2016年11月1日

『「言葉にできる」は武器になる。』梅田悟司・著 vol.4486

【比喩能力がこれで一気に上がる】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532320755

コピーライティングの本も、雑談の本も、もう出尽くしたと思っていましたが、やはりあるところには良い本があるものです。

本日ご紹介する一冊は、電通のコピーライターで、カンヌ広告賞、レッドドット賞、グッドデザイン賞、観光庁長官表彰など国内外で30以上の賞を受けたという梅田悟司さんによる一冊。

「世界は誰かの仕事でできている。」(ジョージア)、「バイトするなら、タウンワーク」(タウンワーク)のコピーライターと言った方が、通りがいいかもしれません。

本書『「言葉にできる」は武器になる。』は、その梅田さんの言葉を創る心構えとテクニックを綴ったものですが、いや、すっかり感動してしまいました。

<言葉が意見を伝える道具ならば、まず、意見を育てる必要があるのではないか?>という冒頭の語りかけに始まり、<素材がよければ、味付けは必要最小限でいい>といった言葉通りの構成、そしてとどめの日本語テクニック集。

<日本語には多くの表現技法がある>として、日本に伝わる伝統的な言語表現技術を、今の言葉にわかりやすく変換しています。

比喩表現を磨くプロセスを、ここまで詳細に解説した本は、珍しいのではないでしょうか。

あまりの面白さに、一気に読んでしまいました。

赤ペンチェックポイントも、一気に紹介しましょう。

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言葉が意見を伝える道具ならば、まず、意見を育てる必要があるのではないか?

『星の王子様』で有名なアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリは以下のような言葉を用いることで、「人を動かす」と「人が動きたくなる」の違いを述べている。
船を造りたいのなら、男どもを森に集めたり、仕事を割り振って命令したりする必要はない。代わりに、広大で無限な海の存在を説けばいい。

「自分がこれからどのように生きていきたいか」を例にすると、以下のような真逆を考えることが可能になる。
仕事で成功する⇔成功ではなく、いい仕事をする
世の中をあっと言わせたい⇔1人ひとりに寄り添う仕事をする
自分磨きを怠らない⇔仕事で自分を磨く
専門性を高めたい⇔何でも屋になる

得意分野の話にたとえることで、自分の言葉が生まれる

特定の単語を繰り返すことで、文章を強くすることも可能
例)絶対は絶対にない。 織田信長
例)世界で一番美しい色は、自分に似合う色よ。 ココ・シャネル
例)未来を考えない者に、未来はない。 ヘンリー・フォード

対句のポイントは、自分の言いたいことの逆を前半に入れることで、後半の本当に伝えたい内容を際立たせることにある。そのネガティブが踏切台になり、大きくジャンプすることになる

断言は人々を導く「旗」になる

文章の前に「あなたに伝えたいことがある」を付ける

当事者同士しか分からない「ふたりの言葉」の効力

削ることで、言いたいことを際立たせる

まず第一に削っていくものは、繰り返し出てくる言葉である。例えば「それは」「その」といった指示語、「そして」「しかし」などの接続詞、「私は」といった主語である

言葉を生み出すために必要なのは、動機である。動機が大きければ大きいほど、伝えなければならないという使命感が強いほど、自分の考えていることを正確に、そして、余すことなく言葉にしようとする作用が働く

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どうでしょう? 言葉を仕事にしている人なら、この本のすごさが伝わったと思います。

「これから言葉を磨きたい」という方は、ぜひ本書の例文や表現例を読みつつ、思考も表現も深めていただければと思います。

この本は、もっともっと読まれていい本だと思います。
ぜひ買って、読んでみてください。

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『「言葉にできる」は武器になる。』梅田悟司・著 日本経済新聞出版社

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◆目次◆

1.「内なる言葉」と向き合う
2.正しく考えを深める「思考サイクル」
3.プロが行う「言葉にするプロセス」

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