【フランス人に学ぶ生き方の極意】
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本日ご紹介する一冊は、昨日の『調理場という戦場』同様、売れていて存在は知っていたけれど、読んだことがなかった本。

※参考：『調理場という戦場』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344407717/

著者は、20年間パリに在住し、フランスおよびヨーロッパ全域の取材・執筆をしていた吉村葉子さんです。

土井もパリに来てからというもの、フランス人の豊かな暮らしぶりに興味が尽きませんが、本書を読んでその本質がわかった気がします。

200年経っても価値が落ちない不動産、１Kでも売れてしまうマンション（パリで言うところのアパルトマン）がベースにあり、その住処を自分流にアレンジする自由とセンスがある…。

どうやら、フランスではこんな感覚が豊かさのベースにあるようです。

不動産業界とメディアに乗せられて、ＣＭで謳われた通りの「豊かさ」を消費しようとする日本人とは大きな違いです。

欧米では、評価は見た目から入るから、ブランド品を持っていることの価値が日本とは比べ物にならない、という話も参考になりました。

今、日本では経済が行き詰まっていると思われがちですが、実際には「豊かさへの欲がない」、つまり需要がないことがすべての問題の根源にあるのだと思います。

お金を求めるのではなく、今より豊かに暮らすためにどう考え、工夫すれば良いのか、何にお金をかければ良いのか、どんな人間関係を構築すれば良いのか、フランス人に学ぶことは多いと思います。

さっそく、気になった部分をチェックしてみましょう。

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旅行先でお土産を買うにしても、十年たっても持っていたいと思えるものだけを選んでください。捨てることを前提にしているようなものを買わないでください

ステーキが焼けてマスタードがないなら、胡椒ですませましょう。バゲットを縦に裂いてバターの上に塗るコンフィチュールがなかったら、お砂糖をぱらぱらふりかけましょう。バターがなかったら、バゲットをちぎってお口にぽんです。なければないで、どうにかなります。そもそもフランスには、足りないものを買いたくてもコンビニがないのですもの、仕方ありません。ないものは代用品ですませるのも、才能のうちです

歳とともに、時間が加速度的に過ぎていくのはほんとうです。人生は道のように、上り坂のときより下りでスピードが出てしまうのです

「私の人生も捨てたものじゃなかったわ」と思えたら、しめたもの

そもそも、よりよく生きるということは、今を大切にすることにつきるのではないでしょうか

人生を真剣に考えれば考えるほど、だれかを幸せにしたくなるとしたら、こんなに素晴らしいことはありません

歳をとらないとわからないことを、若いあなたが心配することはないのです。人生って、若かったころに大袈裟にかまえて考えていたほど、難しいものではありません

意外に思われるでしょうが、わが国にはブランド品が真価を発揮する場がありません。むしろ欧米でこそブランド品は、威光を放ちます

マドモアゼルたちは洋服や靴やバッグはあまり買いませんが、ごく自然にアパルトマンを買います

「もし結婚したら」とか、「結婚するかもしれないから」はフランス女性にとって、不動産を買うのをためらう理由にはなりません。正式な婚姻関係にしても、今、はやっている婚姻手続きを簡略化したパクスにしても、双方が所有している資産を法的に明確にしておくのがフランス式

二十年後に付き合える異性の知人をキープ

愛されたいなら、まずは美味しそうに食べることからはじめよう

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アマゾンのカスタマーレビューでも指摘されているように、タイトルの「お金をかけずに」と内容は正直合っていませんが、豊かに暮らすためのヒントは書かれていたと思います。

というのも、まえがきによると、本書はもともと「十年後、二十年後の暮らしを豊かにするために」が主なテーマだったようなのです。

本書の正しい使い方としては、実際にパリに行って（観光地巡りをせずに）、現地の生の生活に触れ、彼の国と日本の違いを比較しつつ、豊かさの違いの本質を考えるのが正解と思われます。

読めば日本の暮らしをどう改善すれば良いか、今後、どんなビジネスの余地があるか、ヒントが見つかることと思います。

「豊かさ」を連呼していますが、人々のより高次の豊かさを手伝うことで、ビジネスは発展していくのだと思っています。

ぜひ、読んでみてください。

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『フランス流お金をかけずに豊かに暮らす方法』
吉村葉子・著　ＫＡＤＯＫＡＷＡ

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◆目次◆

１章　パリ時代があって今がある
２章　もっとおおらかに生きるヒント
３章　パリで見つけたお金にしばられない生き方
４章　いつまでも男と女のフランス人
５章　食は人生の楽しみ