2016年10月25日

『雑談力』百田尚樹・著 vol.4479

【百田尚樹の雑談力とは?】
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ビジネス書の世界では、雑談本が大ブーム。

もうそろそろ終わりでは……と思っていたら、とどめにとんでもない雑談本が出てきました。

著者は、人気番組「探偵!ナイトスクープ」のメイン構成作家で、『永遠の0』『海賊とよばれた男』など、ミリオンセラーを連発する売れっ子作家としても知られる百田尚樹氏。

本書『雑談力』では、その百田氏の「面白い」を作る技術と、ベストセラーに通じる「ストーリー仕立ての技術」を紹介。ご丁寧に、「必ずウケるネタ56」も添えられています。

読んでみた感想から先に申し上げると、「はっきり言って大爆笑」。

面白い雑談の「見本」として紹介されている物語やエピソードが秀逸(あるいはお下品)で、ページをめくる度に「へえ」「ふうん」「くすっ」と、いちいち心が動かされてしまいました。

無機質なノウハウの解説で終わるのではなく、解説文そのものも楽しめるように作られていて、さすがはヒット連発の売れっ子作家と、感銘を受けました。

上記の要素に加えて、百田氏が参考にしている「ネタ元」も公開されているため、こちらも併せて読んでみるといいでしょう。

まずは本文のなかから、気になった部分をチェックしてみましょう。

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人が注目して聞く話を五分以上するというのは、話術に加えて構成能力が不可欠です

常識を揺さぶるような話から入る

失敗を笑いに変えることができるのは、人間の成長の証

人に面白い話をしようと思う時は、「あなた自身が面白いと思うことを話すこと」と、「話のテーマになっていることを、聞き手は何も知らないという前提で話すこと」

人が面白がったところをさらに膨らませ、退屈したところを短くしていけば、次に話す時には、もっと面白い話になっていく

面白い話をする場合に重要なことは、その話の骨組みを自分で理解していることです。まず大きな筋というか、柱をしっかりと把握していなければなりません。とっておきの練習法があります。それはあなたが感動した映画や小説や漫画のストーリーを他人に聞かせることです

メジャーリーグの通算最多勝ち星はサイ・ヤングの五一一勝です。ただし、これはおもに一八〇〇年代の記録です。日本の最多記録は金田正一の四〇〇勝。両方とも、もはやアンタッチャブルともいえる超大記録です。今後これを破る投手は永久に出ないでしょう。ところがペイジの記録の前では二人の数字も霞んでしまいます。ペイジの通算勝利数は約二〇〇〇勝といわれています

誰かがこう聞くかもしれません。「黒人リーグ選抜チームとメジャーリーグ選抜チームの試合で、ベーブ・ルースとの対決はなかったのか」と。(中略)あなたはここで衝撃的な答えを言って皆を驚かせます。「ペイジとルースの対決は、一度もなかった」

色恋の話は男女問わず受けますが、ただ、雑談としてそういう話題を選ぶ時に心に留めておかないといけないことは、男性はどちらかといえばバカな話を好むのに対して、女性はロマンチックな話を好むということです

女性が大好きな恋の話は、恋のために地位や名誉も擲って、好きな異性のもとへ走る話です

本来は忌むべき犯罪の話も、組み立て方によっては、愉快な話にもなれば、妙に哲学的な話にもなります。ただ、こういう話をする時は、そこに何らかの自分流の考察を入れて締めくくってもらいたいと思います。そうすることによって、犯罪の話も一気に深い話に聞こえるようになります

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本書によると、<「金を儲けた話」「異性にモテた話」は最悪につまらない自慢>で、男なら、ここに<「喧嘩に勝った話」「有名人と知り合いの話」が加わ>るとのこと。

そう考えると、ビジネス書はまだまだ面白くできる余地がありそうですね(苦笑)。

本を書く人、人前で講演する人はもちろん、雑談で人間関係を良好に保ちたい方には、超おすすめの一冊です。

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『雑談力』百田尚樹・著 PHP研究所

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◆目次◆

第一章 人を引き付ける話をする技術
第二章 その気になれば、誰でも雑談上手になれる
第三章 こんな話に人は夢中になる
第四章 親友とする真面目な話

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