2020年2月5日

『ホームページの値段が「130万円」と言われたんですが、これって相場でしょうか?』 竹内謙礼・著 vol.5449


http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4297111071

本日ご紹介する一冊は、ネットショップに強い経営コンサルタントの竹内謙礼さんが、料金不透明なホームページ業界の料金相場を調べ上げた労作。

きっかけは、「はじめに」にあるように、著者が友人から「友達価格で」ホームページリニューアルを130万円で提示されたこと。

<「130万円」は、本当に友達価格だったのか? それとも、友達だと思っているのは自分だけで、高い料金なのだろうか?>

著者の疑問を解消する形で、現在のホームページ集客の現実と、そこで働く人々の実態、料金相場、上手いやり方が明らかにされていきます。

今流行の動画コンテンツに関する考察もあり、ぜひ読んでおきたいところ。

「130万円」のオファーによって、著者の友情が破壊されるのか、そうでないのかが、「おわりに」で明らかにされるのですが、この結論が意外かそうでないかによって、読者が自分の知識をアップデートできているのかそうでないかがわかると思います。

30万円でホームページができる時代は、もうとうに終わっているのですね。

不透明な業界で、賢い買い物をするために、読んでおいて損はない一冊です。

さっそく本書のなかから、気になるポイントをチェックしてみたいと思います。

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ネット業界は自動車業界のように「知っている人」が少ないために、競争が起こりにくく、人件費が高騰したまま、定価が不安定になってしまっているのである

担当者の態度が大きかったり、打ち合わせの段階でいろいろ注文をつけてきたりする面倒なクライアントに対しては、「この仕事はストレスが多そうだから高めの見積もりを出そう」と、相場より高い料金を提示する。そもそもネットを「知っている人」は仕事には困っていないので、やりたくない仕事は無理して引き受けないのである

最近は“少し”ネットを知っているだけでは、まったく歯が立たなくなってきている。フェイスブックやインスタグラムなどのSNSを活用してファン顧客を作らなくてはいけないし、動画を使ったコンテンツも充実させなくてはいけない。さらに、PCサイトだけではなく、スマホサイトも作り込まなくてはいけないので、ホームページの制作費は昔に比べて2倍、3倍と跳ね上がってしまった。SEOは以前にも増して手間と時間がかかるようになり、リスティング広告も個人で運用するには手に負えないほど仕事量が増えてしまっている

悪い条件で採用しようとするから、スキルの低い人材が集まってしまう

社内で「これはおかしいのではないか?」と異論が上がっても、担当者は完全否定で反論する。なぜならば、ここで社内の人たちに論破されてしまうと、ネットを
「知っている人」として採用された自分の立場が危うくなってしまうからである

オーダーメイドの仕事は価格が不透明になりやすい

ホームページは投資した金額に対して、見合う価値を発揮できるかどうかを見極めることが重要

ホームページをリニューアルしていい条件は次の3点となる。
1.アクセス数を増やす施策がある
2.使い勝手をよくする施策がある
3.イメージアップができる施策がある

制作費に加えて、毎月の運営費に投資する体力のない中小企業であれば、アクセス数を増やすという施策を実行することが不可能になるので、リニューアルは考え直したほうがいい

「100万円ぐらい」の予算が最も中途半端で、使いにくいものになる可能性が高い

保守管理費用をきちんと確認すれば、1~5万円の節約になることも

月々10万円以下のSEO費用では検索順位をコントロールすることはできない

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業界の人材難の話、デキる人材の本音、社内に意外な敵がいる話など、生々しい話がたくさん書かれていて、なるほどと思いました。

50万円の予算で、集客を丸投げできるなんていうのは、本当に過去の話なんですね。

自社のネット集客を見直すために、またホームページ運営コストを削減するために、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

ぜひ、チェックしてみてください。

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『ホームページの値段が「130万円」と言われたんですが、これって相場でしょうか?』
竹内謙礼・著 技術評論社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4297111071/

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0845TC3XV/

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◆目次◆

第1章 なぜ、ネット業界の相場はわかりにくいのか
第2章 ネットでお金を払って「いいモノ」「悪いモノ」
第3章 ホームページ制作費の相場を検証する
第4章 SNS、ブログ執筆、動画コンテンツ制作……なんとかお安くできないのか?
第5章 SEOとリスティング広告の相場はいくらなのか?
第6章 正社員、フリーランス、コンサルタント……得なのは?
第7章 利益を出すためのネットショップ運営コストを考える

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