2018年10月24日

『大島てるの絶対に借りてはいけない物件』 松本晋平・著 大島てる・協力 vol.5141

【不動産で事故物件をつかまないために】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4072919489

先日、台風直撃の日に、名古屋からきた友人をおもてなしした後、一人で新宿・歌舞伎町をうろついていたら、いかがわしいビルの地下で、「大島てるの事故物件ナイト」なるイベントを見つけました。

そう、あの大島てるさん登壇のトークショーです。

大島てるさんは、ちょっと不動産をかじったことのある人なら、当然知っている事故物件の専門家であり、事故物件サイト「大島てる」の主宰者。

そんな大島てるさんが、事故物件のエピソードを語るという、じつにディープなイベントでした。(台風の日なのに、100人近く来ていました)

本日ご紹介する一冊は、そんな大島てるさんが協力して作ったという、事故物件をつかまないための本。

これからオリンピック景気が終わり、不動産が暴落すれば、当然絶好の買い場がやってきますが、そこで事故物件をつかんだのではどうしようもない。

そうならないための、転ばぬ先の杖です。

本書では、どんな物件が事故物件化しやすいのか、不動産屋はどうやって事故物件を隠すのかといったこわーい話を始め、不動産選びのポイント、賢い借り方など、知っておくと便利な不動産の情報をきっちり押さえています。

さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。

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年間3万人の自殺者のうち、約半数が自宅で自殺している

事故物件急増の理由として考えられるのは「孤独死の増加」と「老朽化物件の増加」

「大島てる」に掲載されている事故物件の数は、日本国内だけで1万6000件余り(2014年11月現在)

事故物件の家賃は3~5割引が相場であり、それでも入居者が決まらないことは珍しくない

◆事故物件を見抜くためのポイント
1.周辺の家賃相場よりも3~5割安い
2.定期借家
3.部屋の一部分だけ不自然なリフォームがされている
4.一年以内に物件名が変わっている

定期借家とは、一定の期間で契約が必ず終了する物件のこと。更新不可であるひとり目の家賃のみを安くして、ふたり目以降は告知せずに事故前の価格で貸し出すという事故物件ロンダリングの手段に使われることもある

住宅における自殺は、飛び降りよりも首吊りの方がはるかに多い

飛び降り自殺が多い物件の特徴は、高層かつ部外者でも侵入しやすいことだ

飛び降り自殺は高層建造物が多い都市部ほど多い傾向にある。厚生労働省の発表によれば、大都市における飛び降り自殺の割合は、市部や郡部と比較して2~5倍

女性は男性の2倍近い割合で飛び降り自殺を選ぶ

放火されやすい物件には必ず不用心な燃え種が存在している

ドアの前に古新聞や古雑誌などが置かれていたら格好のターゲット

空き巣はどのような物件を狙うのか? 侵入口として最も多いのは「窓」であり、その侵入手段は「無施錠」と「ガラス破り」が9割近くを占めている

低層階から高層階まで、いずれのケースでも5年以上住んだ場合の流産率は、2年以下の場合に比べて3倍以上。顕著なのは高層階で、6~9階で5年以上暮らした妊婦の流産率は37.5%、10階以上に至ってはなんと42.9%だったのだ

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不動産投資家の目線で書かれていればもっと良かったのですが、そこを差し引いても、読んでいて面白い。

不動産関連企業がスポンサーとなり、すっかり正しい情報が出せなくなったマスコミ情報の100倍は役に立ちます。

不動産は、事故物件化すると、相場から3~5割安くなるそうですから、3000万円のマンションを買っても、軽く1千万円以上の損失。

一生に一度の買い物でしくじらないためにも、ぜひ読んでおいていただきたい一冊です。

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『大島てるの絶対に借りてはいけない物件』
松本晋平・著 大島てる・協力 主婦の友インフォス

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4072919489/

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◆目次◆

第1章 あなたの周りは事故物件だらけ!
第2章 悪徳不動産会社の手口
第3章 欠陥だらけの住宅
第4章 敵は住宅の周りに潜んでいた!
第5章 住めば都なんて大嘘!

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