2019年6月7日

『リッツ・カールトン 最高の組織をゼロからつくる方法』ホルスト・シュルツ、ディーン・メリル・著 御立英史・訳 vol.5289

【ジム・コリンズ絶賛】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478107424

本日ご紹介する一冊は、世界を代表するラグジュアリーホテルチェーン「リッツ・か─ルトン」を創った共同創業者にして初代社長、ホルスト・シュルツによる、珠玉の一冊。

土井の言葉を使うより、巻末にある著名人たちの賛辞から、「まさに本書の価値を表している」と土井が考える部分を引用しましょう。

「ホルスト・シュルツは、全人類にとってモデルとなるサービスの文化を創造した」(ジム・コリンズ)

「ホルスト・シュルツは誰もが認める世界屈指のホテリエだが、その影響力はホスピタリティ業界の枠をはるかに越えて広がっている(中略)本書はカスタマーサービスの教えが刻まれたロゼッタ・ストーンだ。最高の組織を目指すリーダーにとって、これほど価値のある本はないだろう」(ティム・アーウィン博士)

「感動的なストーリーと現場の知恵を収めた本書は、読者を成功へと導くロードマップと言ってよい」(ケイ・C・ジェームズ)

<ホテルで働きたいなどというのは、当時のその地方の感覚では、道路掃除かゴミ集めで暮らしを立てたいと言っているのも同然だった>という時代に、親に反対されても貫いた夢。

それを著者がどう実現して行ったのか、そこにも感動のポイントがあります。

著者が創り出した強力なホスピタリティ哲学、従業員が誇りを持ち、自ら進んで動くマネジメント、そしてリッツ・カールトンが起こしてきた数々の感動物語…。

これらをまとめて読める本書には、当然、1600円(+税)以上の価値があります。

さっそく、いくつかポイントをチェックして行きましょう。

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何を書けばよいかわからなかった私は、夜、部屋であれこれ考えた末に、ツァイトラーさんのことを書くことにした。(中略)書きながら、彼が自分自身を「真の紳士」と自負していたことを思い出した。私は「紳士淑女にサービスする紳士淑女」という表現を思いつき、その言葉を使って作文の終わりのほうにこんなことを書いた──私たちに教えてくれたメートル・ドテルのように、私たちも一人の紳士、一人の淑女としての誇りを持って仕事に取り組むことができる。私たちはサービス業界のドアの陰でゲストにかしずく召使いではない。紳士・淑女と呼ばれるに値する存在になれば、私たちは誇りあるアイデンティティを持つことができるだろう。その作文はA評価を受けた! 後にも先にも、生涯で獲得した唯一のA評価だ

ほとんどの友人は、タクシーをつかまえてエンパイア・ステート・ビルやマディソン・スクエア・ガーデン、あるいは自由の女神像などの見物に行ったが、私の目的地リストのいちばん上には、有名なウォルドーフ・アストリア・ホテルの名前があった

おそらくいちばん確認すべきことはこれだ──お客様はあなたの製品やサービスを、友人や知人にすすめようと思ってくれるだろうか?

◆お客様が望んでいる3つのこと
1.欠陥のない製品やサービス
2.待たされないタイムリーな対応
3.親切で思いやりのある対応

たとえば、あなたが医者だとしよう。患者が医者を訪ねるのは、当然、病気やケガを治療してほしいと願ってのことだ。だが、絶対にそれがすべてでもないはずだ。癒しは、棚に並んだ薬だけからもたらされるものではない。患者は医師や看護師に、いや受付係にさえ、自分の話を聞いてほしいと願っている。誰かに、思いやりのある態度で話を聞いてもらいたいのだ

自分の仕事をストップしてでも仲間の仕事を助ける

最初の危険信号は、「彼ら」という代名詞だ。この言葉が使われるとき、部門間や上下間の連携がスムーズにいっていないことが露呈する。(中略)危険信号の2つ目は、「それは私の担当ではない」という言葉だ

◆リッツ・カールトン流苦情対応
1.軽く扱わない
2.自分のこととして引き受ける
3.「私が」と言う
4.ゆるしを求める
5.こちらの都合を押しつけない
6.専門知識を誇示しない
7.物取りのための苦情だと思ってはならない

社員から人間的要素を奪ってはいけない

候補者が本心からその仕事を好きではなかったり、違う分野で働きたいと思っていたり、別の街に住みたいと思っているなら、どんなに素晴らしい経歴の持ち主であっても採用してはならない

いちばん大事なことを最初に伝える

人間には二つの基本的な欲求があると、私は考えている。

・目的を持って生きる
・他者と関係を結ぶ

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最近、営業本やサービス本の売れ行きは低調ですが、だからといって、本書の感動を見逃す手はありません。

経営者、リーダーにとっては、リッツ・カールトン内部の掟や教育、マネジメントの実際を学ぶ、良い機会になるでしょう。

優れたチームを創りたいと願うリーダーに、働くことの喜びを感じたいすべての人に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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『リッツ・カールトン 最高の組織をゼロからつくる方法』ホルスト・シュルツ、ディーン・メリル・著
御立英史・訳 ダイヤモンド社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478107424/

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◆目次◆

ケン・ブランチャードによる序文
はじめに あなたが直面しているお客様の課題のために
プロローグ 少年時代の夢から生涯の仕事の法則を見つけた

PartI お客様に接するときの最良の方法
CHAPTER1 お客様の身になって考えることを追究する
CHAPTER2 顧客サービスをすべての社員の仕事にする
CHAPTER3 4つの重要課題に集中する
CHAPTER4 苦情対応に最高レベルの注意を払う
CHAPTER5 お客様の3タイプを熟知する

PartII 組織を磨く日々の努力
CHAPTER6 社員は単なる労働力ではない
CHAPTER7 いちばん大事なことを最初に伝える
CHAPTER8 徹底的に繰り返す
CHAPTER9 部下の心に熱い炎をともす
CHAPTER10 社員と会社の間の壁を乗り越える

PartIII リーダーの本当の仕事
CHAPTER11 どんなリーダーが求められているか
CHAPTER12 なぜビジョンが必要か
CHAPTER13 リーダーは精神論ではうまくいかない
CHAPTER14 仕事への愛と報酬

エピローグ もう一つの話
本書に寄せられた賛辞
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