2018年5月11日

『ストレッチ 少ないリソースで思わぬ成果を出す方法』 スコット・ソネンシェイン・著 vol.5027

【ジム・コリンズ絶賛】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4903212645

本日ご紹介する一冊は、ジム・コリンズ、アダム・グラント、ダニエル・ピンクなど、ビジネス界のグルがオススメする、注目の一冊。

著者のスコット・ソネンシェイン氏は、シリコンバレーのスタートアップ企業での勤務経験、AT&T、マイクロソフトなどでの戦略コンサルタント経験等を経て、現在ライス大学教授を務める人物。

本書では、企業・個人双方に当てはまる、成果を出すためのコンセプト「ストレッチ」について述べています。

ストレッチとは、「多くのリソースを望むのではなく、手持ちのリソースの可能性を受け入れ、それを行動の手がかりにする考え方であり、技能」。

最近までムダに広いオフィススペースを構え、売上を上げようとして不必要な事業に手を出していた土井に最も刺さったのは、本書の中のこの言葉です。

<必要のないリソースを追い求めると、すでに手元にあるリソースのポテンシャルを見逃してしまう>

そう、じつはオフィスを1フロアに集約した時、各フロアの収納から出てきたのは、大量の「まだ使える在庫」と、大量の「使用期限を過ぎて使えない在庫」だったのです。

現在はこのうち、「まだ使える在庫」を上手に活用していますが、こんなに長い間、ムダなものを抱えていたのかと、ゾッとしました。

とはいえ、本書は片づけ本ではありません。われわれや組織が、どうすれば「すでにあるもの」だけで成果を上げられる創造性を得られるか、その点を論じた本です。

さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。

———————————————–

隣の芝生にばかり気をとられていては、すでに手元にあるリソースを有効活用できない。悪くすると、「うちには何もない」という考えにとらわれてしまう

フランスの人類学者クロード・レヴィ=ストロースは、ものごとへの取り組み方には二種類あると考えた。ひとつは「エンジニアリング」、もうひとつは「ブリコラージュ(器用仕事。寄せ集めで何かをつくったり、修繕して使ったりすること)だ」

すでに成功を収め、満足しているとき、人は本能的に現状を維持したくなる。リソースの使い方にしても、過去にうまくいったのと同じやり方を踏襲しがちだ。だが、そのあいだに世界は変わりつづける──仕事は進化し、顧客の好みは変化し、ライバルは成長(縮小)し、家族は歳をとり、技術は進歩する。すると、かつては大いに役立ったリソースが急速に価値を失っていく

人は、他人が持っている、または欲しがっているという理由で、自分もそれを手に入れようと夢中になる

銀メダリストは銅メダリストよりも、なしえなかった成果(金メダル獲得)を強調する傾向が強いとわかった

社会的比較は、つねに自分より持てる者と比べることで、創意工夫
によって達成できるはずの多くの成果を見失わせてしまう

通常、人は歳をとるにつれて社会的慣習にからめとられ、何か道具があっても、一般的な用途以外の使い道を思いつけなくなる

ノーリアとグラティによれば、人や資金などのリソースが豊富だと、相応の理由がなくてもそれを使わなければならなくなる。すると、不要な人材を雇い、広大かつ高価なオフィススペースを借りて、むやみやたらにプロジェクトを立ち上げたり、うまくいっていないプロジェクトを続けたりしてしまう

イーサンの考えによると、ワンピースとしてつくられているからといって、必ずしもワンピースとして着なければならないわけではない。彼はハサミを手にすると、ショルダーストラップを切り取り、リボンをあしらって、これを「ピーチコート」と銘打った。売れないワンピースは新しい魅力的な商品に変身し、水着コーナーの花形になった

世の中が生産中心にまわっている時代は、交響曲のように仕事をするのが理にかなっていた。目標は矛盾をなくすことだった。しかし、個人の表現、適応性、創造性が中心の世の中、意外性に満ちた世の中になると、新たな曲調を学ぶ必要が出てくる

———————————————–

本書を読めば、何が自分の創造性ややる気を削いでいるのか、どうすれば発想豊かになれるのか、がわかると思います。

また、変化の激しい時代にわれわれが持つべきキャリア観、姿勢、スキルも学べます。

ぜひチェックしてみてください。

———————————————–

『ストレッチ 少ないリソースで思わぬ成果を出す方法』
スコット・ソネンシェイン・著 三木俊哉・訳

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4903212645/

<楽天ブックスで購入する>
https://bit.ly/2IqQ3dp

———————————————–

◆目次◆

はじめに 私がストレッチに「開眼」するまで
1 ふたつのビール会社の物語 いまあるリソースの価値を知る
2 隣の芝生はなぜ青い? リソースを追い求める「四つの要因」と「弊害」
3 万物に美点あり ストレッチの「四つの要素」と「メリット」
4 いつでも「部外者の視点」を 見方を変えて秀でる方法
5 台本がないほうがうまくいく!? 計画の前に行動せよ
6 「期待」が人を変えていく ポジティブな予言の種をまこう!
7 ミックスせよ! 思わぬ取り合わせの威力
8 見当違いは「ケガ」の元 間違ったストレッチにご用心
9 ストレッチ強化トレーニング 今日から試せる12の方法
おわりに あなたがストレッチに「開眼」する日

この書評に関連度が高い書評

この書籍に関するTwitterでのコメント

同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー