2017年3月2日

『日本3.0 2020年の人生戦略』 佐々木紀彦・著 vol.4607

【NewsPicks編集長が提言する、2020年の人生戦略】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344030621

本日ご紹介する一冊は、NewsPicks編集長、佐々木紀彦さんによる緊急提言。

明治維新と敗戦。70年周期で日本にやってくるという「ガラガラポン革命」が近いうち起き、日本は3ステージを迎える。

そこでは、どんなことが起こるのか、誰が勝者になるのか、われわれビジネスパーソンはどう振る舞ったら良いのか…。

そんな疑問に、ヒントを与えてくれる、興味深い論考です。

さすが情報通の著者だけあって、曖昧なことを言ってお茶を濁すことはせず、具体的に何がポイントになるのか、はっきりと示しているのが特長です。

ガラガラポンをもたらす「10のファクター」はじめ、押さえておくべき視点がバッチリ示されています。

◆ガラガラポンをもたらす「10のファクター」
1.年功序列の終わり
2.正社員と非正規社員の格差解消
3.男女逆転
4.外国人労働者の登用
5.難民
6.業界再編・伝統企業の倒産
7.スタートアップの興隆
8.第4次産業革命
9.交通革命
10.グローバル化

さっそく、気になる中身をチェックしてみましょう。

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現在の格差は「グローバル派」と「ローカル派」の格差

ブレグジットに続く、まさかのどんでん返し。トランプの勝利は、歴史のターニングポイントを示唆しています。そのもっとも大きい意味は、「グローバル化の進行」の終わりです

予定通り、安倍首相は自民党の総裁任期を3年延長したことにより、2021年まで首相を続けられることになりました。安倍首相は五輪を花道として、遅くとも2021年には政権から去ることになるでしょう

東京の人口は2025年の1398万人でピークを迎え、2050年には1274万人まで減少する見込みです

2030年には、団塊ジュニアを中心とする50~64歳の数は約330万人に達する見込みです。すなわち、東京が50代中心の都市になるのです

「外国人労働者の登用」は、高度人材と単純労働人材の双方がありますが、まず優先すべきは、高度人材に日本に来てもらうための取り組みです。とくに、AIやソフトウエア開発など日本が弱い分野は、日本人だけでは世界競走に絶対勝てません

米国のインテリジェンス機関である国家情報会議は「2030年までに、2ヶ国、もしくは3ヶ国にまたがる大都市が少なくとも40都市は誕生する」と予測しています

◆第4次産業革命の4本柱
「IoTの普及」「AIの浸透」「データの爆発的な拡大」「ロボットの進化」

AI単体では勝負することはできなくなり、「ハードウエア×AI×ネットワーク」といった融合領域こそが差別化のカギ

◆会社に残れるのは7つのプロだけ
1.少人数のトップマネジメント
2.スリム化されたバックオフィス
3.チーム作りに長けた中間管理職
4.人間力あふれる営業
5,ストーリーを創れるマーケティング・ブランディング
6.センスと粘りのある商品・サービス開発(+製造)
7.成長を生む「海外事業」「M&A」「新規事業」のプロ

「日本3.0」時代のキャリアにおいては、「多動であること」がプラスになります

◆ハーバード大生が学ぶ一般教養8領域
「美学と解釈」「文化と信仰」「経験的・数学的推論」「倫理的推論」「生命科学」「物理科学」「世界の社会」「世界の中の米国」

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ジャーナリスティックな視点で書かれているので、論理のスキマは想像力で補う必要がありますが、何が論点なのか、知るだけでも助かります。

著者の主観による議論も多くありますが、ビジネスやキャリアのヒントとして、多くを得ることになるでしょう。

そのまま参考にするというよりは、議論の叩き台にすると、大いに盛り上がる本、という印象です。

ぜひチェックしてみてください。

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『日本3.0 2020年の人生戦略』
佐々木紀彦・著 幻冬舎

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◆目次◆

第1章 日本3.0の始まり
第2章 日本3.0と国家
第3章 日本3.0と経済
第4章 日本3.0と仕事
第5章 日本3.0と教育
第6章 日本3.0とリーダー

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