2017年9月25日

『食事のせいで、死なないために[食材別編]』 マイケル・グレガー、ジーン・ストーン・著 神崎朗子・訳 vol.4814

【食事から人生を変える】
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本日ご紹介する一冊は、栄養、食の安全、公衆衛生等について世界中で講演活動を行い、「オプラ・ウィンフリー・ショー」などでも引っ張りだこの医学博士、マイケル・グレガー氏によるベストセラーの待望の邦訳版。

「病気別編」も同時発売されていますが、土井は健康なので、こちらは食指が動かす、まずは予防のために食材別編を手に取りました。

※参考:『食事のせいで、死なないために[病気別編]』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140817208/

<ヴィーガン(極端な菜食主義)のプロパガンダだ>などというレビューもありましたが、食材のことや栄養のことについて、よく書かれていると思います。

どんな食材が病気から身を守るのか、DNA損傷を防ぐのか、どう食事を摂れば太らないのか、最新の知見が書かれています。

乳がん細胞の増殖を半減させる6つの野菜、乳がん細胞の増殖を完全に阻止し、乳がん細胞を死滅させる5つの野菜など、知っていると身を助ける知識が、いくつも紹介されています。

著者は自分で料理もするらしく、それぞれの食材をどう摂れば美味しいか、無理がないか、実践的なアドバイスをしてくれます。

さっそく、気になる内容をチェックしてみましょう。

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ある食品について「これは健康によいですか?」と質問されるたびに、私は決まってこう答える。「なにとくらべて?」たとえば、卵は健康によいと言えるだろうか? オートミールとくらべれば、「ノー」だ。けれども、朝食の皿に卵と一緒に載っているソーセージと比べれば、答えは「イエス」になる

ベーコン、ハム、ホットドッグ、ソーセージ、缶詰肉などについても、ただ「控える」ようにとは言っていない。「がん予防ガイドライン」では、「加工肉は避けること」ときっぱりと述べている

もっとも健康によい食事は、未加工の植物性食品をできるだけ多く摂り、動物性食品と加工食品の摂取量をできるだけ控える食事だ

加工することで食品の健康度がアップする場合もある。たとえばトマトジュースは、トマトの果実をそのまま食べるよりも、抗酸化作用のある赤い色素、リコピンの吸収率が5倍も高くなる

毎日食べるものにくらべたら、特別なときだけ食べるものの影響力は取るに足らない。だから、誕生日のケーキにはどうしてもベーコン風味の食べられるキャンドル(実在の商品!)を灯したい人は、我慢せずに楽しめばいい

健康的な食生活を始めると、味覚は確実に変わっていく

がん予防のための提言のひとつは、全粒穀物や豆類(どちらか、あるいは両方)を毎食摂ることだ

味噌汁は胃がんのリスク上昇にはつながらないことがわかった。塩の発がん作用が、大豆の抗発がん作用によって中和されるようなのだ

じつは世界の多くの国々において、「豆をよく食べる高齢者ほど長生きする」ことがわかっている

ベリー類の摂取量がもっとも多かった人たちは、心血管疾患の死亡リスクがきわめて低い

トマトソースやトマトジュース、ケチャップをいくら摂っても、製造過程でトマトの種は除去されてしまうため、有効成分は摂取できない。したがってトマト製品を選ぶときは、トマトソースやピュレやペーストではなく、ホールトマトやカットトマトなどの缶詰を選ぶとよい

ナッツはたしかにカロリーが高いが、「食の相殺」メカニズム(食べすぎを防ぐ)と、一部分は体に消化吸収されずに排泄されること、そして体の代謝を高めて脂肪を燃焼する効果が組み合わさって、腹回りを引き締めるための頼みの綱となってくれる

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2017年9月22日の日経新聞に、「糖尿病 初の1000万人」という見出しのニュースが載っていましたが、病気になれば、仕事もへっ
たくれもありません。

また、患者が重症になれば、国家に著しい医療費負担をもたらします。

「生産性を上げよう」といって時短に取り組むビジネスマンは多いですが、食事を変えようというビジネスマンはまだまだ少ない。

まずは自分の生産性を上げるために、そしてやがては国全体の生産性を引き上げるために、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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『食事のせいで、死なないために[食材別編]』
マイケル・グレガー、ジーン・ストーン・著 神崎朗子・訳 NHK出版

<Amazon.co.jpで購入する>
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◆目次◆

Introduction もっとも健康によい食材を選び、毎日の食事に取り入れるには
グレガー博士の<毎日の12項目>
1/豆類
2/ベリー類
3/その他の果物
4/アブラナ科の野菜
5/緑色野菜
6/その他の野菜
7/フラックスシード
8/ナッツと種子類
9/ハーブとスパイス
10/全粒穀物
11/飲料
12/運動
Conclusion 食事のせいで、死なないために

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