
7.直観の力を用いて考える

なるほど、「勉強はできるが現場ではからきし…」な人の理由がよくわかる内容です。

深い思考を手に入れたい方には、きっと良いヒントになると思います。

さっそく、気になる部分を赤ペンチェックして行きましょう。

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解決困難な問題の多くは「循環構造」をしている

「循環構造」の問題に対して、「直線論理」の思考法で対処すると何が起こるのか。「循環構造」の切断による恣意的な「因果関係」の判断が起こってしまう

循環構造の「ツボ」を見出し、そこに働きかける

「二項対立」で考えるのではなく、「対立止揚」で考える

「論理思考」とは、基本的に「二項対立」的な思考である

成熟した思考は「正・反・合」のプロセスをたどる

橋のデザインを考えるのではなく、河の渡り方を考える

このチームが問題の解決に行き詰まっているとき、ある人物のアイデアが、この問題を見事に解決したのである。それは、「エレベータのドアの横に『鏡』を置く」という解決策であった。そして、この解決策を実行することによって、人々は、エレベータを待っている時間を、自身の身だしなみを整える、自分のファッションを確認するなどに使えるため、待ち時間を苦にすることは無くなり、不満は見事に解消されたのである

我々は、いつも、問題解決の鍵を、「最先端の技術」や「革新的な制度」に求める傾向があるが、しばしば、その解決のための本当の鍵は、「人間心理の機微」にある

複雑なものには、生命が宿る

「深く大きな問い」は磁石となって必要な知識を引き寄せる

ある専門分野の「基本概念」や「基本思想」、「基本問題」や「先端問題」について学ぶとき、良い指針になるのは、やはり「○○学概論」や「□□学序説」といった表題の書籍である

本で読んだ知識ではなく、体験から掴んだ智恵で考える

現在の我が国の教育制度は、生徒や学生に「文献知」の学び方は教えているが、「体験知」の掴み方を教えていない

「自己視点」で考えるのではなく、「他者視点」で考え、さらには、「多重人格視点」で考える

我々の多くは、「自分は直観力が無い」「自分は記憶力が無い」という無意識の「自己限定」をしてしまっている。そのため、この「自己限定」が、我々の力の発揮を妨げ、ときに、無残なほど萎縮させてしまっている

「自分は、大いなる何かと繋がっている」
「自分は、大いなる何かに導かれている」
という感覚は、自然に、ある種の「全能感」=「自分は無限の力を持っているという感覚」に結びついていく

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全部で3部構成になっており、

第一部 深く考えるための「七つの思考法」
第二部 「賢明なもう一人の自分」と対話する「七つの技法」
第三部 「賢明なもう一人の自分」が現れる「七つの身体的技法」

が紹介されています。

第一部の後半には、自己限定をせずに無限に伸びていける人の思考法が書かれており、自分に自身がない、時々自信喪失してしまうという方に、とくにオススメです。

第三部 「賢明なもう一人の自分」が現れる「七つの身体的技法」は、特にアイデアを創出したい方、執筆業に携わる方にとって参考になるでしょう。

ぜひ読んでみてください。

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『直観を磨く 深く考える七つの技法』田坂広志・著 講談社

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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B084G2CKV8/

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◆目次◆

序 話 直観と論理が融合したとき、最高の思考力が生まれる
第一部 深く考えるための「七つの思考法」
第二部 「賢明なもう一人の自分」と対話する「七つの技法」
第三部 「賢明なもう一人の自分」が現れる「七つの身体的技法」

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