2019年5月13日

『実験思考』光本勇介・著 vol.5270

【絶対に「買い」です(笑)】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344034635

本日ご紹介する一冊は、即現金化アプリ「CASH」を70億円で売却して話題となった稀代の起業家、光本勇介さんと幻冬舎・箕輪厚介さんによる、壮大な社会実験本。

土井は本書を、紀伊國屋書店梅田店で買ったのですが、まず何が驚いたって、その価格。

単行本なのに「390円(税別)」。

一瞬レジで頭が「は?」と真っ白になりました。

手に取った時は、「随分薄っぺらい本だなあ」と思っていたのが、「390円」にやられて、さらに「価格自由 読者の方がどのくらいこの本に対価を支払ってくださっているか、リアルタイムで見ることができます! 一緒に実験を楽しみましょう!」に驚き。

QRコードからサイトにアクセスして、さらに驚きました。

現在のお支払い総額¥45,916,200、現在のお支払い人数933。
(2019年5月13日21時44分現在)

そしてそこには、

¥0円 感想を送る
¥100 この価格にする
¥500 この価格にする
¥1000 この価格にする
¥1500 通常の本の価格となります。価値を感じていただきありがとうございます!
[特典]お名前をサイトの「Thank You!」欄に載せさせていただきます(希望者のみ)

と書かれてあり、さらに…

¥3000
[特典1]限定インスタグラムのアカウントがフォローできるようになります
[特典2]お名前をサイトの「Thank You!」欄に載せさせていただきます(希望者のみ)

¥5000
[特典1]著者光本勇介と編集者箕輪厚介の対談動画のURLをお送りします
[特典2]限定インスタグラムのアカウントがフォローできるようになります
[特典3]お名前をサイトの「Thank You!」欄に載せさせていただきます(希望者のみ)

から始まり、最後は100万円、500万円、1000万円のプランまであるという。しかも、そのどれもが経営者ならお金を払っていいほど魅力的です(苦笑)。

まさにこの本自体が『実験思考』。これは恐れ入りました。

さらに、当然本文も読んでみましたが、こちらも天才起業家の頭の中の知りたい部分がバッチリ書かれており、読み応え抜群です。

ページ数は少ないものの、じつに充実した内容でした。

さっそく、ポイントをピックアップしてみましょう。

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ぼくにとってすべてのビジネスは「実験」です。自分の考えたアイデアや仮説を「世の中」というビーカーにぶち込んでみる。そこでどんな「火花」が散るのか、「化学反応」が起きるのかを見たいのです

「実験思考」で生きれば、こんなに楽しい時代はありません。変化の時代だからこそ、実験する人にとっては絶好のチャンスなのです

大切なのは「市場選択」と「タイミング」

ぼくがいちばん嫌いなのが、「あのときあれをやっていたら、どうなっていたんだろう?」と後悔すること

「世の中の人たちはこんなにすぐに現金が欲しいんだ」

「モノ」というのは、思っている以上にものすごい価値があります

全力で普通の生活をする。そこで、ふと気づいたことのなかにヒントがあるはず

2017年は「お金の年になる」と思ったので、お金のサービス「CASH」を作りました。(中略)
2018年は「旅行の年」と決めました。そこで旅行のサービス「TRAVEL Now」を作りました。
2019年は「不動産の年」になると思っていて、いまからいろいろ仕込めないかと考えているところです。

時代がこんなに変化しているのに、ずっと同じビジネスモデルやサービスを提供していると、そこでのズレが大きくなったときに、その業界のプレイヤーがガラッと入れ替わるタイミングが来ると思っています。その「ズレが限界に達しそうな業界」をいつも探しているのです

市場選択のときは、その「ズレ」と「市場の大きさ」を見ます

ドメインを「メジャー感」があるものにしておく

査定をしてくれる「価値の翻訳サービス」みたいなものを作りたい

こんなにがんで人が死んでいるのに、1年に1回しか人間ドックに行かないというのは、とてもナンセンス

セキュリティサービスをマス化する

オーダーメイド業界はまだまだ伸びる

ぼくは今後、どんどん「思考停止」の時代になっていくと考えています。よって、「どれだけ思考停止させたまま、サービスを提供できるか」というのはすごく意識しています

人間はどんどんアクションしなくなります。たったワンクリック、検索すらしなくなっていくのです

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「(カラダで返せる)新しい形態の消費者金融」
「新幹線のワゴン販売をオフィスに展開」
「ランチを無料にする実験」

など、本書には著者が考える事業アイデアがたくさん散りばめられており、起業したいと思う人が読めば、価値は390円どころか、かるく3900万円を超えるでしょう。

これだけの本が、紙390円(+税)、電子書籍0円で読めるのだから、これは買わない手はありません。

ちなみに、実験として考えた場合、本書には2つ問題がありました。

ひとつは、集まった金額は純粋に本の価値を表さないということ。オファーされている特典が魅力的過ぎて、集まったお金は、それを含んだ金額になってしまっている点が、残念です。あとは選択肢が多過ぎて、選択するのをやめた方が相当いたんじゃないかと思います。惜しいですね。(『選択の科学』参照)

それにしても、著者の事業アイデア、そしてぶっ飛んだ行動力はすごい。

ひさびさに内容、試みともにワクワクするビジネス書に出合いました。

これは間違いなく「買い」の一冊です。

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『実験思考』光本勇介・著 幻冬舎

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344034635/

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07R221THQ/

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◆目次◆

はじめに すべてのビジネスは「実験」だ
CHAPTER1 ぼくはこんな「実験」をしてきた
CHAPTER2 ぼくの「実験思考」のすべて
CHAPTER3 こんな「実験」がやりたい
おわりに まだまだお金が足りない

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