2018年1月17日

『一生使える脳 専門医が教える40代からの新健康常識』 長谷川嘉哉・著 vol.4928

【40代以上必読。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569837441

ビジネス書コーナーは健康本が花盛りですが、知的生産に関わる者にとって、一番知りたいのは、「脳」の健康法。

話す時も書く時も、「あれ、なんだったっけ?」がなく、スラスラと固有名詞が出てくれば、一生食いっぱぐれないからです。

本日ご紹介する一冊は、ベストセラー『親ゆびを刺激すると脳がたちまち若返りだす!』の著者で、認知症専門医の長谷川嘉哉さんが、人生100年時代の『一生使える脳』をテーマに書いた一冊。

※参考:『親ゆびを刺激すると脳がたちまち若返りだす!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763135066/

年を取って「あれ、何だったっけ?」に陥る理由を、ズバリ「ワーキングメモリ」の視点から明らかにし、どうすればスムーズに記憶を引き出すことができるか、具体的な方法をまとめています。

また、<「一生使えない脳」になる、危ない健康習慣>と、「一生使える脳」でいられる健康習慣を対比し、40代、50代で急速に衰えない方法を指南しています。

読んだ内容を忘れないための「A4一枚アウトプット読書法」や、日記による「回想療法」で記憶を整理する方法、運動+デュアルタスク・トレーニングなど、いちいち勉強になります。

頭を使うのと身体を使うのを同時に行う「デュアルタスク」は脳に良いのに、頭を使う作業と頭を使う作業の組み合わせである「マルチタスク」は脳に悪いなんて、初めて知りました。

本書にはまた、アンチエイジングに効果的な理論や食事法、エクササイズ方法も書かれており、プロとして健康やダイエットを指導する方も、ビジネスパーソンも、全員が読むべき内容だと思います。

さっそく、ポイントをチェックして行きましょう。

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ワーキングメモリが同時に処理することのできる情報は意外に少なく、せいぜい五つから七つ前後。しかも、その処理能力は加齢によって衰えていき、五〇代に入る頃には最盛期に比べて三〇%ほど低下するといわれています。だからこそ、ワーキングメモリを効率的に使う方法を身につけていくことが重要になるのです

周りから見て、仕事の早い人、記憶力に優れた人は、飛び抜けて優秀なワーキングメモリを持っているのではなく、一つ一つの作業を素早く終わらせ、ワーキングメモリを解放するコツを掴んでいる

「一〇〇から七を引いてください。そして、引いた数字からまた七を引いてください。これを五回繰り返します」(中略)認知症の患者さんたちは、症状が初期段階であっても五回目の引き算に成功することはほとんどありません。それは知的生産を担うワーキングメモリの働きが低下してしまうからです。「九三」までは問題なくたどり着きますが、「九三」を保持したまま、次の引き算をするという作業がうまくいかないことが多いのです

◆肉体年齢が一〇歳以上変わる四つの健康習慣
一.タバコを吸わないか?
二.アルコールを飲まないか、飲んでも一日二二・八グラム未満であるか?
三.三〇分以上の運動習慣が週に三回以上あるか?
四.体格を表すBMIが一八・五以上三〇未満であるか?

「習慣化によるワーキングメモリの解放」という原則を理解することで、あなたは自分の持っているワーキングメモリを最大限に生かすことができるようになる

◆A4一枚アウトプット読書法
・読んだ日時、場所、天気 ・仕事に役立つと思った情報
・印象に残ったフレーズ ・新鮮だと感じた表現
・読みながら浮かんだ疑問

運動+頭を使う「デュアルタスク・トレーニング」は脳にいい

プロテインスコア満点の卵を食生活に取り入れる

東北大学医学部と歯学部の共同研究によると、健康な高齢者の残存歯数は平均一五本あったのに対し、認知症の高齢者の残存歯数は九本程度だったそうです。つまり、歯が少なくてうまく噛みしめることができないと、噛む回数も減り、認知症になりやすくなるという傾向が見て取れます

「一生使える脳」を支える身体に、ムキムキの筋肉は不要

オススメしたいのが「片足立ち」トレーニング

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身体が老化するメカニズムや、脳が衰えるメカニズムが見事に説明されていて、これ一冊で『一生使える脳』が手に入ると確信しました。

さっそく、「三〇分以上の運動習慣」と「デュアルタスク・トレーニング」、メモ術あたりを取り入れようと思います。

『一生使える脳』の視点からは逆効果の、無駄なボディービルディングや食事法にハマっている人は、本書をしっかり読み込んで、生活習慣を改めることをオススメします。

40代以上の知的生産人は、必読の一冊です。

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『一生使える脳 専門医が教える40代からの新健康常識』
長谷川嘉哉・著 PHP研究所

<Amazon.co.jpで購入する>
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<楽天ブックスで購入する>
http://bit.ly/2B7eGDT

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◆目次◆

はじめに
第一章 一生使える脳、一生使えない脳
第二章 「一生使えない脳」になる前兆は四〇代から現れる
第三章 脳の「ワーキングメモリ」を向上させる生活習慣
第四章 「一生使える脳」を支える身体づくり
第五章 「一生使える脳」を保つ環境整備
おわりに 「一生使える脳」を手に入れるとあなたの未来が変わる
爺ちゃんへの手紙

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