2018年6月29日

『最高の結果を出すKPIマネジメント』中尾隆一郎・著 vol.5062

【リクルートのKPIマネジメントノウハウ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894519844

今では笑い話ですが、昔、社員に「ベストセラーボーナス」というのを支給していたことがあります。

プロデュース書籍が10万部を越えたら、1万部につき1万円を支給するというもので、当時、一人最大100万円のボーナスを支払いました。

でも、残念なことに、社員のやる気は一向に上がらなかったのです(苦笑)。

なぜ、大金を支払ったのにやる気が上がらなかったのか?

それは、ベストセラーを作る上で、社員が関わる要素があまりに少なかったからです。

要するに当時の土井は、KPIマネジメントがまったくできていなかったのです。

本日ご紹介する一冊は、このKPIマネジメントの仕組みについて、リクルートの元社内講師が解説した一冊。

KPIマネジメントに必要な、KGI、CSFとの関連性もきちんと述べられており、マネジャー向けの内容です。

KGI(Key Goal Indicator)=最終的な目標数値
CSF(Critical Success Factor)=最重要プロセス
KPI(Key Performance Indicator)=最重要プロセスの目標数値

これまでにもたくさんKPIや目標管理の本を読みましたが、本書が一番わかりやすく、実践的だと思いました。

さっそく、ポイントをチェックして行きましょう。

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◆KPIの全体像
KGI(Key Goal Indicator)=最終的な目標数値
CSF(Critical Success Factor)=最重要プロセス
KPI(Key Performance Indicator)=最重要プロセスの目標数値

よくあるダメなケース
・たくさんの数値目標を設定しているケース
・現場でコントロールできない指標をKPIとして設定しているケース
・先行指標ではなく、遅行指標を選択しているケース

KPIマネジメントは、できるだけ旬な、できれば現在、この瞬間の数値把握が重要です

最もシンプルに売上を表現すると。販売数量×平均単価と表現できます。販売数量は「アプローチ量×歩留まり(CVR)」と表現できます

◆売上を上げるための選択肢
(1)アプローチ量を増やす
(2)歩留まり(CVR)を向上させる
(3)価格を上昇させる

受注率=CVRを上げるには「複数案の提案」をすればよいわけです。
この「複数案の提案」こそがCSFです

◆設定したCSFやKPIが正しいかどうかのチェック
(1)整合性 (2)安定性 (3)単純性

そのCSFが変化するとKGIも変化するのか。そしてKPIが達成するとKGIも達成するのかといった整合性を確認

データ入手や加工の日程と他業務がかぶっていないか、そのデータ入手を外部に依存せざるをえないことはないかなど、安定的にデータをアウトプットできるのかを確認します

現場のメンバーがまったく理解できないのでは困ります

KPIが信号だとするならば、1つであることが重要

KPIを分数にする場合は、分母が変数なのは避けた方がよい

営業量を増やしたいときは時間短縮が効果的

◆営業プロセスを短縮する3つの方法
(1)プロセスの省略 (2)プロセスの標準化 (3)業務の分担

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KPIマネジメントの要諦自体は、最初の100ページぐらいでマスターできますので、若手マネジャー向けの教育テキストとしても、威力を発揮すると思います。
(さすが、リクルート内で講師をしていただけありますね)

後半は、どうやってKPIを根付かせるか、運用するか、マーケティングや営業にどう活かすかといった話がメイン。

営業が読んでも、マーケターが読んでも、経営者が読んでも、勉強になる一冊だと思います。

ぜひ読んでみてください。

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『最高の結果を出すKPIマネジメント』中尾隆一郎・著 フォレスト出版

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◆目次◆

はじめに リクルートグループで10年以上教えてきた「KPI講座」
第1章 KPIの基礎知識
第2章 KPIマネジメントを実践するコツ
第3章 KPIマネジメントを実践する前に知っておいてほしい3つのこと
第4章 さまざまなケースから学ぶKPI事例集
第5章 KPIを作ってみよう
おわりに

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