2017年8月15日

『ボボズ』デイビッド・ブルックス・著 セビル楓・訳 vol.4773

【橘玲推薦!で入手困難に。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334961304

本日の一冊は、橘玲さんの『幸福の「資本」論』で取り上げられて、話題沸騰中の『アメリカ新上流階級 ボボズ』。

既にアマゾンでも入手困難となっており、さらにはこの『ボボズ』の中で紹介された本も入手困難になるという恐ろしい状況になっています。

ボボズとは、資本主義的ブルジョアと、ボヘミアン的カウンターカルチャーが融合したコンセプトで、著者の説明を読むと、こう書かれています。

<この時代に成功する人は、アイデアや感情を商品にすることができる人たちなのだ。彼らは、片足を創造性というボヘミアンの世界につっこみ、片足を野心と世俗的な成功とを求めるブルジョアの領土に踏み入れている、高度に教育のある輩なのである>

本書では、新しい富裕層がどんな価値観を持っていて、どんなものを購入するのか、何がクールなのか、その生態を明らかにしています。

従来型の権威が崩れ、さらに先行き不透明な時代、何を目指せばいいのか、どう生きればいいのか、悩む人は多いと思いますが、このボボズは、目指すモデルとなり得るコンセプトです。

さっそく、気になるポイントをチェックしてみましょう。

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この時代の経済は、オリバー・ストーンのような変人を億万長者にし、ビル・ゲイツのようなものぐさの大学中退者に世界を牛耳らせている

情報化時代の全般的傾向は、教育に対して高い報酬を与え、教育のある者とない者との間の収入のギャップを広げている

五〇年代の最も望ましいカネは、相続したものであった。今日のBOBO体制下では、最良のカネは偶然に生まれたカネである

最も尊敬される職業は、芸術的自己表現と一緒に大金も入ってくるといったものだ。年に一〇〇万ドル稼ぐ小説家は、年に五〇〇〇万ドル稼ぐ銀行家より、はるかに尊敬され、何百万ドルという自社株取得権を持っているソフトウェアのデザイナーの方が、何千万ドルもの株を持っている不動産デベロッパーよりずっと尊敬される

その人の社会的地位を計算するには、本人の本来の価値に反物質主義的態度を掛け合わせればよい

古いウェインでは男鹿、猟犬、家鴨、馬のような狩猟に関係した動物が好まれていた。新しいスタイルのウェインの消費者は、ペンギンとか乳牛、猫や蛙のような平和でユーモラスな動物のイメージを好む

ボヘミアンの最大の目標は、自己の拡張であった

人生はカネや物に捧げるにはあまりにも貴重すぎる

贅沢品に大金をはたくのは俗物だけだ。BOBOは、必要品だけに大金を使う

台所のような実用的な部屋ともなると、もう使うカネは天井知らずだ。BOBOが出現するまで、台所は家の中では卑しめられた場所であった

BOBOたちは、いかにも贅沢そうなけばけばしい所有物を好まない。あたかも相手を感心させようとしているように見えるからだ。彼らは、いまだ大衆に発見されていない、しかし生活をより容易に、またはより興味深いものにする賢明なデザインの珍しい小道具を求める

あらゆる面で、隣人よりもほんのすこしカジュアルでなければならない

最もはっきりと見えるBOBO的精神主義の特徴は、彼らの懐古趣味である

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先日、とある大富豪のご自宅に招かれた時、違和感を感じた理由が、本書を読んでよくわかりました。

ニューヨーク、サンフランシスコに行ったおかげで、ボボズ的価値観についていけていますが、これから世代間で「尊敬されるふるまい/価値観」のギャップが広がってきそうですね。

個人的には、ボボズ的ライフスタイル、試してみたい気になりました。

入手困難ですが、これはオススメの一冊です。

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『ボボズ』デイビッド・ブルックス・著 セビル楓・訳 光文社

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◆目次◆

第1章 新しいエリートの台頭
第2章 消費スタイルの革命
第3章 変貌するビジネス・ライフ
第4章 知的生活
第5章 快楽の哲学
第6章 精神的生活
第7章 政治と彼岸

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