2019年7月30日

『天才はあきらめた』山里亮太・著 Vol.5325

【「才能がない」人の成功する思考術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022619368

完全に紹介するタイミングを逸した感があり、しかもその後の吉本興業の騒動…。

とはいえ、読んで面白かったので、ご紹介することにします(苦笑)。

本日ご紹介する一冊は、漫才コンビ「南海キャンディーズ」のツッコミ担当であり、先日、蒼井優さんと結婚を発表した、通称「山ちゃん」による自己啓発本。

ビジネス書マニアの方なら、経営コンサルタント神田昌典さんの名著『非常識な成功法則』をご存知だと思いますが、あんな感じで、読者に「劣等感」のガソリンを注いでくれる内容です。

※参考:『非常識な成功法則』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894514656/

もともと、2006年に出ていた『天才になりたい』を改題し、大幅加筆修正したものだそうですが、じつによく売れています。

著者は、「はじめに」で、こう書いています。

<自分を「頑張れなくさせるもの」を振り切って、全力で走れ!
そんなものからは、逃げて逃げて逃げまくれ!
そのためのガソリンとして、自分が味わった苦しい感情を全部使え!
嫌いな奴を燃料にして、脳内で圧倒的な勝利を掴め!
今日も僕は、勝手に認定した敵やライバルを脳内で燃料にして走り続けている>

ここだけ読むと、なんだかはあちゅうさんの文章のようですが(笑)、要するに劣等感や敵をすべてエネルギーに変えて、凡人なりの成功戦略を立てよ、という内容です。

成功するためには、時に負のエネルギーを利用することも大事。

自分にもこんな気持ちがあったことを思い出しました。

さっそく、ポイントをチェックして行きましょう。

———————————————–

天才はあきらめた。だけどその瞬間、醜い感情は一気に自分の味方になった

努力は、そのご褒美に必ずいろいろな景色を見せてくれる

自分を「頑張れなくさせるもの」を振り切って、全力で走れ!
そんなものからは、逃げて逃げて逃げまくれ!
そのためのガソリンとして、自分が味わった苦しい感情を全部使え!
嫌いな奴を燃料にして、脳内で圧倒的な勝利を掴め!
今日も僕は、勝手に認定した敵やライバルを脳内で燃料にして走り続けている

「何者かになりたい」という目標を掲げると挫折が早くに来る。だからこそ手前、もっと手前……そしてたどり着いたのが「モテるために」だった。四の五の言ってるが、モテたかったのは紛れもない事実なので非常に合理的な中間ゴールが設定できた。そして目標は、モテるために芸人になる、に決めた

「あんたすごいねぇ。他の子みたいにお金かけてるわけじゃないのに勝負できるなんて、偉い」母ちゃんは、信じられないところから褒め言葉を持ってくる。学校でも、僕がめちゃくちゃ怒られているところを見て「反省してる感じ出すのうまいねぇ」という褒め言葉で引き取っていってくれたときもあった

ずっとおもしろいと思っていたなめちゃんからの「時々おもしろいから」というお墨付きを最大限に評価して、僕はお笑いを目指すことにした。あとはその「時々」を思い出して、それを噛みしめて、自分がおもしろい人間なんだと思い込ませていく作業をする

「亮太、見てみぃ。あんだけ人おんねんから、モノ好きな可愛い子おるやろ!」

スタートラインって立つのが本当に難しい。いつも立てたと思ったら新しいスタートラインが現れる。そこで躊躇している限り、先に走り出せた人から引き離されていく

誘うときには、ある作戦を使っていた。数冊の使い古したノートを持ってそれを目の前に置き「ネタはいろいろ考えている」というアピールをする。そりゃそうだ。ブサイクな男と組むメリットはそこしかない。何冊もあるノートから1冊ぱらぱらとめくり、びっしりと書き込まれたノートを見てもらって、僕と組むメリットを感じてもらう。これが効いた

僕は才能がない。でも、そんな僕にある才能を見つけた。それは人に会う運がいいということだった

おもしろいと言われたい。その感情がいつしか「おもしろくないと思われたくない」というものに変わっていた。足元は真っ暗だった

彼が言われたら一番困る言葉であり、一番言われたい言葉をもう一度言おう。「山里亮太は天才である」天才とは、尽きない劣等感と尽きない愛のことなのだから(若林正恭)

———————————————–

著者が自分の醜い部分も隠さず伝えていることで、読者には相当刺さる部分があるのではないかと思います。

売れる人は、売れない時と売れた時で、二度苦しむわけですが、本書にはその辺の苦しさがよく書かれています。

そして、感銘を受けたのは、最後の若林正恭さんによる解説、「ぼくが一番潰したい男のこと」にある、以下の言葉。

<天才とは、尽きない劣等感と尽きない愛のことなのだから>

これから成功を目指す若い人にぜひ、読んでいただきたい一冊です。

———————————————–

『天才はあきらめた』山里亮太・著 朝日新聞出版

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022619368/

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07HKH4953/

———————————————–
◆目次◆

第1章 「何者か」になりたい
第2章 スタートライン
第3章 焦り
第4章 有頂天、そしてどん底
終章 泣きたい夜を越えて

この書評に関連度が高い書評

この書籍に関するTwitterでのコメント

同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー