2016年10月18日

『心を動かす話し方』堀紘一・著 vol.4472

【元BCG代表、堀紘一氏の話し方の技術】
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今回の仙台出張でも、名言家のメンターの教えに、終始感銘を受けていました。

土井は人生でたくさんの大物にインタビューさせていただきましたが、そのなかでもお話がうまく、印象的な方というのが何人かいらっしゃいます。

本日ご紹介する『心を動かす話し方』の著者であり、元ボストン・コンサルティング・グループ代表の堀紘一さんもそのお一人です。

堀紘一さんは、ハーバード・ビジネス・スクールを日本人初のベイカー・スカラー(成績優秀者)として卒業されたわけですが、そのハーバード・ビジネス・スクール時代のエピソードを通じ、「問題発見」の大切さを教えてくれました。

堀さんは在学中、宿題に関して先生にこんな質問をしたそうです。

「先生、この問題の意味がどうしてもわからないんだけれど」

すると、先生はこうおっしゃったそうです。

「堀くん、君は優秀な生徒だね。そう、君の言う通りこの問題はおかしい。でもみんなそれを疑わずに、問題解決しようとばかりしているんだ」

もし堀さんが、このエピソードに言及せず、「問題解決も大事だけれど、問題発見はもっと大事なんですよ」とだけ話したら、おそらく土井はもうこの戒めを覚えていないと思います。

やはり話し方には極意というものがあるのです。

本書は、過去約5000回の講演をこなしてきたという堀紘一さんが、『心を動かす話し方』の極意をまとめた一冊。

講演や営業、会議、交渉、部下指導……さまざまな場面で使える話し方の本質と秘訣が書かれており、じつに勉強になりました。

さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。

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最も効果的なのは、「(2)相手が知らない話×(3)相手が関心のある話」という組み合わせ

新しい情報は全体の4割まで

講演で話すときは、1つの山場が13分以内で終わるように気をつけている。1対1でビジネスの話をしたり、大勢を前にプレゼンテーションしたりするときも、同様に“13分ルール”を守っている

1つのテーマを3つの視点で言い換える

英語に「クリスタライズ」という言葉がある。日本語でいうと「結晶化」。本質を理解しないで平気で長話をするタイプは、この結晶化が足りない。本質は結晶化のなかに潜んでいるのだ

しゃべりも文章と同じ。センテンスはできるだけ短く、接続詞を使わずに短くしゃべるのがベスト

相手との共通項をアピールしない(中略)理想的な展開は、こちらから言い出す前に、相手に気づいてもらうこと。「そういえば、君は僕の大学の後輩だね」と先方から言ってもらえるのがベストである

リレーションは経年劣化してしまう。関係性が色褪せたり薄れたり、ほとんど切れそうになることもある。それをコミュニケーションが強くしてくれるのだ

グローバル化する社会は間違いなくローコンテクスト化していく

目指すものがなく、努力もしない人は、年上から見て魅力はない

人生とは、自分のやりたい何かを探す旅に他ならない。私のように人生の後半戦に入り、進むべき道がやっと見つかるケースだってある。だから、若いうちから、「やりたいことがない」「未来像が見えない」と焦らなくてもいい。肝心なのは、内面を輝かせる不断の努力である。そのために不可欠なのは、読書というインプットであり、自らを引き上げる手助けをしてくれる先輩たちとの良質なコミュニケーションなのだ

大事なことは「ピアニッシモ」で話す

日本語は同音異義語が多いので早口を慎む

無駄な形容詞、お世辞、飾り言葉を取っ払って、核心を伝える。これを心がけるだけで、相手の理解度は格段に高まる。ビジネスの現場で相手に時間を浪費させていると気づかず、延々と売り口上を続けていたら、好感を持たれるわけがない

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<話し方の本質は「どう話すか」ではなく「何を伝えるか」>という本質に始まり、短く話をまとめるテクニック、やってはいけないことまで、明確にポイントが示されています。

講演で稼ぎたい人や、営業力を鍛えたい人、社内コミュニケーション力を鍛えたい人、リーダーとして抜きん出たい人は、単なる話し方以上に得るものがあると思います。

ぜひ読んでみてください。

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『心を動かす話し方』堀紘一・著 SBクリエイティブ

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◆目次◆

第1章 話の中身を決める4要素
第2章 話し上手は聞き上手
第3章 話し上手は “本質論者”
第4章 シーン別の効果的な伝え方
第5章 日本人と外国人を惹きつける話し方の違い
第6章 「話が上手い」と感心される人

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